概要
製作をウォルト・ディズニー、監督をクライド・ジェロニミが担当。制作費が600万ドル、制作期間に6年が費やされた。
「動く絵本」にしたいというウォルトの意向により、陰影が少なく、直線を多用した、モダンアート風の絵柄が特徴的。音楽はチャイコフスキーの同名バレエ楽曲を基にしている。
ウォルト存命中のディズニー映画としては最後の童話原作となった。
あらすじ
ステファン王が治める、とある国に待望のオーロラ姫が誕生し、盛大に祝福の宴が催された。隣国を治めるヒューバート王にはフィリップという息子がおり、古い友人であるステファンとヒューバートは、オーロラが16歳になったとき、オーロラとフィリップを結婚させると約束した。三人の善い妖精も祝いに駆けつけ、一人目のフローラが「美しさ」を、二人目のフォーナが「歌声」を贈り物としてオーロラに授けた。
しかし、そこへ悪の妖精マレフィセントが現れ、誕生会に呼ばれなかったことを理由に「16歳の誕生日に糸車の針に刺されて死ぬ」という呪いをオーロラにかけ、去っていった。三人目の善い妖精メリーウェザーは、「死ぬのではなく眠るだけで、愛する者のキスで目が覚める」と呪いを変える魔法をかけた。それでも心配であったステファン王は、国中の糸車を焼き捨てる。三人の善い妖精は相談の結果、オーロラ姫を森の小屋にかくまい、農家の娘として育てることにした。
オーロラ姫は自分の身分を知らないまま、ブライア・ローズとして育つ。そして15年の月日が経った。
森で馬を走らせていたフィリップ王子は、偶然にも動物たちと戯れていたローズと再会する。お互いの素性を知らないまま二人は恋に落ちるが、その日はローズがオーロラ姫として城に戻る16歳の誕生日だった。
一方、三人の善い妖精たちは、ローズのためにささやかな誕生日祝いを準備していたが、長年封じていた魔法を使ってしまったため、マレフィセントの手下に感づかれてしまう。
キャスト
オーロラ姫 - メアリー・コスタ
ステファン王が治める国の姫。善い妖精から美貌と歌声を授けられている。マレフィセントに呪いをかけられたため、三人の善い妖精に森の小屋に連れられ、農家の娘ブライア・ローズとして育てられる。生まれたときからフィリップと結婚することが決められているが、「夢の中でいつも会う」名前の知らない男性と恋に落ちる。
フィリップ王子 - ビル・シャーレイ
ヒューバート王が治める国の王子。幼い頃、その意味もわからず赤ん坊のオーロラと対面している。オーロラの16歳の誕生日に結婚する予定だったが、その日に森で「夢の中でいつも会う」農家の娘に恋をする。
マレフィセント - エレノア・オードリー
魔の山の城に住む悪の妖精。上品な態度を取ってはいるが、オーロラに邪悪な呪いをかける。手下はディアブロというカラスが一羽と、オークに似たグーンという亜人が多数。だが後者は頭が悪いため役に立たない。普段はサバトじみたことをしている。
フローラ - ヴェルナ・フェルトン
善い妖精三人組の一人。意見を言うことが多いため、三人組のリーダー格。好きな色はピンク。
フォーナ - バーバラ・ジョー・アレン
善い妖精三人組の一人。穏やかな性格で、三人組のまとめ役。まさかの料理下手。
メリーウェザー - バーバラ・ルディ
善い妖精三人組の一人。好きな色は断然ブルー派で、フローラと戦争になる。待ちたまえ君たち。
ステファン王 - テイラー・ホームズ
物語の舞台となる国の王。オーロラの父で、娘のいない15年は心配し通しだった。
リア王妃 - ヴェルナ・フェルトン
ステファンの王妃で、オーロラの母。演者はマレフィセントと兼任。
ヒューバート王 - ビル・トンプソン
隣国の王で、フィリップの父。ステファンとは古い友人。恰幅のいい体格。
備考
マレフィセントを主役にしたスピンオフの実写映画『マレフィセント』が2014年に公開される。