絶望者のもとに、【奴】は現れる...
概要
「漆黒アカデミア」にて2021年7月22日より登場。元殺し屋の拷問狂で、世の中に絶望している者の前に現れ、拉致しては死ぬ手伝いをしてやると拷問にかける。
人物
40代の褐色肌の男性で本名不明(本人も長い裏世界生活で本名を忘れている)、かつては暴力団に雇われたプロの殺し屋で裏社会一凄腕の暗殺者として恐れられており、1人頭8千万円から1億円の依頼料で引き受けてはターゲットを殺害、時には尋問に拷問器具を用いており、スキンヘッドの頭から「拷問蛸」の異名で呼ばれていた。が、2022年8月24日付の動画にて「拷問蛸」以外にも「殺し屋レイン」という異名も持っていたことが発覚。ただし、「レイン」が本名かコードネームか現時点では不明である。
殺し屋時代は殺人を楽しむかのように嬉々として仕事をこなし、金さえ貰えれば誰からの依頼でもお構い無しに引き受けていたが、馴染みの依頼主である掃除屋からは八方美人は敵を増やすと忠告されていた。婚約者の女性「深雪」からも殺し屋を辞めて欲しいと懇願されていたが、聞き入れる事は無かった。だがそんな荒んだ生活が仇となったのか、深雪は突然自ら命を絶ってしまい、それから間もなく拷問蛸は殺し屋から足を洗う事となった。
現在は稼業を引退し、趣味の拷問に没頭するべく全国各地に所有する山小屋兼拷問部屋を拠点に活動し、裏社会の情報屋に大枚をはたいて倒産寸前の企業の経営者や多重債務者など、世の中に絶望して自殺しようとする者を探しては拉致・監禁し、死の手伝いをしてやると拷問にかけている。ターゲットを拉致する際には、自殺する寸前に現れて相手の落ち度をあげつらうなどの罵倒を浴びせて挑発し、ターゲットが「どうせ自分なんか死んでもいいんだ!」と逆ギレさせた直後にプロレス技を仕掛けて気絶させてから捕獲して、アジトに運び込んで拷問している。ただし、拷問の最中に対象が生を渇望した場合は殺す価値が無いと拷問を止めて解放し、結果として対象人物が「それまでの自分を殺した」事により生きる事に前向きになり、結果として社会的に成功するなど対象人物からは感謝されている。だが対象に一生消えない程の深い傷を残し、治療もせずにそのまま放り出すなど、お世辞にも善人とは言い難い人物である。だが最近は桜木という青年が助手を務めるようになり、対象を開放する際に桜木が包帯を巻くなどの応急処置を施すようになり、怪我が酷い場合は闇看護師の所に担ぎ込んで治療させている。白色長髪の情報屋も情報を提供するなど協力関係にある。さらに解放されたその後の社会復帰する様子を悪態をつきながらこっそり見守るなど、ツンデレな一面を見せる事もある。ちなみにビールが好物のようで情報屋の叶とターゲットを吟味する時や拷問後には桜木にビールを要求しジョッキで渡されている。またターゲットを拷問小屋へ連れて行く際に車内で食事をするのだが、物によっては鍋物を助手席で火をかけつつ運転しながら食べるという器用な真似をしている。
このように善意で行っているのかは不明だが、自殺願望者に拷問で活を入れる事で、再び生きる気力を蘇らせており、結果的に大勢の自殺者を救っている。だがその反面、他人を自殺に追い込んだ悪人も拷問のターゲットにしており、そういう連中を捕らえた際には「生きたい」と言っても容赦なく死ぬまで拷問を加えるなど、自殺教唆をするような人間を心から憎んでいる。
この様な行為から、かつて「金のために生を懇願する相手をも殺害する」人生を送っていた事への贖罪の意味を込めて「死を望む者に再び生への渇望を蘇らせる」事を生業にしたと思われ(実際に情報屋の叶は「彼の復讐であり贖罪でもある」と語っている)、何がきっかけで転機(ターニングポイント)を迎えたのかと興味を持つ視聴者も居る。
劇中では彼の名にちなんでか、赤地に黒の豹柄をした目付きの悪いタコのぬいぐるみがよく登場している。
