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魔神柱の編集履歴

2020-06-10 00:36:35 バージョン

魔神柱

まじんちゅう

『Fate/Grand Order』に登場するボスエネミーの一種。

顕現せよ。牢記せよ。これに至るは七十二柱の魔神なり。


CV:???


概要

スマホRPGFate/GrandOrder』第1部「Observer on Timeless Temple-」及び第1.5部「Epic of Remnant」に登場するボスエネミーの一種。主にストーリーの終盤に登場する。


裂け目のようなものが幾多も走った不気味な肉塊の柱に無数の赤黒い目が点在するというなんともおぞましい外見をしている。劇中では主人公達と敵対する登場人物が黒幕から力を授けられ変身したり、聖杯の力で召喚されるといった形で登場する。


外見は大別して3タイプに分かれそれぞれは形態と記載される。

最初に遭遇した魔神柱である第二特異点で現れた第一形態は大きさがバラバラのレンガ状の肌に丸い魔眼、肌と魔眼の境目は鮫の肌のような形状をしている。この第一形態は大半の魔神柱が若干の色違いはあれど、このパターンで占められている。

第五特異点から登場の第二形態は菱形の魔眼をしていて一見、肉柱のようには見えないが実はよく見てみると表面が無数の人間が蠢いてるというおぞましい外見をしている。明確な言及をされてないが一部には第二形態の亜種と呼べるような菱形の魔眼に金属質な表面を持つタイプも存在する。


その正体は人理焼却の黒幕の使い魔であるソロモン72柱そのもの。

伝承と異なる姿であるのはソロモンの計画のために受肉・新生した結果であり、人理焼却のため各特異点に投錨され、時空を超えて地球の自転を静止させている模様。


さらに厄介なことに「魔神柱は72柱存在する」ということが一種の概念と化しているため、主であるソロモンが存在する限り倒されてもすぐに補填されてしまう

第1部最終章『冠位時間神殿ソロモン』では、この極悪な特性が遺憾なく発揮されており、倒したところで即刻“再誕する”。再生ではなく、まったく同じものが新たに出現するのである。


しかし弱点が無い訳ではない。

七十二柱の全てが同時に再生するにしても、その再生には魔術王からの魔力を消費する。

そして魔神柱は一度に多数を駆逐されると、戦闘行動を一時停止して機能の復旧に専念し始める。

つまり魔神柱の供給が間に合わないくらいに同時に多数を叩き潰すことで、魔神柱の機能をマヒさせることは可能なのだ。

この隙に魔術王を打倒できれば、魔神柱も同時に消滅する。


このイベント魔神柱を倒した時のドロップがあまりにも美味しすぎた結果、魔神柱との総力戦では無くプレイヤー同士の先着争奪戦の体になり、倒すべき強敵の筈が制圧が完了した、魔神柱の短すぎる命を惜しむプレイヤーが続出した。

詳細は採集決戦の項を参照。


なお、「魔神」と付いているが実際には「魔」性属性も「神」性属性も持っていないため特攻効果が得られない。

おかげでノッブからは「名ばかりのパチモン」呼ばわりされてしまう(彼女の普段の態度や後述するクラス相性から考えると八つ当たりの罵声にも聞こえる)。哀れノッブ


ちなみに全部が戦闘時に形容しがたい金切り声の様な異様な咆哮を上げるが、自発的に変身するタイプならば普通に会話も可能


ゲームでの性能

他のボスエネミー同様通常攻撃が全体攻撃となっているため、こちらの消耗が激しい。さらにスキルを連発してこちらの防御力を下げたりやけど状態にしたり自身の攻撃力を上げたりするため、気がついたら全滅していたなんてこともあり得る。しかしスキルを連発して攻撃をしてこない時もあるのでその隙を狙って行きたい。


クラスは「unknown」と表記されているが、後の展開からビーストⅠと推測される。


相性関係としては下記の通りとなっている。


防御で有利なアヴェンジャーか、攻撃で有利な四騎士クラスで挑むのが基本。バーサーカーは常に全体攻撃である関係から、いつも以上に脆さが出るため、一撃必殺狙いでない限り推奨されない。


なお、終局特異点以降に登場するものは通常のクラスに当てはめられており、相性関係もそれに準ずる。


人物(柱物?)

