ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

185系

ひゃくはちじゅうごけい

日本国有鉄道が1981年に導入した直流特急形電車。現在はJR東日本が所有する。
目次 [非表示]

JR四国JR九州に在籍する「キハ185系特急形気動車」については、「キハ185系」の記事を参照。


概要

伊豆の踊り子号【HD国電_新02】半端者と言われたけれど【185系】

国鉄が最後に設計・新製した特急電車で、先に登場した近郊型117系をベースとして、1981年から翌1982年にかけて、首都圏近郊の急行に運用されていた153系165系電車の置換と特急格上げを主目的として投入された。


従来の特急形車両と異なり、特急から普通列車まで幅広く運用することを前提に設計されており、幅広(従来の特急形電車が700mm幅だったのに対し185系は1000mm幅)の2扉(グリーン車除く)、開閉可能な窓、普通列車運用を想定した普通車の転換クロスシート化等の特徴を持っている。


0番台の斜めストライプは斬新で話題となったものの、急行並みの設備で特急料金を取る点は当時は乗客から便乗値上げとみなされ評価は高くなかった。一方転換クロスシートについては鉄ヲタや趣味誌で批判の的になったが、当時の国鉄運輸担当がのちに雑誌内で語ったインタビューで「当時の特急列車は固定クロスシートや簡易リクライニングシートが多かったことを考えると、転換クロスは決して劣った設備ではなかった」と語っている(実際、「ひだ」用のキハ80系には国鉄末期、本形式と同じの転換クロスシートに交換した車両が存在した)。


当初もくろんでいた普通列車の運用は上手く行かず(そもそも185系の登場時、東海道線において2扉デッキ付き車両を普通列車として運用することそのものが遅延や混雑悪化を招くため既に困難なものとなっていた)、後に特急およびライナー運用が基本となった。特急としては騒音が大きいのだが、国鉄型爆音モーター+窓が開くということで音鉄には人気だった。

1987年の国鉄分割民営化後は、全車両がJR東日本の所属となっている。


走行線区別に0番台(東海道本線方面用)と200番台(東北本線高崎線上越線方面用)が新製されたが、新幹線リレー郷廃止後に200番台の一部が東海道線に転出し、塗装もストライプ柄に変更された。

200番台は信越本線碓氷峠(横軽)対応設備を有しており、横軽間では空気ばねをパンク状態にしたうえで非動力で運転するため7連とされる。

外見では、ヘッドマーク下のタイフォンカバーの有無で判別可能。(カバーありが200番台)

0番台が、10両A編成8本と、5両C編成7本が所属。

200番台が7両で、東北・高崎・上越線向けOM編成が(2006年まではS編成表記)9本、東海道線に転属したB編成が7本所属。

後に一部編成が波動用として短編成化された。

塗装は関連イラストの項を参考。


沿革

デビューから全盛期

1981年

3月26日デビュー。初運用は普通列車。

3月28日より急行「伊豆」で使用開始。153系と連結する運用もあった。

10月1日、特急「踊り子」運用開始。踊り子7往復と普通列車10往復で使用。

特急電車黄金期に生まれた車両たち(0.4)

1982年

3月10日、200番台が急行「あかぎ」で運用を開始。増備が進むと、急行「ゆけむり」「草津」「軽井沢」や普通列車などでも使用。

6月23日、東北新幹線開業に伴い、新幹線リレー号を10往復運転。

11月15日、上越新幹線開業に伴い、新幹線リレー号を28往復に増発。特急「谷川」・「白根」・「あかぎ」にも投入。

この年から全編成に対して循環式汚物処理装置が設置された。

新幹線リレー号

1985年

3月14日、東北・上越新幹線上野延伸に伴い「新幹線リレー号」廃止。また、上野発着の急行が特急格上げされ、「新特急谷川」「新特急草津」「新特急あかぎ」「新特急なすの」になった。余剰車は踊り子へ転用し、183系踊り子を置き換え。

新特急なす

1986年

11月1日、「湘南ライナー」が運行開始。普通運用が減り、ライナー運用が増えた。

さようなら通勤ライナーJR East 185 series.

