神さまの言うとおり
かみさまのいうとおり
概要
『神さまの言うとおり』は別冊少年マガジンにて、金城宗幸原作・藤村緋二作画により2011年3月号から連載が開始された。2012年11月号に同作品は完結とされたものの、2013年1月より週刊少年マガジンに移籍し、『神さまの言うとおり弐』として再び連載開始。区別しやすいように前者は第壱部、後者は第弐部として分けられている。第壱部は全5巻で完結、第弐部は現在6巻まで刊行。第7巻は2014年6月17日に発売予定。
内容は人が次々に死んでいくサバイバル・ホラー。特に第壱部はショッキングかつグロテスクな描写が多く、またキャラクターの自慰シーンもあったりと性的な描写も多数含まれている。
週刊少年マガジンに移籍してからは表現がかなりマイルドになったものの、それでも人が次々と死んでいくのは変わらず、また読者の想像を裏切る展開が数多く用意されている。
2013年10月16日発売の『週刊少年マガジン』46号にて、2014年秋に第壱部が実写映画化予定であることが発表された。監督は『悪の教典』の三池崇史、脚本は『半沢直樹』の八津弘幸。
作品名を『神様の言うとおり』や『神さまの言う通り』などと誤植されやすいが、正しくは『神さまの言うとおり』である。公式の略称は『神さま』。ファンの間では『神とおり』『神言う』と呼ばれることもある。
あらすじ
第壱部
出席者の物語。行われる試練は神小路かみまろによる「神の子」の選別。
高畑瞬はごく普通の高校2年生。冬のある日、授業中に突然教師の頭から「だるま」が現れ、死の「だるまさんがころんだ」が開始される。動いてしまったクラスメイトが次々と殺害されていく中、瞬は「生きる」ために臆病な自分を「殺し」、クリアのために走り出す。だがそれは、これから始まる恐怖のデスゲームの序章に過ぎなかった…。
第弐部
欠席者の物語。行われる試練はセイン・カミによる「カミーズJr.」の選別。
明石靖人はごく普通の高校3年生。冬のある朝、幼馴染みにしてサッカー部仲間の青山仙一と喧嘩をしてしまう。「臆病な鶏(チキン)」と罵倒された明石は、思わず学校を飛び出す。運命のその日、ゲームの「欠席者」となった明石の元に訪れたのは、動いて喋る二宮金次郎像だった。「勇敢な牛(ビーフ)」になるための明石の試練が始まる。
登場人物
こちらの項目では名前が判明している主要キャラクターを羅列するが、流石に生死如何しか紹介出来ない人物は割愛。
なお、物語の重要なネタバレ、キャラの生死は記述しない。
出席者
第壱部の主人公。
瞬の幼馴染で、第壱部のヒロイン。
瞬の相棒的存在。暴力で自分の生を感じるサイコパス。
平井翔子(ひらい しょうこ)
都立牛尾女子高校1年生。パーマをかけた黒髪ロングの美少女で、グラビアアイドルばりの巨乳。
青山仙一(あおやま せんいち)
第弐部に登場。東京都播磨生高校の3年生。明石靖人とは親友同士でサッカー部のストライカー。
アヤちゃん
瞬のクラスメイト。ショートカットの美少女でクラスのアイドル的存在。
佐竹(さたけ)
瞬のクラスメイトで友人。メガネ。アヤちゃんに好意を抱いている。
吉川晴彦(きっかわ はるひこ)
2-D。背が低く、唇を突き出した猿を思わせる顔つき。バスケを愛し、3Pシュートを得意とする。
三神(みかみ)
巽高校3年。三白眼の強面だが性格は良く、瞬に「仲良くしよう」と声をかける。
城崎優(しろさき ゆう)
有名進学校の唯一の生き残りで、冷徹な顔つきをした美少年。
奥栄治(おく えいじ)
都立大天道学園3年。顎髭が特徴的で、筋トレが趣味の大柄な少年。
秋本・クリストファー・健人(あきもと クリストファー けんと)
都立大天道学園3年。通称クリス。大きく丸々と太った体の少年で、並外れた大食漢。後にダイエットし、アイドルデビューする。
