〜〜少女は覚醒し、真の王女となる〜〜
名ばかりの王女から真の王女に!美しい蓮の花に隠された宮中ロマンス
概要
「雲が咲かせた花」(原題「구름이피워낸꽃」)とは韓国のNAVERWEBTOONにて2019年4月20日より連載の漫画である。更新は毎週日曜日でジャンルはラブロマンス。作者は비온후(“雨の後”という意味)であり、中国版では「雨后」、日本版では「ぴおぬ」表記。
2019年7月15日より咚漫漫画にて中国版「云中花」が連載。
2020年1月26日からはLINEマンガにて日本版「雲が咲かせた花」が連載。
韓国の本家にて2021年8月7日に最終話、9月18日にあとがきが掲載された。全126話。また完結から暫くした10月12日に有料化された。
最終話までのネタバレを含むが本作に対する批判が知りたい方は구름이 피워낸 꽃- 6.비판を参照。歴代の表紙は前述した記事の구름이 피워낸 꽃- 8.기타を参照。
以下のあらすじは中国版紹介文(意訳あり)。日本版は本家紹介文に作品サムネの煽り文を加えたのみ。
あらすじ
王女でありながら、皆に軽視され……。無力な少女はどう生きていくのか?
彼との出会いによって、変わり始める彼女の人生。
何も持たぬ王女が自身の全てを奪り戻していくが…。
特徴
彩色においてキャラクターの髪、目や服の色などポイントカラーだけ塗った絵柄。主なキャラクター達にはそれぞれ固有色がある。
BGM
一部の話で作中にオリジナルサウンドトラック(OST)が流れる。
NAVER WEBTOONの作品のいくつかでは同じようにOSTを持ち、BGMとして流れる話がある。しかし、OSTを持つ作品は稀少である。この項目については一部NAVERWEBTOONでも記載。
BGMが流れるのは本家NAVER WEBTOON(네이버 웹툰)のみで咚漫漫画とLINEマンガでは聴けない。WEBTOONのPCサイトでは話数表記の右側にある배경음악■‖▶の再生ボタンをクリック、WEBTOONアプリ(スマホ)では画面に表示される♬をタッチすることでBGMの再生ON/OFFが可能。
※10月12日より有料化された。有料版を提供するNAVER SERIESではムービングトゥーンやBGMなどの効果はつかず、無料連載中のみの機能となる。ただしBGMの場合は有料版になっても自分で曲を用意すれば連載中と同じ楽しみ方が可能である。
OSTは全ての楽曲をピアノ奏者かつ웹툰音楽の作曲家である레브(Reve)氏が担当している。またYouTubeにて無料フル配信されている。動画の画像は作者비온후が描いたイラスト。
また一部の配信サイトでも楽曲は購入可能。日本で購入したい方は、本国の配信サイトよりApple Music(iTunes)やamazon musicでの購入がお手軽。
以下OSTタイトルと作曲家레브氏ブログの邦訳。6曲目のみコメントはyoutubeより。
1曲目「涙の模様」
雲が咲かせた花30話OST「涙の模様/涙の形」
구름이피워낸꽃30화OST(눈물의 모양)
【お知らせ】레브(Reve)-涙の模様(雲が咲かせた花OST)
作品のヒロイン「紅蓮」のテーマ曲として制作。切なく目頭が熱くなってくる紅蓮の思い出を込めた曲です。そのテーマに合わせ全体的に悲しくおぼろげな感じをメインとしました。 |
※英訳は“Shape of Tears”
2曲目「星花遊び」
雲が咲かせた花41話OST「星花遊び」
구름이피워낸꽃41화OST(별꽃놀음)
【お知らせ】레브(Reve)-星花遊び(雲が咲かせた花OST)
「白斗」のテーマ曲として制作。白斗と紅蓮の2人だけが知る秘密の場所で、ロマンチックに星空を眺めながらも切ない場面を表現しました。曲の雰囲気としても温かく、紅蓮に対する白斗の思慮深い心を盛り込みました。 |
※英訳は“Starflower Embroidering with the Night Sky”
- OSTタイトルについて直訳すると「蘩蔞遊び」になる。
※별꽃:春の七種‘蘩蔞 ハコベ’。属名のStellariaはラテン語の「stella(星)」にちなむ。花の形が星形をしていることから名づけられた。
※놀음:劇、遊び
3曲目「雲に隠された時間」
雲が咲かせた花46話OST「雲に隠された時間」
구름이피워낸꽃46화OST(구름에 가려진 시간)
【お知らせ】레브(Reve)-雲に隠された時間(雲が咲かせた花OST)
「紅蓮」と「雲濤」の緊迫した対立状況の中で流れる緊張感をテーマに制作。原作者である先生が強調して仰られた緊張感に集中して作曲し、後半にいけばいくほど緊迫した雰囲気になるよう努力しました。 |
※英訳は“Time Veiled by the Cloud”
4曲目「紅蓮の花の物語」
雲が咲かせた花62話OST「紅蓮の花の物語」
구름이피워낸꽃62화OST(붉은 연꽃 이야기)
【お知らせ】레브(Reve)-紅蓮の花の物語(雲が咲かせた花OST)