この頃から臨時列車「モントレー踊り子」「ホリデー快速」「シュプール」等にも使われるようになる。

1990年

「そよかぜ」を中央線で運転。


1995年

1月6日から同年3月27日運転の「シュプール」は、「フルフル塗装」と呼ばれる特別な塗装に変更された185系が使用された。


リニューアルと塗装変更

1995年

1998年までにかけて、東北・高崎線用の185系にリニューアル工事を実施。座席を転換クロスシートを回転リクライニングシートに交換するなど内装がリフレッシュされた。塗装もエクスプレス色とよばれるものに変更。

185系OM編成

また、この頃に運行番号表示器のLED化と、B3~5編成にATC装置の搭載がされた。

1996年

土休日限定の特急はまかいじ号に上記の3編成が充当されるようになった。

1997年

碓氷峠を超える信越本線の横川から~軽井沢の区間が廃止。185系も廃止直前まで高崎と軽井沢を結ぶ普通列車として運用され、185系電車は定期普通列車では最後に碓氷峠を越えた形式となり、その折り返しに設定された臨時回送列車に使用された185系電車が最後に碓氷峠を越えた旅客車両となった。

1999年

2002年までに踊り子用の185系もリニューアルされ、こちらは湘南ブロック塗装とよばれるものになった。

サヨナラ特急JR東日本 特急はまかいじ

2006年

高崎車両センター所属車が全車大宮総合車両センターに転属し、編成表記も改められた。

2011年には特急踊り子30周年を記念して、田町のA編成から登場当時のストライプ塗装に戻す変更が始まった。


編成組み替えから引退まで

2013年

田町車両センターの車両配置をなくす方針から、同所在籍編成も全て大宮総合車両センターに転属した。

所属が同じになった高崎線用と踊り子用の7両編成を共通で使うため、方向転換や車両組み替えを実施。高崎線用の車両はグリーン車が4号車に変更された。

また、この頃から一部の編成を組み換えて4、6、8両編成にされる動きがあり、グリーン車や付随車の廃車が発生。登場から32年が経ち初の廃車が発生した。

これら編成は波動用として使用されていた183系189系を置き換えた。「ムーンライトながら」「修学旅行臨時」などで使用。ただし、富士急行への乗り入れは登坂性能などから1回で終わり、引き続き189系が担当。

2014年

3月15日、「草津」「あかぎ」に651系1000番台が導入され、OM編成を中心に185系に編成単位での廃車が出るようになった。

この頃から、高崎線用の車両も検査を受けた際に踊り子のストライプ塗装に変更(リバイバル)されるようになる。また、この年限りで普通列車運用から完全に撤退し、完全な特急専用車となった。ただし、その後も新幹線のアクシデントなどで普通運用されたことはある。

2016年

唯一残っていたスワローあかぎ運用が651系に代わる。これにより高崎線の定期運用からは完全に引退した。なお、この運用についていたのは7両のOM編成ではなく、東海道線用の0番台10両編成のA編成であった。

2017年

全車両がストライプ塗装に統一された。最後まで残ったのは元高崎線用のOM09編成で、11月に変更された。

2019年

はまかいじが事実上廃止となった。

2020年

3月14日のダイヤ改正で、E257系2000番台が踊り子に投入される。

ダイヤ改正に先立ち、先に運用離脱した251系スーパービュー踊り子運用が185系になった例も存在する。

2021年

3月13日のダイヤ改正で、踊り子がE257系2000番台及び2500番台に統一。また、「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー」が「特急湘南」に格上げ廃止され、185系の定期運用がなくなった。

前日の12日にラストランが行われ、東京から国鉄型特急列車が消滅するということで踊り子を中心に多くのファンや関係者が見送った。NHKではヘリコプターで踊り子を空撮し、熱海まで追いかける生放送も行われた。

世代交代東海道の主よ永遠に

今後は臨時列車として一部車両が使われる予定だが、2022年までに全車両が廃車・形式消滅となる見込み…だったが、2023年現在は0番台と200番台6連各1本が残存している。現在首都圏では波動用車両の不足状態が続いており、その関係からもう少しばかり残存すると思われる。