本編および絆とイベントでのクエストでは、該当人物たちが変身することによって魔神柱になるので、72柱の1柱の何れかということになっているが、最終章の『冠位時間神殿ソロモン』では、名前を冠している1柱を筆頭に共通する性質の計9柱が複合することによって各座の1柱の魔神柱になっている。


第1部に登場

序列六十四位。レフ・ライノールが変身した最初の魔神柱。形態は第一形態。


序列三十位。イアソンメディアによって変貌させられて出現した。海魔と付くがジルが召喚するものとは異なり、フォルネウスが召喚される際、海の怪物の姿をもって現れるのが由来である。形態は第一形態。


序列八位。マキリが変身した魔神柱。形態は第一形態。


  • 御使いの四柱

「祭壇を照らす篝火だ!盛大に燃えるがいい!」

第4章終盤でソロモンによって召喚された四柱の魔神柱。すべての個体名は不明だが、焼却式の名称から、そのうちの一柱が序列十三位ベレトである事は判明している。四柱とも、第一形態。


  • クラン・カラティン

瀕死の状態である女王メイヴが聖杯の力を用いて自身の宝具『二十八体の戦士』の枠組みに魔神柱を押し込み、28体同時召喚(と融合)と言う荒業すぎる方法で出現。

一柱でもサーヴァント数人分の戦闘力を誇る魔神柱が28体も融合しただけに並みのサーヴァントでは手が出せない魔術的な大災害と化しており、外見も柱と言うよりも大樹或いは触手の怪物と呼べるものになっている。確認できる限りは第二形態と第三形態の魔神柱の姿は見られない。


  • 軍魔ハルファス

「今もって我ら不可解なり。汝ら肉共互いを赦し高め尊び、されど慈愛に至らず孤独を望み、もはや我らの理解は彼岸の果て。死の淵より汝らの滅びを処す。奪い給え、焼却式 ハルファス」

序列三十八位。クー・フーリン・オルタが変身した魔神柱。形態は第二形態で色は白く根元が赤い結晶体に覆われている。セリフからは「魔神柱(=ハルファス)」自身の意思が見受けられ、初めて「自我」を見せた個体でもある。人類を「肉共」と極端に見下しており、台詞の調子も半分棒読みともいえる「こいつらに無駄に労力費やしてやるものか」とも取れる強い侮蔑の感情が見え隠れする。


「メェエエリィイアメン……過去!未来!」

序列七位。魔神柱としての枠はアモンだったが、変身者であるオジマンディアスによって悪魔へと落とされる前の大神としての神格を取り戻した存在となっており、ボイスでもエジプトの神々を叫ぶ。具体的には見た目が金ぴかでゴージャスになっている。形態は第二形態の亜種。オジマンディアスが獅子王に対抗するために用意した切り札の一つで、光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス) が存在する限りは自動で修復し続ける機能を持つ。

因みに変身しても(変身者の能力もあってだろうが)割とあっさり元に戻れる


「とても暖かい!」

序列四十四位。メディア・リリィの絆クエストに登場。形状は第一形態だがピンク色の肉の柱となっている。

最大の問題はその出番。なんとパンケーキの材料にされるためだけにメディア・リリィに召喚され、散々なやり口で料理された。戦闘時の発言もこの現実から逃避したいような発言ばかりとなっている。

「何故私だけがこんなあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

最終章では魔神柱サブナックの統制下に入っている。顛末は後述の通りだが、

魔神柱全員が自分と同じ様な目に遭うとは彼も思っていなかっただろう。

また、2018年夏イベントでは裏ステージのボスとして魔神柱を模倣した「魔神 ココナッツミルク」のスキルの中で名前だけ登場。

その名も、「ハーゲンティ風フレーバー」(効果はこちら全体に高確率で毒を付与)。

「何故私の扱いはこんなあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

救え! アマゾネス・ドットコム ~CEOクライシス2020~にも登場。

その名は、リリィが経営するお菓子屋さんの名物料理《出来立てパンケーキ》。

サーヴァントユニヴァース世界では、コレ食品として食うのである!