姉妹チャンネル「ヒューマンバグ大学」の「拷問ソムリエ」の事を趣旨の相違から敵視しており、「いつか拷問してやるか」と呟く等、いずれ決着をつける気でいる。しかし前述したとおり最近では外道も拷問を加えているというあたり、根本は似た者同士なのかもしれない。また前述の通り拷問蛸は元殺し屋であり、伊集院茂夫は家族が大金で雇われた一流の殺し屋に惨殺されたことが今の彼の原点になったため、もしかすると伊集院の家族は拷問蛸によって殺害された可能性も捨てきれない。また、ヒューマンバグ大学に登場していた佐竹や鬼頭が、漆黒アカデミア改めバグアカデミアに出張してチャンネル間の関連がより深まり、伊集院と激突する可能性が更に高まった。
視聴者の中には、被害者本人が死亡する前に助けている事と結果的に被害者本人が幸せになっている事から拷問蛸の方を評価する人も存在している。
作中で執行された拷問
- 鉛の散水機(中世ヨーロッパ)/メイス状の棒の中に熱く溶けた鉛(摂氏327度以上)や煮えたぎる油を入れ、振る事により先端の無数の穴から中身がシャワー状に噴出され、かけられた罪人は火傷に苦しむ。作中ではタール(摂氏600度以上)を使用した。
- 逆さネズミ鍋(中世ヨーロッパ) /大量のネズミを入れた鍋を逆さにして罪人の腹部に取り付け、鍋底に火を着けてネズミを刺激させる事により逃げ場を求めてネズミが腹部を食い破ろうとし、罪人は内臓を貪り喰われるか、感染症で死に至る。
- 水責め (古代~中世ヨーロッパ)/かつてヨーロッパなど西洋で行われていた拷問の一種。方法は至ってシンプルで、罪人の顔を水の入った桶などに入れて溺死させようとするもの。2021年9月18日に投稿された動画では被害者の少女の視点で語られており、ミームを実行したいYouTuberのたっての頼みで実行し、少女は大火傷を負い死亡した。YouTuberは難を逃れたものの、人を死なせといて自分が生き残るのは公平じゃないと拷問蛸に処刑された(少女を騙して結果的に焼身自殺させた事が許せなかったからだと思われる)。
- 頭蓋骨粉砕機(中世ヨーロッパ)/中世にて異端審問の際に使用された拷問器具。上部に付いたネジを回すと鉄のキャップが顎を載せた土台へと徐々に近づく、これにより異端者は頭部に極度の圧力が掛かり耐え難い痛みに襲われ、頭部で一番硬い歯によって最初に顎の骨が砕け、最終的には目、鼻、耳、口とあらゆる穴から内部組織が漏れ出て、最後に頭蓋骨が粉砕し、目や脳が飛び出し絶命するという。
- 糞尿風呂(ナチスドイツ)/ドイツがナチスの支配下にあった時代に存在した拷問。名の通り糞尿が浴槽の中に大量に入っており、傷口に入れば糞尿の細菌が体内に入って感染症に陥るという。このため、拷問蛸は先に対象者の胴体を北朝鮮の拷問をアレンジした釘とガラス片で出来たマットで傷付けてから、糞尿風呂の拷問を実行した。
- 炭火焼き(日本江戸時代)/江戸時代のキリスト教弾圧にて異教徒に執行した拷問。火のついた木炭の上に罪人を正座させる。この回では借金苦で絶望した女性・リカコの他に、自殺に追い込んだホストのアキラも同様の刑にしており、リカコが生に執着したため解放したが、アキラは故意に自殺に追い込んだ人間は許せないと、ガスバーナーで炭火の温度を600度まで上げ、アキラは全身が炭化し、桜木が水をかけると同時にボロボロに崩れ落ちた。
- 水責め(古来以降の世界各地)/罪人などを水車に固定し水車を回転させることで罪人の体温を奪い窒息をさせることを狙った処刑方法。劇中では痴漢の冤罪被害に遭い会社を解雇され家族からも冷たくされたことで絶望し自殺しようとした男性に対して執行した。最初に大量の食塩を入れて零度以下になる水を使用、次にジーンズと石を混ぜてビンテージ感を出したストーンウォッシュ、最後は火炙りの刑という順番で実行した。しかし、最後の火炙りの執行直前に痴漢詐欺師の女性3人が桜木に「男性の死を見たら50万払う」という誘いに乗り物見遊山目的で執行現場を訪れる。真実を知って憤った男性は「お前らが死ね!」と叫んだことで男性は釈放された。と同時に拷問蛸の処刑対象が死を諦めた男性から男性を自殺に追い込んだ痴漢詐欺師の女性3人に変わり、彼女達に対して火炙りの水責めを実行。5分後に女性3人は黒焦げになって絶命した。なお、釈放された男性は家族と和解し、再就職もしてかつての幸せな家庭を取り戻している。