「紅蓮、雲濤、白斗」による三角関係をテーマに制作。先生が願う雰囲気を最大限反映するよう努め、原作に曲が溶け込むようかなり多く点検いたしました。 |
5曲目「花は霞んで」
雲が咲かせた花125話OST「花は霞んで」(雲濤のテーマ)
구름이피워낸꽃125화OST 꽃은 희미해지고(도운의 테마)
【お知らせ】레브(Reve)-花は霞んで(雲が咲かせた花OST)
普段から雲濤のテーマ曲がいつ出るのかお問い合わせいただいていたんですが、こうやって機会に恵まれまたお聞かせできるようになりました。作品を読む際、音楽とともにより作品へ没入できればと思います。 |
6曲目「約束の星座」
雲が咲かせた花126話OST「約束の星座」
구름이피워낸꽃126화OST 약속의 별자리
今回の曲は2019年から「ぴおぬ」先生と共に作ってきた「雲が咲かせた花」作品最後の公式OST音源です。先生も私と共に音楽制作へ熱心に参加してくださったので作品に音楽がよく溶け込むことができました。そして聞いてくださった皆さんのコメントに支えられて作品の内容によく合うよう最善をつくして制作しました。 |
登場人物
※韓国名/中国名/日本名
※ネタバレ注意
主要人物
홍련(Hongryeon)/红莲/紅蓮
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本作品の主人公。幼少時ではその環境ゆえに自尊心や自信がほとんどない。雲濤との出会いをきっかけに無力な王女から一国の王にまでなる。ただその過程が彼女のトラウマでもあり、ストレスの一因にもなっている。不眠症でよく悪夢を見る。
- 対人関係
雲濤 | 初めて自分にきちんと向き合い、優しくしてくれた初恋の人。雲濤はあくまで利用目的であることを知っても好意を寄せ続けるが、疑念や失望で恋慕の情は消え去っていく。しかし、自らがのし上がっていく為に手を組み、変わっていく中で、自身も彼と同類なのだと痛感する。互いに政治的な利用関係にあり、紅蓮を良い意味でも悪い意味でも大きく変えてくれた存在。現在の紅蓮を作った人物。 |
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白斗 | 紅蓮の命の恩人。面と向かって話すのは成長してからだが、出会いは雲濤よりも早い。後に彼を救ったのも紅蓮であるため、お互いが恩人。彼の火傷痕は紅蓮も気にしているようで、傷を見るたび動揺したり、複雑な心境が滲む。幼い頃から今まで、ただただ善意で接し、優しさと温もりをくれる彼に好意を抱いている。紅蓮が人間らしさを保っていられる要因である人物。 |
양도운(Yang Dowun)/杨涛云(楊雲濤)/天馬雲濤
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本作品の男主人公。王家の血統を得るために紅蓮に近づき婚約者(契約相手)となる。性格は理性的で計画的。また目的の為なら家族さえも利用できる冷徹さを持つ。幼い頃からあらゆる分野で秀でており、その噂は国王にも届く。恋愛には露ほどの関心も無い。紅蓮を導きサポートする雲濤だが、時が経ち、紅蓮を制御しきれなくなることが多くなる。そこに多々絡んでくる、白斗は煩わしい存在であり牽制対象としている。また過剰に意識した結果、紅蓮に対して感情的になったことも。紅蓮の白斗への感情にも勘付いていると見られる。
백한(Baekhan/Peakhan)/百寒/白斗
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本作品の第2男主人公。前・世子の護衛武士で、王になった紅蓮の最側近の護衛。親衛隊の隊長で、子々孫々に王族の護衛を担当してきペク氏一族の当主。作中人物では一番背が高い。幼い紅蓮を助けた際、右目失明に火傷痕など顔の右側に重傷を負う。以降、顔の右側を前髪で隠している。視界に関してハンデを負いながらも天下一の剣士と称される武人。性格は優しく思いやり深く温和だが、信念を曲げることはしない。故に信念を取って、最期の母(백소렴)への孝をできなかったことに関して思うところがある。
王家
자양(Jayang)/紫阳(紫陽)/紫亜
紅蓮の腹違いの姉。国王が寵愛する唯一の王女だったため自尊心が強く傲慢。父王が自分以外の王女に関心を示すことを非常に嫌う。
홍운(Hongun)/洪云/紅明
紅蓮の異母兄であり当時の世子。白斗の主君でもあった。人徳が無く、傲慢で感情的。
양氏一族
양도결(Yang Dogyeol)/杨涛洁(楊濤潔)/天馬風濤
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雲濤の弟。活発でいたずら好きな性格。雲濤を尊敬しており、完璧だと称賛するなど自慢の兄…だった。とある件から気持ちが変化し、以前は兄のようになりたかったのに対し、今では「似ていない」と言われて嬉しく思うように。紅蓮とも親しくしていた。