材料はアマゾネス・ドットコムで販売している原材料を混ぜて焼くだけ。何取り扱ってんですかCEO…

リリィはバトル後にアマゾネス・ドットコムと提携を結び、リラクゼションルームで美味しく食される事になるのでした。


 結論 どちらの世界でもハーゲンティはスイート食材。

 


センシティブな作品

序列二十五位。イベント「魔法少女紀行 〜プリズマ・コーズ〜」にてナーサリー・ライムが召喚。形態は第一形態。

なお、召喚時の詠唱はどう見ても外なる神黒山羊さんだが、諸般の事情からか性質の近いグラシャラボラスが選ばれたようだ。

本編では、最終章でフラウロスの統制下に入っている。


最終章『冠位時間神殿ソロモン』に登場

  • 溶鉱炉ナベリウス

「溶鉱炉、開放。一滴の真理に至れ。焼却式ナベリウス」

序列二十四位。抑制していた機能については不明。Ⅰの座で剣クラスの性質。形態は第一形態。

ゼパルボディスバティンサレオスプルソンモラクスイポスアイムが複合している。

第1章『邪竜百年戦争オルレアン』の面々によって封殺され、またこの戦いが魔神柱征圧のヒントとなった。

余談だが、座の管轄リーダーでは唯一戦闘中に妙なたとえ話をしてくる。

アーケード版の『邪竜百年戦争オルレアン』の終盤では担当機能の名称がないまま登場。形態、体色が本編とは異なるものになっている。


  • 情報室フラウロス

「情報室、開廷。過去を暴き、未来を墜とす。焼却式 フラウロス」

Ⅱの座で槍クラスの性質。最終章では黒から赤色に変化し、形態は第一形態。

他の座へ情報室による行動予測(ゲーム上ではプレイヤー側のArts性能ダウン)の支援をおこなっている。

オリアスウァプラザガンウァラクアンドラスアンドレアルフスキマリスアムドゥシアスが複合。


  • 観測所フォルネウス

「観測所、起動。清浄であれ。其の痕跡を消す。焼却式 フォルネウス」

Ⅲの座で術クラスの性質。最終章では黒から紫色に変化し、形態は第一形態。

他の座へ観測所による戦況分析(ゲーム上ではプレイヤー側のBuster性能ダウン)の支援をおこなっている。

グラシャ=ラボラスブネロノウェベリトアスタロスフォラスアスモダイガープが複合。


「管制塔、点灯。全てを知るが故、全てを嘆くのだ。焼却式 バルバトス」

Ⅳの座で殺クラスの性質。最終章では黒から乳白色に変化し、形態は第一形態。

他の座へ管制塔からの攻撃誘導指令(ゲーム上では魔神柱に“無敵貫通”付与)の支援をおこなっている。

パイモンブエルグシオンシトリーベレトレラジェエリゴスカイムが複合。


  • 兵装舎ハルファス

「兵装舎、補充。共に愛しながら憎み合うのか。奪い給え。焼却式 ハルファス」

Ⅴの座で狂クラス。形態は第二形態。

他の座へ兵装舎からの魔力供給(ゲーム上では魔神柱の“クリティカル発生率UP”)の支援をおこなっている。

フルフルマルコシアスストラスフェニクスマルファスラウムフォカロルウェパルが複合。


  • 覗覚星アモン

「覗覚星(しかくせい)、開眼。数多の残像、全ての痕跡を私は捉える。焼却式 アモン」

最終章では本来の魔神柱として復権し、Ⅵの座を統括。騎クラスの性質を持っている。形態は第二形態の亜種。

他の座へ覗覚星による結果推論(ゲーム上ではプレイヤー側のQuick性能ダウン)の支援をおこなっていた。

バアルアガレスウァサゴガミジンマルバスマレファルアロケルオロバスが複合している。


  • 生命院サブナック

「生命院、証明。生きとし生けるもの、皆平等に燃えるべし。焼却式 サブナック」

序列四十三位。初期の魔神柱同様に漆黒の固体だが、ハルファスと同じ第二形態。Ⅶの座で弓クラス。

他の座へ生命院による原理抑制(ゲーム上ではプレイヤー側のHP回復量ダウン)の支援をおこなっていた。