前田小太郎(まえだ こたろう)
盤田院高校1年。こけしに変えられていたところを秋元に救われた。クイズ、パズルが得意。小柄できのこ頭。
真田ユキオ(さなだ ユキオ)
坊主の大柄な少年。冷めた性格で表情がほとんど変わらない。異常な身体能力を持つ。
影裏章太(かげうら しょうた)
頬に大きな傷があり、猪突猛進タイプ。誠実そうな顔つきをした、正統派主人公を思わせる好青年。
冠城敬宏(かぶらぎ たかひろ)
鋭い目つきが特徴。俊足の持ち主であり、道生の友人。
瞬達には本性を隠していたが、実は自らが生存することを優先し、仲間すら犠牲にすることも厭わない性格。
板東純子(ばんどう じゅんこ)
左側頭部を刈り上げた、泣き黒子と意志の強そうなツリ目の特徴的な少女。
他人と慣れ合うことをよしとせず、チームメイトともほとんど会話をしようとしない。常に険しい表情をしており、冷たい物言いをする。
平井響子(ひらい きょうこ)
平井翔子の双子の妹。
欠席者
明石靖人(あかし やすと)
第弐部の主人公。
持田涙(もちだ るい)
第弐部のヒロイン。明石に想いを寄せる。
丑三清志郎(うしみつ きよしろう)
明石の相棒的存在。世界が滅べばいいと星に祈るバイセクシャル。
夏川めぐ(なつかわ めぐ)
黒髪ロングのクールな美少女。通称ナツメグ。
星川芽衣(ほしかわ めい)
静岡の白葉女学園2年。気分屋で惚れっぽい性格。
原海(はら かい)
石川出身の高校3年。肥満体型で普段はおどおどとしているが、興奮しやすい性格をしている。興奮すると「ラァァイ!」と独特な叫び声を上げる。
網走洋平(あばしり ようへい)
大阪出身の高校2年。お調子者でダジャレ好き。ハラカイの変貌とその後に、大きな影響を与えることになる人物。
柘植まさみ(つげ まさみ)
「まめまき」で理科室に集まったメンバーの1人。
山で育ったため目がいいが、視力が良すぎるために普段は専用の眼鏡をかけている。訛りがひどく、最初それを恥ずかしがり話さなかった。眼鏡を取るとなかなかの美少女。
ミツバ
明石とは別のグループにいた、シニョンが特徴的な少女。鬼を倒した後で明石達と合流するが、「七不思議」においてシャイナー・紫村を盲信するようになる。
西野・スーザン・花(にしの・スーザン・はな)
通称スージー。眼鏡をかけた出っ歯の少女。数字に滅法強く、国際数学オリンピックアジア7位の実績を持つ。
鳳哲也(おおとり てつや)
日本一大きい病院と言われる『鳳病院』の院長の息子。
表面上では医学的知識のある冷静な少年を装いつつも、実はナツメグの肢体に目をつけており、「手術(オペ)りたい」「服を切り裂いて触診したくなる」とカッターナイフを懐に忍ばせながら考える危険人物である。
戸呂井アキラ(とろい アキラ)
大柄で強面の少年。試練ではチームの纏め役になるなど一見頼りになる人物に見えるが、実は怪談や暗い場所が酷く苦手という弱点がある。
小浜来々留(こはま くくる)
小麦色の肌の女の子。レズビアンであり、涙に好意を抱いている。
末成兄弟(スエナリズ)
双子の兄弟。兄が浩樹(こうき)、弟が大樹(だいき)。兄は代々陰陽師である実家の跡取り息子。
紫村影丸(しむら かげまる)
「いすとり」チームのメンバー。「光導者(シャイナー)」としてチームに君臨する。
愛甲龍臣(あいこう たつおみ)
「いすとり」チームのメンバー。髪を立てた不良で紫村の右腕的存在。「暴禦士(ボウギャー)」を名乗る。
福満重里(ふくみつ しげさと)
「いすとり」チームのメンバー。坊主頭と糸目が特徴的なずんぐりとした体型の少年。
巴光圀(ともえ みつくに)
「いすとり」チームのメンバー。天然パーマと顎髭が特徴的。なぜかラップを得意とする。
蓬莱やえ(ほうらい やえ)
