CV:大本眞基子
『サイボーグクロちゃん』に登場するトラネコ。
おそらく、日本の漫画界で最強の生身の猫。隻眼。
一人称は「拙者」。
サイボーグ化されたクロちゃんとまともにやり合う実力の持ち主で、生身でありながら二足歩行や手を用いた工作などをこなすという人間のような運動神経と、隻眼にも拘らずガトリングガンの弾丸を箸で掴み取る動体視力、反射神経を持つ。
また、日本語をテレビから理解し流暢に話し、人間の棟梁から教えられた大工の知識をものにするなど、知能も凄まじい。
寡黙でクールな一匹狼然とした猫で、まるで侍のような話し方をする。ただし人情には厚く、受けた恩義や恨みは忘れない他、クロ相手だと簡単に激昂するという一面を持つ。
一方、振る舞いの割には自制心が弱く、クロに「日本一快楽におぼれやすい猫」とまで揶揄される。
若い頃は陽気ででたらめな性格だったのだが、他の猫やカラスとの壮絶な抗争や一人旅を経て、現在の性格を形成した。日本語を覚えるために時代劇ばっかり見たのも性格に影響を与えているようだ(話し方が侍っぽいのもこのため)。
ちなみに、色恋沙汰に関してはかなり初心(ナナからマフラーを貰った際に、それに嫉妬するクロの気持ちをまったく理解していなかった)。
最大の武器は「なんでも斬れる剣」を超える威力の「すてるすブーメラン」。どこで手に入れたのかは不明だが、上空を飛ぶジャンボ機を両断するほどの威力と飛距離を持ち、接近戦にも使う。
それ以外にもチェーンソー、ボーガン、鉄球など種々の武器に精通しており、着込んだマントの下に何個も隠し持っている。
生身であったころから手先が器用であったが、それに加えて大工の棟梁に指導を受けたおかげで、建築の腕前は名人級である(その時もらったゲンノウは彼の宝物)。そのため、作中で破壊された建物を直すのはほとんど彼の担当。
「Mr.」という言葉を知りながらアフリカやサイボーグを知らないなど、人間の文化に関する知識にはかなり偏りがある(まあ、この漫画の設定は二転三転するのがお約束)。
互いに生身であった頃にキッド(=クロ)と衝突し、その際に右目を失い隻眼になっている。
当初のマタタビは、無二の親友であることと目を奪われたことの板ばさみになって、再会してからどうするのかという目標を定めないまま我武者羅に旅をしていたが、大工の棟梁に諭されて、自分がクロのことをどう考えているのか、目を奪った方のクロがどれだけ苦しんでいるかを考えた結果、「許さず憎まず、クロが一番安心できる距離にいてやる」ことに決めている。
というわけで、クロと再会した後の彼は、その眼帯を常にクロに見せ付けつつ、時に協力したり時に殺しあったりという絶妙な(=他人にはわからない)距離ですごしている。
だが、度々「こいつがただただ憎たらしい」という感情に支配されることも。