シャックスヴィネビフロンスウヴァルハーゲンティクロケルフルカスバラムが複合。



  • 廃棄孔アンドロマリウス

「廃棄孔、崩落。不要なもの、全てを捨てよう。焼却式 アンドロマリウス」

Ⅷ、Ⅸの座はないため、Ⅹの座の統括。Ⅰの座と同じく剣クラス。第一形態。

他の座へ廃棄孔による弱点補強の支援をおこなっていた。

ムルムルグレモリーオセアミーベリアルデカラビアセーレダンタリオンが複合。

4体目の魔神柱が倒された後、Xの座にて出現。予想外の地点に現れた事で、七つの特異点を巡る旅で繋いだ縁を使い果たした(と思われた)主人公達をもうこれ以上助けには来る者はいない、と絶望させようとするが、どこぞの鬱フラグクラッシャーの如く、「いるさっ、ここに大勢な!」と言わんばかりに現れた巌窟王をはじめとする、イベント限定サーヴァント達に迎撃される。




余談

  • デザインはスタジオディーン制作の劇場版UBWに参加していた山中虎鉄。きのこ曰くその時の縁を頼りにお願いしたらしい。『Fate/Grand Order』のボスエネミーの象徴とも言えるほどにデザインが完成されていたが、その以降の話では魔神柱に代わる新しいボスエネミーのデザインに悩むという事態になってしまっている。
  • バルバトスの支援名が管制塔なのに「攻撃誘導」の事から「他の魔神柱から攻撃を引き寄せた役目では?」とネタにされてる事もあるとかないとか。
  • フォルネウスは何故か黒髭に対し、事あるごとに「汝は特に不認である」であると全否定し、それに怒った彼により、(台詞からおそらくは)目を重点的に潰された。オケアノスで最初に魔術王の聖杯を所持していたのが彼だった事に起因するのだろうか?
  • 情報室を構成する魔神柱の一体アムドゥシアスは、本来ならばある人物がなる筈であったが、当人曰く「既に自分は別の物に魂を売っていたから、アムドゥシアスには別の人間がなったのだろう、あるいは魔神柱の絶対尊厳を超えるほどの大切な人に出会ったから」と結論付けている。
  • 本作稼動当初のメンテ地獄が記憶に残ってるプレイヤーも居るだろうが、その経験が前述のバルバトス・フラウロスの乱獲に耐え切った強靭なサーバーを生んだのかもしれない。
  • 終局特異点で戦闘する際のBGMはナベリウスから順に各特異点のマップBGMのアレンジとなっている。ただしサブナックはティアマト登場時のBGM、アンドロマリウスは炎上汚染都市冬木のマップBGMとなっている。

戦略的に見たイベントの推移

素材の争奪戦となった魔神柱の討滅と玉座への突入までを文章にすると―――


  • 開戦当初、全拠点を均一に抑えながら情報室を重点的に攻め陽動作戦展開。
  • 敵の目が情報室に引き付けられた後、踵を返して管制塔を一気に制圧する。
  • 返す刀で情報室に取って返しこれを殲滅。
  • 指揮系統が大混乱に陥った隙を逃さず、観測所を粉砕して目を奪う。
  • 次いで生命院に打撃を与え復元機能を遮断。
  • 烏合の衆となった兵装舎を蹂躙し、
  • 単独での実働戦力の低い頭脳である覗覚星を滅多打ち。
  • 中枢神経系が完全壊滅した後、全員で増援が潜んでいた廃棄孔を徹底的にガン掘り、
  • 最後に丸裸となった本丸である玉座へ突入。

……計らずも孔明にすら満点を貰えそうな戦略的行動であった。


関連タグ

Fate/GrandOrder ソロモン72柱

ソロモン(Fate)

アルターエゴ(Fate):1.5部中に登場したエクストラクラス。クラス相性が魔神柱の「unknown」の逆になっている。


フェストゥム:他作品に登場する似たような種族。こちらも群体で一つの存在を成しており、後に個体になっている。また、彼らを感知するシステムが「ソロモン」と言うつながりもある。