- 三角木馬責め(日本戦国時代〜江戸時代) /罪人を三角形の木馬に座らせ、さらに重りの付いた足枷を付ける事により、鋭角が人体で最も柔らかく、神経や血管が集中している股部に食い込んで苦痛を与え、自重で鋭角が肉を引き裂き死に至る。劇中では認知症を患った父親を持ち、詐欺に遭った女性・ゆかりに対して執行。今回はさらにアレンジして鉄製の三角木馬にし、床に木炭を敷いて火を付ける事により熱伝導で肉も焼いていたが、拷問蛸が招いた詐欺師の罵倒に憤怒して生きる執念を宿した事で釈放され、代わりに詐欺師が拷問を受ける。詐欺師は金を払うから助けてくれと懇願するも、1兆円を要求された上に「人を騙すカスを殺すのが趣味なんだ」と切り捨てられ、木馬を傾けた事により自重で股が引き裂かれて詐欺師は絶命した。なお、釈放されたゆかりは、父親の事を聞いて帰郷した兄が介護に協力した事により精神的に安定し、その甲斐もあって父親も奇跡的に回復に向かっている。そして詐欺集団も拷問蛸が根回ししたのか警察に一斉逮捕された(拷問蛸曰く、最初から警察に被害届けを出していれば金を支払う必要も無かったとの事)。
- 釜茹で(古代中国、イギリス、日本など) /かの石川五右衛門が受けたとして知られている、大釜にお湯や油などの液体を煮立たせ、罪人をそこへ放り込み煮殺す刑罰。劇中ではホームレス支援のボランティアをしていたが、面倒を見ていたホームレスの一人・としおが自身の目の前で殺された上にネットで犯人が讃えられ支援者が偽善者と誹謗中傷されたことに耐えきれなくなった女性・木下に対し執行。拷問蛸が用意した装置は温度調節の機能がついており、木下を50℃の湯に放り込んだ後で温度を65℃に上げ、さらに湯へ片栗粉を混ぜてとろみを付けることで効果を増すように仕掛けた。そこへ情報屋が連れてきた、としお殺害の犯人・梅中に罵倒されると怒りで死への願望が消えたことで解放される。代わりに梅中を熱した油に放り込んで温度を200℃に上げ、さらに水をかけて水蒸気爆発を起こした結果梅中は焼死した。木下は情報屋の手で闇看護師に連れて行かれて手当を受け、ホームレス支援に復帰している。
- 炮烙の刑(古代中国)/殷王朝の時代からあったとされる拷問で、罪人を中空の銅柱に括り付け、中に火を放って焼き焦がすというもの。劇中では元恋人の草薙からストーカーを受け、さらにはリベンジポルノまで撒かれて人生に絶望した女子大生・坂口愛理に対し執行。拷問蛸は苦痛と怨嗟の声を上げる坂口を煽りに煽った後で先に捕まえていた草薙と対面させると、相変わらず自己中心的な言説を繰り返す草薙に怒った坂口は死への疑念を抱いたため解放される。ちなみに炮烙の刑は橋のように渡した銅柱を下から熱し、その上を歩かせるものだとの説もあり、こちらは坂口を解放した後で草薙に対し執行している。
- 海老責め(日本江戸時代)/江戸時代に囚人に行われていた拷問であり、両手を背後に縛り付けた後に足と肩を括って腰の曲がった海老のような姿勢にして、罪を自白させる。劇中では自身の亡き父の後継ぎで営む焼き鳥屋の料理に、鳥インフルエンザの肉を使用したという根も歯もないデマ情報をSNSに拡散され、店を開店休業状態に陥れられて絶望した女性・熊田翔子に対し執行。拷問蛸は物足りなさを感じ更なる快感を味わうべく、熊田に30kgの重石を背負わせ体を更に折り込んで苦痛を与えた。苦悶を喚き散らす彼女に、自身の店に風評被害を齎した男・岸本と対面。彼は熊田と同じ拷問に掛けられ苦悶しながらも、身勝手で歪んだ正義感の戯言を吐き散らしていた。岸本が処刑された後、自身を救出してくれたのではないかと疑念を抱いた熊田の口を塞ぎ込んで闇看護師・真咲の元に運んだ。その後、熊田は拷問蛸から解放された後、常連客の温情もあって見事に社会復帰をすることが出来た。
