オーマとは、漫画原作版『風の谷のナウシカ』に登場するキャラクターである
「風の谷のナウシカの子 オーマ!! オーマは光輪を帯びし調停者にして戦士なり」
概要
原作第6巻に登場した巨神兵の末裔。
ペシテで発見された卵から誕生した個体で、トルメキアが奪取しようと画策するも、起動に必要な『秘石』という鍵となる石が見つからず断念。のちに土鬼に奪取され、聖都シュワで「墓所」の旧世界の力を用いて復活を果たす。
その後、トルメキアに侵攻するためにナムリスの元にサナギ(人工子宮)の状態で運ばれるが、ガンシップの砲撃に反応して孵化が始まり目覚めてしまった。このとき、秘石を持っていた人物がナウシカであったため、ナウシカのことを母親と認識し「ママ」・「母さん」と呼んだ。
はじめは赤ん坊同然でしかなかったものの、ナウシカから秘石を与えられたことで徐々に知能を開花させ、ナウシカにエフタル語で「無垢」を意味する『オーマ』の名を与えられると急激に知性を発達させ、【裁定者】としての真の力を覚醒させた。
その後はナウシカとともに、腐海の国家間の戦争の元凶である「シュワの墓所」に向かうべく、ナウシカと旅路を共にする。
性格
先述したとおり、最初のころは赤ん坊と同じでかなり幼い。
しかし、名前を与えられて以降は、【裁定者】としての自負に目覚め、相手の表情や言動から心理や虚偽を見透かしたり、人間を品定めすかのような言動を見せたりと、厳格で尊大な一面をのぞかせた。それでも、ナウシカに対してはとても従順である。
能力
『火の七日間』を生み出した巨神の末裔だけに、壮絶な戦闘能力を有している。
背中に光輪を展開して空間を歪めて飛翔でき、口や額からはプロトンビームを発射可能。特にこのビーム攻撃は劇場版の巨神兵を知る人ならば、その強烈な威力を想像するのは難くないであろう。実際に、土鬼族の追撃部隊をたった数撃で壊滅させたり、墓所の防衛システムと壮絶なプロトンビームの撃ち合いを演じたことで、シュワが壊滅したりと、驚異的な威力を見せ付けてくれる。
さらに、超常の力を操ることもでき、念話や遠方の風景をそのまま映像として念写することもできた。ナウシカとは念話を用いてコミュニケーションを成立させている。
ただ、プロトンビームや飛翔能力を使うなど、その能力のエネルギー物質の関係上、常に全身から毒の光を周囲に放ち、多大な悪影響を及ぼすことになる。(この影響でナウシカは体調を著しく崩し、テトに至っては死亡してしまう)
またオーマ自身も、シュワの墓の技術を用いて不完全な復活を遂げたことがたたり、これらの能力を行使すると肉体が急激に腐敗していく。
劇場版との個体差
劇場版のものはオーマとは別個体であると考えた方がいいだろう。
その末路
途中、トルメキアの皇子たちの艦隊に同行したのち、ナウシカに旅の同行を願い出た皇子たちも連れてシュワを目指す。能力の使い過ぎがたたって発作を起こし、弱ったナウシカたちを庭の主の下に預けると、彼らより先にシュワへと向かった。
シュワに到着すると、そこで勃発していた土鬼とトルメキア軍との戦闘に介入し、シュワの一部を消滅させる。トルメキアの国王であるヴ王と謁見を要求し、謁見後に墓所の封印を宣言するも、墓所との壮絶なプロトンビームの撃ち合いとなり、シュワを壊滅させる。そして自身も、その戦闘で重傷を負い、墓所の堀へと転落して消える。
一時はそのまま消えたかと思われたが、ナウシカの呼びかけによって目を覚まし、プロトンビームで墓所を内側から破壊し、墓所にとどめを刺した。最期はナウシカに見守られながら、静かに息を引き取った。
彼の存在は、強すぎる力が何も生み出さないこと、旧世界の遺物が人の心に悪影響を及ぼすことをナウシカに示し、同時にナウシカの中で芽吹いていた母性を大きく育てることとなった。