外部リンク

Fate/GO攻略まとめwiki「魔神柱」


魔神柱の真実

※ここからは「終局特異点 冠位時間神殿ソロモン」終盤でのネタバレがあります。


そもそも魔神柱とは、3000年前から魔術王によって人理焼却のために大地に撒かれた種より芽吹く大樹といえるものだといえる。

魔術の王から派生した魔術師たちの遺伝子に魔神柱の依り代となる呪いを刻み、それぞれの家系に設定された「担当の時代」まで人理焼却のためだけに存続し続け、設定された時がくれば魔神柱として覚醒するよう仕掛けを施していたという。

そして、2015年にレフが魔神柱として覚醒した事により、人理焼却の計画は実行されたのである。


実際に、これまでの世界線では最後のレフが覚醒前に自殺を遂げてしまうなど、何らかの要因で人理焼却が頓挫している。


その実態は魔術王ソロモンの使い魔ではなく、ソロモンの死後も肉体に残っていた召喚術式が意志を持って受肉し、その肉体を操っていた物。つまりは人理焼却の黒幕そのもの

詳しい内容はゲーティア(Fate)の項にて。


魔神達の正体は実際のところは自然現象が人格を持った神ではなく、人間の精神の歪みによって生じる魔性である。

元々は個別にいた72体の精神の歪み達に、名前と72体の魔神という群体という特性をソロモンに与えられた結果がこれである。

決戦にて、真の魔術王ソロモンが宝具によって自らの存在を捨てる事で、ソロモンの功績たる魔術である彼らも崩壊し始め、統合された群体から個別の魔神へと解体されることになる。


その結果、結合を拒否する柱、生存を放棄する柱、自己矛盾または英霊達との戦いに意義を見出せないことで自己崩壊した柱、自分達の目的を理解しない英霊達に怒り彼らを殺し続ける事を選んだ柱、他の柱に力を分け与えて消滅した柱、3柱で融合して戦い続ける事を選んだ柱、さらには敵であった英霊達と最期の瞬間まで英霊との討議を選んだ柱、英霊たちの盾となって消滅した柱、そして自分達の中に湧き上がる感情に歓喜し、自分達の総体であるゲーティアに失敗する可能性があれども時間跳躍を実行し自分達の痕跡を宇宙に刻むべきだと進言する柱とそれぞれの判断で最期まで活動を続けた。


最後に残った三柱によるゲーティアは、英雄王の語った「なぜこんな結果になったのか、答えが欲しければお前たちが無価値と評した人間に訊け」という言葉の通り、彼/彼女に問いかけた。

その答えは単純明快、「生きる為だ」と拳とともに叩き付けられた答えに、彼らはようやく理解した。

生存を望みながら死を恐れ、死を恐れながら永遠を目指した自分達を打倒した。そんな救いようがない愚かさ、救う必要のない頑なさに自分達は敗れたのだと。


そして、「人理補正式ゲーティア」は停止した…。


特使五柱

終局特異点での戦いにおいて、統括局ゲーティアに直談判を行った特殊な立ち位置の魔神柱が存在した。

これらの魔神柱は消滅することなく逃亡しており、第1.5部「Epic of Remnant」において、亜種特異点と呼ばれるこれまでとは異なる特異点を形成し、それぞれの命題を達成しようと目論む。


「三千年の辛苦に、今こそ報いを!!」


亜種特異点Ⅰ「悪性隔絶魔境新宿」にて登場。

冠位時間神殿で自分の進言に耳を貸さなかったゲーティアに対し反感を抱いていた魔神柱。


神殿から逃亡した後、英雄や魔王でもない、ただの人間であるカルデアのマスターに敗れたことに恥辱を覚え、3000年もの時をひたすらカルデアのマスターへと復讐することだけに費やした。

復讐のために費やした年月において、かつての自分には価値を見いだせなかったが、信仰や歴史が足らず英霊になれない「幻霊」を生み出す都市伝説や民間伝承、御伽話などを研究。

完全に人類史から隔絶された事で空想の街となった新宿を利用する事で、本来はあり得ない幻霊と幻霊の融合英霊と幻霊の融合と言う偉業を成した。


彼を構成する感情はカルデアのマスターを対象とした「復讐」「応報」。それゆえに復讐者クラスとなっている。

また、登場当初はゲーティアの面影がある人型の姿を取っており、戦闘開始と同時に本来の姿である魔神柱としての姿を現した。形態はアモンらと同じ第二形態の亜種。


なお、ホームズがバアルの協力者に取り込まれた中で得た情報で、冠位時間神殿の決戦の中でゲーティアに見切りをつけて逃げ出した個体が(バアル自身を除いて)三柱残存していた事が判明。

新宿で現れたのがバアル一柱だった事から、カルデアのマスターへの復讐に動いていたのはバアルだけだったと思われる。


「―――私は。手に入れる命題の順番を、間違えたのだ。」


期間限定イベント『ぐだぐだ明治維新』にて登場。魔神柱の一柱「アンドラス」が亡骸として幕末に流れ着いていた後に変性したもの。

同時に逃げ出したバアル達とは違い逃走中に停止してしまい力が足りず瀕死の状態であり、「自我を得られたのに死にたくない、ただ生き続けていたい」と願い時間神殿から漂流し残留思念と化したが、流れ着いた先に偶然居合わせたサーヴァントが自分と同じように「死にたくないと願う存在」だと認識し取り込んだ。

そして、彼女を留めるために縁の強い豊臣秀吉の振りをし『金色魔太閤秀吉』を名乗り、「死にたくない」という願いのみに適合して叶える聖杯に近い存在になり、その空間に固定した。


この願いにより、鉄壁の防御力を誇る裁定者クラスのほか、被ダメージをさらに抑えるスキルを持つ。

空間として固定した後は、同じように永遠不滅を望む存在を呼び寄せ、空間を維持し続けていたが、茶々から拒絶され、彼女が空間に招いたカルデアの面々に討伐された。

その時に自身が「手に入れるべき命題の順番を間違えていた」と言う事に気付き、崩壊しつつあった空間に残った幕末のバーサーカーに自分が得た己が命の答え――「命を惜しみながら死ぬ」に辿り着いた事を告げ、戦い続ける運命を背負った彼に激励の言葉を残し消滅した。


皮肉にも彼が辿り着いた「死にたくない」という願いは、彼らを打倒したカルデアのマスターと同じ「生きていたい」と言う意思と似たものであった。


「―――私の名前はゼパル。七十二柱の魔神のひとり、魔神ゼパルである」


イベント『深海電脳楽土_SE.RA.PH』にて登場。

他の残党であるバアル、アンドラスとは違い、肉体すらも喪失していて実質意識のみの状態で2017年のとあるセラフィックスの職員の体の中へと入り込み潜伏を続けていた。前述の二柱よりもかなり狡猾かつ謙虚で自らの敗北を受け止めている。


しかしカルデアの目から隠れるために潜伏したはずだが、自ら召喚したBBが天敵となるカルデアを2030年へとレイシフトさせたりと、それぞれの思惑に食い違いが出てきている。

更に管制室に陣取っていた魔神柱は人間を取り込むなどしたが、他の魔神柱よりも外観が細かったり中身がないような状態で、近づかない限り何もしないなど不可解なところがあった。

この『名もなき魔神柱』のクラスはバーサーカー


ゼパル自身は人間の可能性に期待を抱き、「人間を情報として管理する」という命題を掲げ、フラウロスの報告にあった「不可視領域の原因の一つである可能性」のセラフィックスに侵入し、カルデアの目から逃れるためと、命題を解くには何十年もの時間が必要となるため、時間神殿で受けた傷を癒す隠れ家としてセラフィックスの職員の一人に寄生した。


だが、ここで全てが狂い始める。生贄の名は殺生院キアラ

セラフィックスでの彼女は海洋油田施設でカウンセラーをしてるだけのごく普通の人間にすぎなかった。

しかし並行世界を俯瞰することで、人類悪になりうる素養を濃く持った女性であることが判明する存在だったのだ。


彼女に干渉した魔神の最期は誰であろうと同情を禁じえないほどの無残極まりないものだった。

キアラの体を通じて人間の肉体的な快楽を知ってしまったゼパルは、キアラに快楽についての教えを乞うようになってしまう。

そして利用しようとしていたキアラの隠されたおぞましさをその体ごしに見せつけられ続け、キアラが並行世界での宿業を納めるに至った頃には主従関係も逆転し、体から離れたいと懇願しても聞き入れてもらえず、挙句の果てに使い捨てられる結果となった。

その有様はまるで親に見捨てられ、他に頼る当ても術もなく、「捨てないで」と泣きじゃくりながら死んでゆく無力な幼子のような、そんな残酷な終焉だった。


しかし、後日更新された竹箒日記でキアラの暴走はゼパル自身が不要とした彼女の善性を封印し、EXTRA世界線の彼女と同期させた結果であることが語られ、ゼパルもセラフィックスの職員を喰らっていたという事実と合わせてBBの「自業自得」という評を証することとなった


お互い『不可能』へと挑んだ同志であったバアルとその協力者、自らの答えを託したアンドラスと狂戦士といった先の二柱とは違い、徹底的に利用され使い捨てられるという、相手にする人間と、その関係性を間違ってしまった末路であった。

BBによって結果的にセラフィックスで起きた事態は虚数事象、つまりは最初から存在しない事になったが、

諸悪の元凶としてキアラ共々事象にも存在しないものとして、「彼らの消去」という結果だけは後世に遺された。


「神秘の下落による人理泡沫こそ我が理念。墜落と共に滅びるがいい、浅ましき人類よ!」


亜種特異点Ⅱ『伝承地底世界アガルタ』にて登場。

時間神殿では何のセリフもなかったが、停止などの描写も無かった事からプレイヤーの考察のみで生存が疑われた魔神柱である。形態は第二形態。

数値が全て反転しており、数値的には死んでいる状態のためカルデア側のサーチには引っ掛からなかった。


その名の通り生と死を司る魔神であったが、最終決戦で何度も殺されその度に復活するの繰り返す内、死だけでなく生きる事自体に忌避感を抱き、「魔神を召喚する魔術という概念である神秘」を抹殺する事で永遠なる死を迎えるために暗躍を開始する。


まず、同じ様に死を恐れる英霊に同調・同化し、彼女の持つ宝具の規模を強化拡張、「彼女の物語と現実を融合させる土台」として地下空間・アガルタを創りあげる。

その上で、地下空間に作った国の支配者たち、更にそれらを打倒しようとする英霊を召喚して争わせ、その争いで英霊が発する魔力と、閉鎖空間により英霊の魂が座に戻ろうとする運動エネルギーを継続的に搾取。そして、それらエネルギーを使ってアガルタを現実に浸蝕・実体化させ、「幻想空中都市ラピュタ」として浮上させるにまで至った。

最終的に、幻想空中都市ラピュタを現実の大都市に墜落させ、「神秘を普遍化させることにより神秘を無に帰す」事によって、自分が永遠に死ぬ事を目的に動いていた。


フェニクスはこれらの行動で七十二の魔神の志を完遂すると語るが、ダ・ヴィンチちゃんからは「このような魔神(思想)は我らの中に不要なりとゲーティアも頭を抱えるだろう」と酷評されている。

実際、人類を死の苦しみ、不完全性から解放するための段階の一部に過ぎない人理焼却と、それを阻止するための責務である行為を、自分が生と死の繰り返しから逃げたいための行動と同一視している時点で本末転倒である。


生と死を司るだけはあり、ゲーム内では3回ほど戦う事となり、初戦はキャスタークラスで戦闘になるが、2戦目以降は防御性能が随一であるルーラークラスに加え、(3戦目のみは10ターンまで)強化解除無効の永続全回復ガッツという高難度イベントもかくやというトンデモバフが掛かった状態で戦闘が開始される。


最終的には思わぬ伏兵少年フェルグスの尽力で存在が保てなくなるまで消耗し、見苦しくも協力者に助けを求めるが、少年フェルグスの言葉に少しだけ心が動いた彼女に拒絶され、無惨な断末魔を上げて消滅した。

もっとも、その助けの求め方も「痛い痛い又死んじまう!協力者ならその命寄越せ愚図が!(意訳)」と見下した言い様だったので拒絶されても無理はないだろう。


「殺戮」を司りながらも「死にたくない」と願ったアンドラス、「女性に不利な淫欲」を司りながらも(魔神でありながら!)女性によって齎される肉の悦びに振り回され全てを奪われ消滅したゼパルに続き、「再生」を司りながらも「生を消し去ることによる自らの永遠の死」を望み、されど見苦しくも半端に生に縋りつくなど、何とも皮肉なあり方や終わり方が続いて行った。


