概要
CV:佐藤銀平(声優としては本作が初レギュラー出演。後にニセアカギ、キングダムハーツシリーズのサイクス等で知られるようになる)
ひょんなことからフウの「向日葵の匂いのするお侍さん探し」の旅に同行することとなった、長身痩駆の眼鏡侍(ひょんって何だひょんって)。
「無住心剣流」剣術の使い手で、劇中でも屈指の剣の達人である。
師匠である真里谷円志郎からもその技量を認められ、いずれ道場を譲られるはずであったが、本編中の彼は同門の者から師匠殺しの下手人として命を狙われている。
眼鏡は師匠の仇討ちを狙う者の目をくらます為の変装用であり、度の入っていないいわゆる「伊達眼鏡」。
人物
性格は冷静沈着、あまり無駄口を叩かず、自分の事もあまり語ろうとしないため、「何を考えているのか分からない」と言われる事もしばしば。
直情径行なフウ、ムゲンとは対照的に落ち着きのある性格で、仲間内ではどちらかというと抑え役。
とはいえ、「むっつり眼鏡」と言われて突然キレる等妙に沸点が低い所もあり、相手の意思を尊重しがちな性格も相まって抑え役として機能しない事が多い。
義理固い一面もあり、バイトで世話になった女性が博打で借金をこさえた亭主のために女郎屋に身売りしているのを知った時は、足抜けの手伝いをしその亭主とも縁を切らせた。
クールに見えるが即物的な一面もあり、色気、食い気にはムゲンに負けず劣らず貪欲。
珍しく金に恵まれた時はムゲンとともに色街に繰り出すし、食い物屋で奢ると言われれば全く遠慮しない。
剣術以外の事は意外に不器用であり、鰻屋でバイトした時は鰻が素手で掴めず、捌く時も刀で捌こうとした。ムゲン達と三人で釣りをした時も、他の二人がかなりの釣果を示したのに対して、ジンは一匹も釣れなかった。
また、酒にはめっぽう弱い。
武士でありながら今の時代に命を賭けて仕えるほどの人物などいないと考え、自由を追い求めている。しかしその生き方は、「武士の道に反するのではないか」と旅先で出会った住職に問うた事がある。無住心剣術を幕府直属の暗殺集団にする、という話を師匠から聞かされた時は、「それはもう武術とは言えない」と反発した。
女性は斬れないらしい。
相手の意思や気持ちを尊重する性格のため恋愛には極めて奥手である。
「ずっと自分だけの為に戦ってきた」と語りながら劇中では時にある女性を助けるために剣を振るうが、相手の幸せを願うだけで自分からは決して想いを口にはしない。
当人曰く「損な役回り」。実にもっともな述懐である。
実力
「無住心剣流」剣術の使い手としては師の真里谷円志郎さえも凌いでおり、作中においてジンを確実に上回っていると断言できるのはラスボスである刈谷景時のみであるという、作中最強クラスの剣客。公儀の剣術指南役を数人まとめて無傷で斬殺するなど、いわゆる正当な剣術を使う相手には滅法強い。
反面、第2話に登場した刺客やムゲンのような、道場剣術とは全く異なる我流的な戦闘スタイルは若干苦手としており、それ故に自分と渡り合ったムゲンには「動きはまるで出鱈目」と言いながら一目置いていた。
ラスボスの刈谷景時をしてもその勝敗は「紙一重の差」であり、一度はその紙一重の差により敗れたが、二度目は力量が上回っている相手に対する唯一の手段として「相打ちを狙い、敢えて自分を斬らせる」という師の教えに従い、ギリギリで急所を外して景時に自分を突かせ、相打ちの形で景時を貫いて勝ちを収めた。
またムゲンははじめジンを斬るつもりで旅に同行していたが、最終話で彼は「自分より強い奴は斬らないと気が済まなかった」と発言しており、暗にジンが自分よりも強いことを認めていた。
コミック版
ゴツボ☆マサルによるコミカライズでは原作同様クールではあるものの即物的な面が強調されており、墓のお供え物の饅頭を拾い食いするなどかなり食い意地が汚い。
一人称も「俺」であり(原作では基本的に私)、けんかっ早さも割り増しで事あるごとにムゲンと剣を合わせている。
また強さの描写もギャグ補正が入っており、ムゲンと戦った際は毎回まるで台風が過ぎ去った後のように建物が粉々に粉砕されているなど、ほとんど怪獣扱いされている。
ゴツボ☆マサルの兄ゴツボ×リュウジもコミカライズを行っているが、こちらのジンは一人称が「私」で食い意地が汚い描写もなく、割と原作に近い人物造形である。