俺の舟に刻んだ一つ目の文字は「久」だ。
あの年、俺は深海の秘宝を探すために出航したが、舟は岩に衝突し沈没してしまった。みんな海の藻屑となったが、俺だけが巨大な鯨に助けられ、命拾いした。
その鯨は俺を目的地であった鈴鹿山に連れて行った。大海原の向こうにある、あやかしの国。
ここには人間の争いや血なまぐさい殺戮もなかった。俺は次第にあやかしの静かな暮らしに慣れていった。
日を追うごとに、少しずつ体に変化が起きていることに気づいた。そして、ある日久次良の言葉が理解できるようになった。
「私の名前は久次良。私が何を言っているのか分かるジラ?」
「こ、これは幻聴なのか…」
「分かっているよジラ。お前は妖怪になったんだジラ。もう人間ではないジラ。」
俺はあやかしになり、久次良という名の大鯨と友になった。鈴鹿山は第二の故郷になり、暮らしているあやかしは、みな仲間になった。
俺は海岸の見張り手になり、妖力も手に入れた。
(伝記一より)
概要
CV:竹内良太
中華人民共和国のソーシャルゲーム『陰陽師』の登場キャラクター。
彼はかつて財宝を追い求める人間だったが、今は妖怪の国の一員となった。
かれは鈴鹿山のもっとも忠実な守護者、大嶽丸がもっとも信頼する部下でもある。
親友を失った後、彼はもう何も奪われたくなくなった。
若様も、家も。
親友の遺骨を背負い、彼は死の恐怖に恐れず、誓いを立てた。
(陰陽師「式神図鑑」より)
関連タグ
蟹姬:鈴鹿山の仲間
海忍:親友・久次良の仇