DIAL35はキヤノンが製造・販売していた35mm ハーフサイズのフィルムカメラ。
アメリカではBell&Howellに供給され、同社ブランドで販売された。
タグが付いた作品は少ないが、特徴的なデザインで度々創作作品の題材に使われる。
概要
縦長のボディを持つコンパクトカメラである。
通常、ハーフサイズのフィルムカメラは横向きの画面を2分割して撮影するため、"普通に構えると"縦長の写真が撮れるが、DIAL35はフィルムを縦に送ることで、ハーフサイズながら自然な撮り方で通常のカメラと同じ横長の写真が撮れるようになっている。
このカメラの特色である、前面の撮影用レンズの周りに配置された多数のレンズは、今流行りの多眼カメラ…では無く、明るさを測る露出計のもの。”ダイアル”の名前はこの部分が黒電話のダイアルに似ていることから名付けられれた。
機械式のシャッターが搭載されたシャッター優先EE機構(AE機構)が搭載されているため、シャッタースピードを合わせたあと、シャッターを切れば絞りが自動的に絞り込まれて適切な露出(明るさ)の写真が撮れる。絞りは手動で操作できるため、実質的に全機械式のカメラとしても使える。
このカメラのもう一つの特色である、本体の下に付けられた大きなノブは、フィルムの巻き上げと巻き戻しに使われるゼンマイを巻くためのもの。
つまり巻き上げも巻き戻しも、予めゼンマイを巻いてさえおけば、いちいちキコキコ巻くこともなく自動的にやってくれる優れものである。
ピントは勘で合わせる目測式。とはいえ、ファインダーにフォーカスレバーの操作に合わせて動く目盛りが表示されていたため、ファインダーを覗きながらピントを合わせることができた。(当然合う保証など無かった)