- 串焼き拷問(現代中国)/中華人民共和国で主に少数民族に対する思想統制に使われている拷問。特殊な器具に拘束し、焼き鳥を焼くようにひたすら回転させ、三半規管や内臓にダメージを与える。拷問蛸はターゲットの益若ゆうなに執行する際は若干のアレンジを加え、途中で下から炭火で炙る責め苦を追加している。さらに益若を騙して借金漬けにした三崎社長に対しては炙った上に「焼き鳥は飽きた、ケバブの方がいい」と称してスライサーで薄く削いで死に至らしめている。
- 塩責め(日本江戸時代)/罪人の肌を傷つけ、出来た傷口へ塩をすり込む拷問。拷問蛸はターゲットの竹若公子に執行する際にはサイコロの出目の10倍(出目は6だったので60発)ムチで打ってから100℃に熱した塩をすり込んだ。公子の娘・朱里の上司にして死の原因となった皆瀬に対してはムチで百叩きにしてから800℃まで熱し融解した塩を塗りつけた後、冷たい塩水をかけて死に至らしめている。
- 冷凍拷問(北朝鮮)/国の意向に沿わない者を冷凍室に閉じ込め殴打する拷問。ターゲットの東谷まさしに執行する際は殴る代わりに冷たいビールを掛けてから送風機で風を送ってさらに冷やす形で拷問している。東谷が支援していたホームレスの一人を死に至らしめ絶望させた病院手配師・君島美和子に対しては消火ホースからの大量の水と火炎放射器を同時に発射して死に至らしめている。
- 錫蛇(古代中国)/中国・明王朝時代に使われたとされる蛇を模した錫製でパイプ型の拷問具。罪人の体に巻き付け、中に熱湯を注ぐことで罪人を苦しめるもの。
- 周牢(李氏朝鮮)/李氏朝鮮時代の拷問。読みは「チュリ」。罪人を椅子に拘束して足先と膝をしばり、左右から交差させるように棒を差し込んで広げるもの。足の骨は次第に歪み、ついには折れてしまうという。
- バリージャ(軍事政権下のチリ)/20世紀の南米で生まれた拷問。金属のフレームに対象者を拘束し、電気を流すという科学技術の生み出した拷問。余談だが、人間は約100mAの電流を食らえば死に至るとされている。
- ユダのゆりかご(中世ヨーロッパ)/魔女狩りや異端審問で使用された三角錐形の拷問具。対象を錐の先端に触れるように配置し、錐をじわじわと食い込ませることで苦痛を与える。
- 真実の車輪(中世スペイン)/異端審問で使われた拷問具。内側に棘を付けた樽の中に人を押し込み、樽を回転させることで肉をえぐり三半規管にダメージを与える。拷問蛸は内部が見えるようにガラス製の樽に人を固定し棘つきの鉄球を放り込む形で執行している。
- ファラリスの雄牛(古代ギリシャ)/紀元前6世紀の暴君ファラリスが考案した処刑具。真鍮製の牛型の模型の中に人を閉じ込め、外から熱することで焼き殺すもの。
- 鉄の処女(中世ヨーロッパ)/聖母マリアを象った像の中に人を入れ、中の棘で責め立てる拷問具。そのままだと入れられた人間は即致命傷を負うため、拷問蛸は棘を丸くして肉を強く圧迫する形式に変えている。
- エクセター公の娘(中世イギリス)/イギリスの貴族エクセター公が考案したとされる拷問。対象を台に寝かせた状態で手足を拘束し、拘束に使っている紐を上下から巻き取ることで体を引き伸ばして苦痛を与えるもの。
- ジビット(中世イギリス)/人がギリギリ入るサイズの鉄かごに対象を閉じ込め、吊るして野ざらしにするもの。海賊キャプテン・キッドを処刑した方法でもある。
関係者
- 桜木
拷問蛸のアシスタントを務める赤髪の男性。拷問の段取りを整える他、生への執着を口にして拷問蛸が興味をなくしたターゲットの応急処置も行う。
20歳の時人生に絶望していたところを拷問蛸に命を救われたことで恩義を感じている。また拷問蛸の過去に興味があるらしく、拷問後に本人や叶、真咲に対してしきりに質問することがある。
視聴者から髪色と苗字、拷問ソムリエの助手が流川なので某バスケ漫画が元ネタか?と推測されている。
- 情報屋の叶
- 闇看護師の真咲
拷問蛸からは無茶な治療を依頼されるせいか悪態をつくこともあるが、拷問蛸の過去を知る人物でもある。
- 吉良深雪
- 掃除屋