양도훤(Yang Dohwon)/杨涛暄
雲濤と風濤の父親。権力欲はあるが冷徹な雲濤とは違い、家族は大切に想っている。雲濤から色々と助言をもらっている。
親衛隊
아사라(Asara)/阿萨拉/璃月(りげつ)
紅蓮の即位後、雲濤の側近であると同時に次期親衛隊長に有力だった人物。紅蓮と雲濤が契約を結ぶ前は雲濤の婚約者でもあった。
우서문(U-Seomun)/于书闻/士文
少し子供っぽい面もあるが、根は真面目で優しい。
장문(Jangmun)/章闻/文蔵
士文の兄。しっかり者で、何かと文句を言いいがちな弟のこともよく言い聞かせている。
량(Lyang)/凉/昌
白斗に憧れを抱いていたと話す。
백무(Baekmu/Peakmu)/百武/眞白
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代々、王家の守護として仕えてきたペク家の嫡男。幼い頃から白斗と共に暮らし切磋琢磨してきた幼馴染。白斗とは兄弟であり家族であり親友でもある。性格は真面目で、普段から淡々としており非常にクール。継ぐはずだったペク家・次期当主(または世子の護衛)に白斗が指名された時は不満を見せたが、内心では彼が選ばれた理由を実力含め理解している。素直で物腰柔らかな白斗に比べ、やや不器用で気難しい面があり、感情を隠すのが苦手。家門と武道に対する想いが強いゆえに、双方を捨てて出て行った父を憎く思っているのでは?というのが白斗の推察である。母の臨終にさえ来なかった白斗に怒る一方、自身と違い「大義」を選べた白斗を認め、印章と共にその座を託す。白斗に対し露骨な態度こそ見せないが、彼のことは気に掛けているようで大切にしている。
その他
연(Yeon)(聯)/燕/凛
紅蓮が2年間帝国に使節として派遣された際に出会った少女。主から捨てられ、道端に倒れていたのを見兼ねた紅蓮が助けた。名も紅蓮から与えられたもの。現在は紅蓮の世話役的ポジションで最側近。陽気な性格。
백소렴(Paek-Solyeom)/百素敛/?小夜
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ペク家の元当主(族長)。眞白の母親で白斗とは遠い親戚。男性のようにも見えるが女性である。
両親を伝染病で亡くし行き場の無かった白斗を養子として引き取り、我が子のように育てた。白斗の父に関しても知っているようで、暴力が嫌いな父と同じく、白斗も武道の道には進まないと思っていた。厳しさと優しさを持つ人物だが2人の息子を可愛がっていた模様。ペク家の決まりに囚われず、実子である眞白も、養子である白斗も公平なく評価した結果、白斗を世子の護衛武士に任命した。同時にペク家当主にも任命したが、継承は眞白が妥当と考えた白斗により断られる。世子に仕え苦悩していた白斗にも彼女の考えを述べたうえで、自分の道を歩むよう励ました。白斗にとって母親と同義の存在。最期は戦闘での傷が悪化。当主の座とその印章を眞白に託し、彼に看取られた。
문여경(Mun-Yeogyeong)
帝国で代々、武官を輩出した家門の公子。帝国にいた紅蓮の能力を求め、何かと手伝ってくれた。紅蓮が帝国を出た後も繋がりがある。
※公式な英語版は無いので表記は不明。そのため音が分かるよう自動翻訳による気休め程度の記述。ネイティブの韓国語においては子音であるㄱ(k⁽ʰ⁾),ㄷ(t⁽ʰ⁾),ㅈ(t͡ɕ⁽ʰ⁾)などの清音/濁音を意識していないように、国ごとで音の聞こえ方や発声の慣れも異なる。初頭の清音/半濁音/濁音の区別や英表記は曖昧なところがある。
その他
- 紅蓮の額にある花模様(花鈿)は、唐で盛んに行われていた化粧法であり、宮廷の女性たちの髪型は、唐をモチーフにし、そこに中国と韓国の他の時代での要素を混合したものと見られる。
- 女性の基本的な装いは、唐以降から近代以前までの故事人物画で見られたような漢服の要素が見られる。逆に男性の場合、基本的な装いの甲冑(鎧兜)などは、唐〜明のような古典的なものとは違う。王の服飾は、韓国時代劇(フィクション)で見られそうな襟元や周辺の装飾が際立つ上着が描写され、旧韓末のものを王の象徴で借用した。
- ちなみに、作者ブログの色紙を見ると、雲濤の背景には「雲」を、紅蓮の背景には「赤蓮」を、白斗の背景には「木」を描いたことから見ておそらく白斗の記号は「木」ではないか?と予想する声も…。
- 歴代の表紙を見たい方はこちらの^8.기타項目より
関連リンク
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原作者비온후(ぴおぬ)氏Official Blog
投稿数も少なく主にイラスト(落書き)やOST情報などがメイン。
作曲家레브(Reve)氏Official Website
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