2022年

11月12日に「新幹線リレー号」として上野→大宮間で運転。「上越新幹線開業40周年記念号」(E2系200系カラー)に接続。また、0番台C1編成がリレー塗装(本来は200番台の塗装)に変更された

【鉄道開業150周年記念】185系C1編成ポスター


この結果、登場当初は0番台がストライプ塗装、200番台が横帯塗装であったものが、現在0番台200番台ともに1編成ずつあるのが0番台が横帯塗装、200番台がストライプ塗装登場当時から真逆となり、復刻としながらも当時なかったパターンとなり単なる復刻ではなくなっている。


その他

先に登場した117系に比べて「有料新快速」などと言われ評判は良くなかったものの、基本運用に就いては1985年3月改正以降引退まで一貫して大きな変更が見られなかった点は特急形車両としても珍しく、結果的にコンセプトが優秀だったと言えよう。

(一方、117系は新快速運用離脱後部分ロングシート化や115系への編入など考えられる限りの改造を実施したものの、2ドアデッキ無しという構造が乗客にも嫌われてしまい、転用がどれも中途半端に終わってしまった点では対照的な末路と言える)。


2010年代までは地味な存在ではあったが、汎用性の高さやシンプルな構造、結果的に国鉄型最後の定期運用を持つ車両となったことで注目を浴びたことは遅咲き型であったと言える。


当時プラレールでは「踊り子」「リレー号」が発売されたが、その実態は急行型の車体を塗り替えただけのもので実物からかけ離れており、その子供だましな姿勢は当のユーザーの子供からも不評であった。登場から42年後の2023年になってヘビーユーザー向けのプラレールリアルクラスにてようやく正規デザインで発売されることとなった。

[ウソ電]プラレールネタ・「踊り子」「リレー号」



お召し列車にも使用され、一部のグリーン車は防弾化改造されており窓もあかない。

クロ157

また、クロ157-1を連結できる編成もいる。


関連イラスト

ストライプ塗装(0番台、後に全車)

ありがとう185系185系踊り子ラストラン

湘南ブロック塗装(0番台リニューアル車)

サヨナラ特急JR東日本 はまかいじ その2

リレー塗装(200番台)

JR東日本185系200番台センシティブな作品

エクスプレス色(200番台リニューアル)

JR東日本185系200番台 リニューアル編成185系200番台 リニューアル後

フルフル塗装(OM01、OM04編成)

鉄面画 JR東日本185系200番台フルフル犬と猫

80系湘南色(OM03編成)

JR東日本185系 80系湘南色リバイバル塗装185系200番台 湘南色

157系国鉄特急色(OM08編成)

JR東日本185系 157系リバイバル塗装185系200番台 国鉄特急色



関連タグ

117系 : 設計ベースとなった。

153系 165系 : 置換対象。併結も可能。

キハ185系 : こちらも同じく国鉄型だが、実は投入コンセプトも類似(急行形置換、普通列車運用を考慮した設計)である。

157系 373系 : やはりコンセプトが類似した車両。


小田急7000形:1980年12月にデビューした同期的存在。当初は地味な存在だったが後輩車両の引退や汎用性の高さから長寿を誇り、晩年には貴重な古き車両として人気を博した遅咲き型、90年代中盤にリニューアルされた、全車新塗装となったが結局2010年代に全て残存車は旧塗装へ復帰したなど、共通点が多い。両車は藤沢駅と小田原駅で顔を合わせる機会が存在した。また、7000形の貸出試験時に東海道線で並んだこともある。



日本国有鉄道 JR東日本

踊り子(列車) 白根 草津 谷川 あかぎ なすの

関連記事

親記事

特急形電車 とっきゅうがたでんしゃ

兄弟記事

  • 485系 よんひゃくはちじゅうごけい
  • 651系 ろっぴゃくごじゅういちけい
  • 583系 ごひゃくはちじゅうさんけい
  • もっと見る

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 184308

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました