ジム・キャノンⅡ
じむきゃのんつー
概要
一年戦争終結後、ジム・キャノンや量産型ガンキャノンのデータを元に火力支援用MSの集大成として開発された機体であり、支援用MSとして完成された性能を有する。
本機は、ガンキャノンの純然たる量産化をコンセプトとしており、両肩にキャノン砲を有し全身を装甲で覆うその外観はジム・キャノンと比較してよりガンキャノン系列に近い構成となっている。
本機は、ジム・カスタムとは生産ラインとパーツの共用化が図られており、ジェネレーター及び基本フレームはほぼ同一の構造となっている。
特にジェネレーターに関してはジム・カスタムと同型のものを搭載した結果、機体出力に余裕が持てるようになった為、肩部の火砲は実体弾ではなくビーム・キャノンを採用している。
また、重力下での精密射撃時には量産型ガンキャノンと同様腰のスタビライズド・ギアを展開し機体を安定させる。
外装にはガンダムNT-1のチョバム・アーマー技術をスピンオフした複合装甲を採用している為、高い防御性能を発揮する。ただしこの複合装甲は本体への追加装甲では無い為、被弾した際にパージする事はできない。
武装はジム・カスタムと共通のジム・ライフル、シールドを装備。更に本機は支援機ながら近接戦闘も想定されており、左前腕部にショート化されたビーム・サーベル1基を格納しているなど、遠近共に隙の無い機体として仕上がっている。
砲撃性能の優秀さ故に、デラーズ戦役後もティターンズとエゥーゴの双方によって使用されたが、ジム・カスタムとの連携・パーツ共有を想定した為に生産数は限られている。
また、開発計画も開発スタッフごとティターンズの管理下に置かれた事から純然たる火力支援モビルスーツの血統は一度絶たれ、そのコンセプトを受け継いだ機体は宇宙世紀120年代のGキャノンの登場を待つ事になる。
バリエーション
ジム・キャノンⅡ ティターンズ所属機
漫画「GUNDAM LEGACY」に登場。
デラーズ紛争後、ジム・クゥエルと共に発足初期のティターンズに配備された機体。
主にジム・クゥエルの支援機として運用されたが、紺を基調とした所謂「ティターンズカラー」で塗装されている以外に外観上の違いは無い。
主なパイロットはエイガー。
ジム・キャノンⅡ エゥーゴ所属機
劇場版機動戦士Ζガンダムに登場。
前述のティターンズ機と違いエゥーゴに流れた機体。
戦力事情の厳しいエゥーゴにとって火力支援機の存在は重要であった事から、増加装甲部をネモと同系のグリーンに塗装し、運用したとされる。
エゥーゴの旗艦であるアーガマに配備された機体が知られている。
ジム・キャノンⅡ ルシアン・ベント専用機
反ティターンズ組織「ケラウノス」所属のモビルスーツパイロット、ルシアン・ベントが搭乗する機体。
頭部センサーが強化型に換装されている他、コックピットブロックの全天周モニター・リニアシート化といった近代化改修が施されているが、この機体の最大の特徴は白・青・黒を基調としたダズル迷彩が施されている事にあり、これによって敵に対する錯視効果が期待されていた(ただし、この迷彩は一時的なものであり、敵機がオートでCG補正を行えば効果が薄まるという事もあり、廃止されている)。
一方で、所属する組織の懐事情(人員や物資の不足)から火力支援用MSであっても積極的に近距離戦闘にも対応する必要性があったため、本来ビーム・サーベルをマウントしている左腕にはダブル・ヒート・ホークがマウントされている。このダブル・ヒート・ホークは敵の斬撃を受け止める「篭手」としても機能するが、その反面基部の強度の問題から使用回数に限りがあるという欠点も有する。
また、携行武装としてジム・ライフルをベースに改造を施したロング・ライフルを装備。この他、状況に応じてクレイバズーカや無改造のヒート・ホークも運用する。
ジム・キャノンⅡ[ホワイトコーラル]
上記のルシアン・ベント専用機の改修型。
カラバから供与されたパーツを用いて近代化改修された機体。
右肩のビーム・キャノンが開放・伸縮式バレルを採用した新型のメガ粒子砲に、左肩のビーム・キャノンが観測機器に変更されている。これはガンキャノンⅡに近い構成と言えるが、関連性は不明。
ビーム・キャノンが二門から一門に減った為、制圧能力は低下しているが、その分ビームの収束率が向上した為、単発の破壊力が強化されている。
また、元々ルシアン機がケラウノスのMS部隊の指揮官機的立場にあった事から、指揮官機としての能力を付与すべく頭部センサー・アンテナが変更され、肩アーマーにも起立式のアンテナが増設されている。
以上の改修によって上半身の重量が増加した為、脚部の追加装甲を外しガンダリウム合金製のパーツに変更する事でバランスを維持しているが、極端に重心が偏る為、乗り手を選ぶ機体として完成した。
ただし、これらの改修を施しても可変モビルアーマー、可変モビルスーツなどに対しての相対的な性能低下は否めず、そういった観点からも機体を扱うパイロットの技量が問われると言っても良い。
なお、改修前から使い続けられているダブル・ヒート・ホークはそのまま残され、続けて運用された。