東方儚月抄
とうほうぼうげつしょう
概要
東方儚月抄 とは東方projectの公式書籍である東方儚月抄関係の作品につけられるタグ。東方永夜抄のキャラや設定を下敷きに様々なストーリーが描かれる。
主に依姫、豊姫の綿月姉妹や、レイセンが登場する作品につけられることが多いほか、儚月抄のワンシーンをモチーフにした作品にもつけられることも多い。
pixiv上では省略形である儚月抄の方がタグとして圧倒的に多く使われている。
書籍情報
儚月抄は漫画版、4コマ漫画版および小説版の3つのバージョンがある。一迅社発行の雑誌にて連載され、現在では全ての単行本が刊行されている。
漫画版
通称、秋枝月抄(あきえだっしょー または あきえだげっしょう。著者の秋★枝に由来)。ComicREXにて2007年7月号より連載され2009年5月号にて完結した儚月抄本編と言える作品。上・中・底の全三巻。
八雲紫が第二次月面戦争と称して月への侵攻を計画してから、霊夢やレミリア達を巻き込み、月侵攻用ロケット建造、月面同時侵攻、そして綿月姉妹との戦いを経て第二次月面戦争が終結するまでの顛末が描かれている。
最終巻が下巻でなく底巻であるのは、作品中に登場する住吉三神(上筒男命、中筒男命、底筒男命)に由来している。上巻のみ音楽CDが付録としてついている。また、第4回博麗神社例大祭(2007年5月20日)にて連載に先駆け、同人誌『東方儚月抄 Silent Sinner in Blue. -PROLOGUE-』が体験版として頒布された。
余談だが、作中魔理沙のマスタースパークが餅みたいであると評判になったが、書籍版ではきっちりと修正されそれっぽいエフェクトになっていた。
【上巻】
- 発売日:2008年4月9日
- ISBN:978-4-7580-6089-9
- 付録:音楽CD
- 収録曲:1.妖怪宇宙旅行、2.綿月のスペルカード ~ Lunatic Blue.、3.呑べぇのレムリア (Retro ver.)
【中巻】
- 発売日:2008年12月9日
- ISBN:978-4-7580-6124-7
【底巻】
- 発売日:2009年10月9日
- ISBN:978-4-7580-6169-8
4コマ版
通称、うどんげっしょー。まんが4コマKINGSぱれっとにて2007年8月号から2010年2月号まで連載されていた。本編には殆ど関わらず、鈴仙を主人公として永遠亭の日常を描いたコメディーマンガ。
漫画版、小説版はZUNが原作者として関わっているが、この作品に関しては「原案」として関わる程度であり、「キャラクターとかは指示した」とは語っているものの作品中のネタはその多くが作者であるあらたとしひら氏に一任されていたとの事。その為か、他の公式作品に比べ全登場キャラが非常にコミカルな性格になっている。
【上巻】
- 発売日:2009年8月21日
- ISBN:978-4-7580-8036-1(限定版)978-4-7580-8035-4(通常版)
- 付録:鈴仙・優曇華院・イナバミニフィギュア(限定版のみ)
【下巻】
- 発売日:2010年7月22日
- ISBN:978-47580-8075-0 (限定版) 978-47580-8074-3 (通常版)
- 付録:因幡てゐミニフィギュア(限定版のみ)
小説版
通称、骨月抄(ZUNのファンからの渾名の一つが「骨」であるため)。また儚月抄の中で唯一の小説形式を取っているため小説抄と呼ぶ場合も。キャラ☆メルにて創刊号(2007年6月)より連載されvol.9(2009年6月)にて完結した。
儚月抄に関わる様々なキャラに焦点を当て、時として登場人物の過去にまつわる話も展開しながら本編とは異なった側面で第二次月面戦争の「裏」を徹底して描いた作品。
漫画版、4コマ版が書籍化される中、こちらについては書籍化の知らせがなく、同じく小説作品である東方香霖堂も書籍化の兆しがないためまさかこっちも書籍化されないのではとファンをハラハラさせたものの2009年12月に書籍化された。
各作品ごとの内容と関係
漫画版
上、中巻では、月へ行こうとする吸血鬼や巫女一行がロケットを完成させ幻想郷を飛び発つまでの様子、月から逃げてきた玉兎の動向、裏で暗躍する紫とその企みを挫こうとする永琳や月で備える月の使者の様子が描かれる。
中、底巻では、月で戦う霊夢一行と依姫、裏で動く紫と待ち構える豊姫、そして第二次月面戦争の顛末が描かれる。
この漫画版単体だけでも一つの物語として楽しめるが、後述の小説版も併せて読むことでさらに「儚月抄」を理解できるという楽しみもある。
小説版
各話ごとに様々な登場人物(永琳、輝夜、豊姫、妹紅、紫、レイセン、妖夢など)が語り手となり、漫画版の裏で起こった出来事や語り手自身の過去が語られ、漫画版の出来事の補完ができるとともに東方世界の新たな設定を知ることができる。
他にも、小説最終話では漫画版の結末直後のことが描かれ、そこで紫の行動の真意が判明するなど、漫画と小説を併せて読むことで「儚月抄」の話の全体が見えてくる仕組みになっている。
4コマ版
儚月抄の本筋に登場する場面(ロケット完成記念パーティーなど)が背景として使われるものの、ZUNはあくまで「原案」として関わるに留まっており、基本的には本筋と殆ど関係ない方向で日常の話が展開される。
キャラクターの性格も曲者ぞろいの本筋とは異なり、鈴仙は真面目だが何かと悲惨な目に遭う不運キャラ、てゐは何かと鈴仙にイタズラを仕掛けるお調子者、輝夜はひたすら何かやろうとしたりすぐ飽きたりとフリーダム、永琳はことあるごとに鈴仙にお仕置きをしたり何かと妖しい薬を出したり、客として来た諏訪子を解剖しようとしたりとサディストでマッドサイエンティスト気味などコメディタッチになっており、設定的に二次創作に近い状態となっている。