「あやとり」チームのメンバー。腰まである黒髪をおさげにした少女。八重歯が特徴的で、作中でも「やえ歯のやえちゃん」と呼ばれている。
試練
世界中の15歳 - 18歳の子供たちが巻き込まれた理不尽な死のゲーム。ゲームの特徴としては『場を問わず何の前触れもなく始まる』ことと『クリア条件のみが提示される』こと、『ゲーム会場となった場所は脱出不可能な閉鎖空間と化す』の3つが挙げられる。さらに、表向きのルールに加えて多くのゲームに裏ルールと言えるものが存在する。
また、ゲームのモチーフとなる物の名前がしりとりで繋がっているが、これはかみまろがタクミに売った同人誌に由来しており、「だるま」~「うん」と「うんどうかい」のゲーム内容に対応した同人誌がそれぞれ存在する。行われるゲームは国ごとに違っており、ここでは日本で行われたゲームについて記述する。
出席者の試練
第1ゲーム「だるま」
終了条件:おしたならおわり
ゲーム内容:だるまさんがころんだ
各クラス単位で行われるゲーム。胴に「勇気」と書かれた謎のダルマと「だるまさんがころんだ」で勝負する。このだるまは、教師の頭部から突如出現した。
ルールは通常の「だるまさんがころんだ」と同じだが、動いて負けとみなされた者はビームで身体を吹き飛ばされ排除される(光線が視認できないので、一瞬で身体の一部が吹き飛んだかのように描かれている)。本体の後ろにはタイマーとボタンがついており、タイマーが0になる前にボタンを押して停止させた者が勝者となる。
変則的な「だるまさんが転んだ」のテンポにも臆さず踏み出すことができる「勇気」を必要とする。
第2ゲーム「まねきねこ」
終了条件:ネコに鈴つけたならおわり
ゲーム内容:バスケットボール
各クラス毎の「だるま」の生還者全員がチームとなって参加するゲーム。「変化」と書かれた小判を抱えた巨大な招き猫を相手としたバスケットボール。学校の体育館の天井を破壊して現れたが、どこから落下してきたのかは不明。タイマーの付いたボール状の鈴を、制限時間10分以内に首輪にあるバスケットボールのゴールに入れることでクリアとなる。しかし、ネコは戦車のように動き、生還者たちを前足で踏み潰していくためクリアは困難。
また、ゲーム参加者には全身タイツ状の「ネズミ着」が支給され、これを着た者は優先的にネコから狙われるが、着た者だけがネコの言葉を聞くことができ、クリアのための重要なヒントを得られる。
ネズミ着によって発生する「変化」に気づかなければ突破は不可能。
第3ゲーム「こけし」
終了条件:カギで扉開けたならおわり
ゲーム内容:かごめかごめ、縄跳び
全国108の地区毎に行われるゲーム。端的に言えば脱出ゲーム。廊下の天井に出現した「連帯」と書かれた巨大な扉を開けるためのカギを探す。このゲームのみ、ゲームマスターである物ではなく扉に文字が描かれている。7人揃わないとクリアできないというルール上、生存者同士の「連帯」が必須となる。
この中ではこけしがゲームマスターを務めるいくつかのミニゲームが展開され、失敗した者は死が課せられる。ゲームに参加していない部外者は容赦なく殺される。
第4ゲーム「しょうべんこぞう」
終了条件:ひいて全滅せしめたらおわり
ゲーム内容:綱引き
全地区の巨大立方体の内部で行われる。7人で1チームになり、各部屋の中で召集を待つ。ゲームが開始されるとしょうべんこぞうの股間から伸びる綱で敵チームと綱引きを開始する。相手チームの小便小僧を中央にある「立入禁止(KEEP OUT)」の線を越えて引き寄せれば勝利。もちろん敗北すると惨殺される上、ゲーム中に線を越えるとルール違反としてやはり殺害される。このゲームで必要とされるのは、召集を辛抱強く待つ「忍耐」。
第5ゲーム「うらしまたろう」
終了条件:???
ゲーム内容:???
