概要
つまるところ国軍や自衛隊、警察など国を守る立場にある組織が暴動や過激デモを行う民衆に対して使う銃の総称。
基本的に「暴動に対して使う銃」というものがこの銃のカテゴリーに入るため、ライフルでもハンドガンでもグレネードランチャーでも対暴動に使用されればそれは「ライオットガン」ではある。
ただ、基本的に「暴動鎮圧のために作られた」銃というのは大抵ショットガンであり、そのためウィキペれば散弾銃の項目に飛ばされるし、英語辞書にも「riot gun 暴動鎮圧用ショットガン」と説明されている。そもそもの製造目的が「対暴徒用」の銃がライフルやハンドガンがあるはずがない。と思われていたが実はあった。
最近では外観こそショットガンであるが使用できるのが電気スタン弾に限定したもの、圧搾空気で樹脂弾のみを撃ちだす銃が出てきているのでむしろこっちがライオットガンだと言える。
ちなみに
暴動用とは言っても基本的に目的は暴動の鎮圧であり、暴徒の虐殺に使う銃ではない
。威嚇射撃に実弾を使うことはあっても、人に向けて撃つ弾丸はたいてい殺傷性の低いゴム弾や催涙弾である。
それでも国によっては人に実弾を撃つこともあったり、ゴム弾や催涙弾でも急所にクリティカルヒットすれば人を殺せる威力はあるため、ライオットガンだけが理由ではないにしろ暴動の鎮圧では当然の様に死人が出る。
どっちが悪いのかは暴動の理由と勢い、鎮圧する理由とその光景を客観的に見て決めるしかない。
ついでに
非殺傷銃弾ということで「ゴム弾」がよく上げられるが、これは「ゴムの弾性によって着弾時の衝撃を緩和し殺傷力を抑えたモノ」ではなく、ゴム製の弾丸が発射と同時に先端に掘られた裂け目から風圧で十字に広がることで、弾速を落とし殺傷力を弱めたものである。
弾頭が長く、大きくないと十分に減速できないのでショットガンくらいでしか使用できない。
暴徒鎮圧用拳銃のゴム弾は長い弾頭を撃ち出せない事もあり普通にゴム製の丸い弾が撃ち出される。
弾は初速も低くジャイロ効果を与えることも出来ないためにライフリングの無いスムースボア(滑空銃身)が使われた専用の銃からしか撃ち出せない。
ちなみに超至近距離で命中すれば、ゴム製の弾丸は体内で変形し、普通の銃弾で撃つより酷い事になること請け合いである。
暴徒に対し実弾で鎮圧するイメージのある東側諸国だが、東側の方がこういったゴム弾を撃ちだす暴徒鎮圧銃が多く存在しており、冷戦構造の崩壊と共にアメリカを含む西側諸国へ輸出されている。
FN303では着弾と同時に砕けることで衝撃を緩和する構造の金属粉末を封入した樹脂性サボット弾を圧搾空気で撃ち出す構造になっている。
サボット弾は純粋に運動エネルギーで衝撃を与えるもの以外に、催涙ガスや着色用の染料が封入された弾薬を使用可能で、ショットガンで打ち出す同系の弾薬に比べて低速かつ軽量である(ショットガンでは200ジュール程度に対し、FN303では25ジュール程度)ために低殺傷であり、射程が長いことが特徴となっている。
競技用のペイントボールランチャーを改造したものをライオットガンとして使用する例もある。
口径こそ競技用と変わらないが、競技用のものより高圧でペイントボールが撃ち出される、競技では搭載禁止なフルオート機能を搭載している、競技では使われない黒色をしているといった違いがある。
撃ち出されるペイントボールには着色蛍光マーカー、匂いマーカー、無害で無着色の水、催涙ガス等が封入される。また、割れずに衝撃を与える硬質ナイロン球もある。
これらのような圧搾空気で撃ち出す物はショットガンなどで撃ち出す物と比べて艇威力でrが、当たり所によっては死に至らしめることがあるため、至近距離での発砲が禁止されている。
見た目が普通の銃火器にも見える為、実際に使用された際にサブマシンガンなど実銃を暴徒に使用した、と報道されることもある。
また催涙ガスなどを発射するにはグレネードランチャーが用いられる事もある。
これに関しては殺傷性の実弾(主に40mm弾)の使用を防ぐために37mmのランチャーが使用されることが多いが、軍であればわざわざ別の銃を購入するという無駄を減らすためか既存の装備である40mmのランチャーが使われることが多い。
関連タグ
・RDIストライカー12(製造目的が初めから暴動鎮圧用という珍しい銃)
・水平二連式(暴徒鎮圧でよく使われる。弾が込めやすいし、すぐに装填している弾を確認できる為)
・コンバットガン(主にSPAS12やベネリM3の事。こういうのは能率的な問題でライオットガンとして使われることが多い)
・機動警察パトレイバー「ライアットガン」と言う名称で主に太田巡査の2号機が甲一種勤務態勢時下に使用する。デザインモデルは金属製折り畳み式銃床のレミントンM870