ゲーム概要
このゲームはmackoy氏が作った列車運転シミュレーターである。
元の名前は「暴走ビューエクスプレス」。この名称はJR東日本255系電車の愛称である「房総ビューエクスプレス」の「房総」と「暴走」をもじったものである。
保安装置まで再現できるリアル系シミュレーター。そのため特にBVE5以降の路線で遊ぶには一定のオタ知識が要求される。
バージョン
BVE1
2や4と違い、試験モードがある。現在は公開されていない。
BVE2
2001年にBVE1のバージョンアップと言う形で公開された。4が公開された現在も、ダウンロードが可能である。
なお、現在公開中のデータで、バージョンが書いてない場合、大抵はこのBVE2を指すことが多い。
BVE3
2003年に試験公開されたバージョンである。しかし、抵抗制御の再現に失敗したため、1ヶ月も経たずに公開停止された。
BVE4
2005年1月、BVE4の正式版がリリースされた。β版公開時には、BVE .NETとも呼ばれていた。
- 保安装置をプラグイン化したことで自作が可能になり、私鉄のATSやATCが再現できるようになった(ATOによる自動運転も可能)。2に準拠した標準の保安装置プラグインも用意されたが、ATCが省略されている。
- また、計器とサウンドのコントロールも可能なので、モニター装置などの別の用途も工夫次第で可能である。しかし、スペックの低いPCでは動作が不完全な場合がある。
- このバージョンから運転台画像が昼間と夜間に分離されたので、トンネルや地下鉄に入ると運転台も暗くなるということも可能になった。
- 前述のプラグインで電流計や電圧計も動くようになった。パネル自体もそれ以前の480×240縛りが廃止され、2の累乗であれば大きさは自由になった。
- 行路表が標準でパネル内に取り付けることも可能になり、行路表の抜き差し、拡大が可能である。半面、読み込む際の画面が普通のダイアログボックスになり、路線説明・車両説明・車両画像が廃止されたほか、衝撃メーターも廃止された。
- 画面右側にあった制限・信号予告・保安装置の状態を示すインジケーターが廃止され、画面左上・左下の情報欄に移ったほか、保安装置もパネル内にランプとして表示可能になった。
BVE5
2011年9月5日に正式版が公開された。ここから正式名称がBVE Trainsimに変更された。
今までのバージョンでは、DirectX10の仕様上、Windows Vista以降のOS上での動作は基本的に出来なかったが、次期BVEにおいては、DirectX10に対応し、Windows Vista及びWindows 7上でも対応。BVE5.8からはメモリ領域が拡張され、64bit版OSを使用している場合は4GBまで拡張された。
多くの改良がされたバージョンで、具体的には、
- 今までのBVEに存在した25m縛りやモーターの和音の2音縛りなどの各種制限が無くなった。
- 対向列車も動くほか、電流計機能の標準装備や補助表示も充実、とても作りごたえのあるものになっている。
- マップファイルや車両ファイルの構造も刷新された。マップファイルは路線ファイル・ストラクチャリスト・停車場リスト・サウンドリストなどに分離され、簡単に修正しやすくなった。
- オブジェクト・路線・サウンド単位のファイルの構成が路線単位になった。
- ほかのファイルを参照して一緒に読み込むことで、マップファイル自体を地形・線路・地上子などに分離して列車のバリエーションが簡単に増やせる。
など多数。
現状、ワンマン運転は保安装置プラグインで対応している作品もあるが、今後、BVE4で実装されたワンマン運転も実装予定とのこと。
2の頃にあった路線説明と車両画像が復活したが、逆に4にはあった時刻表構文が廃止され、行路表は画像ファイルとして、パネル内に設定する必要がある。サイズの調整が必要な場合もあるので注意。その代わり、2の頃にあった簡易的な時刻表が復活し、通過駅からもスタートさせることが可能である。
BVE6
2020年9月に正式版が公開された。
基本的にBVE5と同じだが、64bit専用で設計されている。そのため、BVE5以前では32bitソフトウェアで扱える2GBのメモリ制限がなく、理論上はOSが管理するメモリ領域まで使用することができる。但し、64bitになったことで32bit用ATSプラグインとの互換性がないため、注意が必要。
動作上の問題点
一部のPCでは動作が不完全な場合もある。スペックによっては路線データそのものが読み込めない場合、グラフィックボード(AMD(旧ATI)製)等の相性やスペックの問題からオブジェクトが透過されない場合がある。また、DirectX10対応の一部のグラフィックボードでもオブジェクトが透過されない場合がある。
また、「Windows Vista」および「Windows 7」ではOS本体に内蔵されている「DirectX10」の仕様上、BVE2および4は初期段階では動作不可能となっている。
…が有る方法をすればBVE2と4が出来るようになる。この記事の投稿者もVistaでBVE2&4をやっている。
各バージョンでの互換性
基本的に2のデータは4でも使用可能だが、ATCは使用できない。5は構成そのものが大きく変わったため、2・4のコンバータで変換して使用可能。ただし、テクスチャが崩れているものや線路が不自然に曲がっていることがある。
また、2のデータは運転台パネルの明暗・私鉄用を中心とした保安装置が付いていない状態なので、変換後各自で修正・書き換えを行う必要がある。4のプラグインも動かないものがあるので注意。
前述の通り、行路表は5では構文が廃止されたため、パネルファイルとして書き換えるほか、画像自体もサイズを調整する必要がある。