「croak! croak! croaky!」


亜種特異点Ⅳ『禁忌降臨庭園セイレム』にて登場。2017年のセイレムに上書きする形で亜種特異点を形成した。


時間神殿の戦いで多くの英霊達の援軍が到来したことで真っ先に撤退を進言した魔神柱であった。

当時はハルファス、フェニクスと同様の白い体色の第二形態であったが、独立後は濡れ羽色の体色に変わっている。


ゲーティア崩壊時に逃走した先の四柱達とは思想が少々異なる。都市に根ざす属性を持った魔神柱であるために人の体を乗っ取って人の服装や生活を送ることには全く抵抗が無かった。

魔神としての正体を現した姿では、ゲーティアという群体の一部であったバアル、フェニクスとは違い、首から上がカラスの頭になった人という姿をしている。

ラウムという悪魔は原典ではカラスに変身できる為にこうなったと思われ、その為かを見ると取り乱す程に嫌っている。


彼が目指したのは「苦痛」と「迷信」。

時間神殿からの撤退後、彼は「人理補正式」という魔神柱本来の在り方を守り、人類を救済するための新たな計画を練り始める。

「信仰」「不老」「永続」「希望」といったいかなる『真実』も人間を救うことは適わなかった。故に彼は「”この宇宙”の真実では人間は救えない」と結論付け、『この宇宙にいないもの』を計画の鍵と定める。しかしいかに並行世界を観測できる魔神柱と言えども地球のルールの中で生まれた存在に過ぎず、外の宇宙に繋がることは不可能だとされていた。

そこで、ひとりの夢を見る男が吐き出した創作神話が、本当に外宇宙の高次生命たちの在り方を言い当てたことに着目し、それを利用する事を計画。

ありとあらゆる時間・空間に繋がる外宇宙の高次生命 = 虚空からの降臨者(フォーリナー)を求め、行動を開始した。

もっとも、その方針を聞いた他の魔神柱であるゼパルからは、その解答は一万四千年前に失敗したと断じられてはいたが。


彼は迷信の力の研鑽のため、近代的価値観と中世的価値観が入り混じった特異な村であるセイレムに着目。【都市〝セイレム〟そのもの】を触媒とし、その地域に居た【五万人の住人】を魔力原とする事で、救済を求める過去のセイレム住人達の亡霊群を降臨、セイレム魔女裁判そのものの再現を試みる。

当初は忠実に歴史の再現を目指したが、すぐにそれは逸脱。幾度とない逸脱の中で、やがてアビゲイルが巫術者としての特異な体質を持つことに気づくと、彼女に求めたモノを呼び寄せさせ、アビゲイルの手によって人類の救済を行わせる方向へと軌道修正する事となっていく。


迷信との繋がりを持つ町を舞台に、彼は独自の人類救済計画を構築。

それは罪を犯した人間が贖罪として痛みを負うことを救いと解釈し、また一片の罪もない人間などいないという考えに基づき、全ての人間=罪人に永遠の苦痛を与え、救いという名の煉獄を生み出すことであった。

この計画で完成されたのはアビゲイルを計画のために利用していた中で、ラウム自身が次第にアビゲイルの影響を受けていたからである。


計画を進めるためにアビゲイルを利用しようとしていた一方、自らを伯父とし、姪としたアビゲイルに対しては少なからぬ情を抱いていた節がある。

アビゲイルを護ろうとする意思表明や敵対勢力であるはずのカルデアへの嘆願めいた発言、そして決戦の際、消滅直前ボイスが「これでよい……これで……よいのだ……」という安らかな声音であった事などから、自らの計画とは別にアビゲイル自身の救済をも求め、託そうとしていたのかもしれない。

実際、自身が利用していたランドルフ・カーターの体を情報から復元して無傷で返却していたばかりか、その体での記憶も情報としてフィードバックしていた辺り、どれだけアビゲイルを助けたかったのかが伺える。

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