突如綱引きのフィールドから現れた海亀が小便小僧たちに苛められ、それを助けにやってきた浦島太郎のからくり人形によって竜宮城に招かれる。浦島太郎はかなり馴れ馴れしい性格。最初の一連のゲームの中で、このゲームのみ二字熟語が存在しない。それまでのゲームによる疲弊をねぎらうための宴会を行う。
クリアした者は立方体から脱出することができる。
第6ゲーム「うんどうかい」
終了条件:不明
ゲーム内容:運動会
神小路直接観覧のもと、全108個の箱の生還者311名の全員が参加する競技。生存者全員がそれぞれの立方体の元へ招集されるが、参加を拒否した人物は「お仕置き」と書かれただるまによって殺害される。参加者たちは立方体(サイコロ)が転がって出た目に応じて1 - 6年に分けられる。そして各学年をチームとして、最後の1学年になるまで競技を続ける。
実行委員長はフィギュアの「育子」が、実行委員はくるみ割り人形が務める。
どきょうそう
走者は育子が出題した○×問題を解き、○のゴールと×のゴールのいずれかに向かって走る。背後からはくるみ割り人形が追いかけてきて、追いつかれた者は捕食される。誤答側に入った走者はゴールテープで切断され死亡し、最下位の走者もくるみ割り人形に捕食される。
ぜつぼうたおし
学年対抗競技。サイコロで選ばれた2つの学年が棒倒しで勝負する。基本的なルールは通常の棒倒しと同様だが、暴力含めて何をしても許される。制限時間2分以内に相手学年の棒を倒せば勝利。しかし、棒は倒れると爆発し倒した者は確実に死ぬため、誰かが犠牲にならなければならない。
敗北した学年の選手は爆死、又は実行委員に処理され全滅する。制限時間内に決着がつかなかった場合は、両学年の棒が爆発し両学年共に全滅となる。
欠席者の試練
第1ゲーム「まめまき」
終了条件:鬼をすべて倒したらおわり
ゲーム内容:豆まき
欠席者が「にのみやきんじろうそんとく」の像に集められたごみ箱学苑で課せられた最初の試練。「くすだま」の中から出現した鬼たちに「豆」と書かれたカプセルに入っている豆を当てて倒す。鬼たちにはそれぞれ個性や違った能力があり、鬼に捕まった者は基本的にその能力で殺害される。
第2ゲーム「くりすますぷれぜんと」
終了条件:すなとりは1チーム棒を倒したらおわり。あやとりはいち早くほうきを完成させたらおわり。いすとりは不明
ゲーム内容:椅子取りゲーム、山崩し、あやとり
終了条件は各ゲームによって異なる。
「まめまき」をクリアした98人が「きゅうしょく」の後で外からやってきた阿修羅のように3つの顔を持つ「三択ロース」のプレゼントの中身である「いすとり」「すなとり」「あやとり」の中から先着順で好きなゲームを選択する。各ゲームごとに最大参加人数と最大で生き残ることのできる人数が変わる。各ゲームは三猿が担当。命令に従わない場合は手刀によって体を真っ二つにされ死亡する。三猿は常に気が立っている状態で、横暴な言動をする(ただし「言わ猿」は口を塞いでいるため言葉を発しない)。
第3ゲーム「といれのはなこ」
終了条件:16日経過したらおわり
ゲーム内容:陣取り、リバーシ、お化け退治
「くりすますぷれぜんと」をクリアした者が、花子さんの説明により、学苑内で出没する「七×七不思議」の計49個の不思議を1つずつ解決していくことになる。いすとり、すなとり、あやとりのグループに分かれて、それぞれ別のカラオケBOX風の建物に移動する。22時近くになったら、49のマスの中から取りたいマスの番号を選び、番号に応じた不思議の詳細を知る。その後、3人のメンバーで不思議の解決に向かう。登場する「不思議」はどれも凶悪であり、気を抜けば殺されることもある。
最終ゲーム「こぶし」
終了条件:セイン・カミに勝てばおわり
ゲーム内容:じゃんけん
終了条件は「セイン・カミに勝てばおわり」。ゲーム内容はジャンケン。
セインとのジャンケンに勝利すれば、カミーズjr.に入ることができる。敗北は死。
別名・表記ゆれ
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かみさまのいうとおり!(別作品)
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