豚肉を厚めにスライスしたものにパン粉などの「衣」をつけ、大量の油で揚げた日本料理揚げ物。
薄切りの牛肉を炒め焼くフランス料理の「コートレット」(Côtelette…イギリス料理の「カットレット」(Cutlet)、ドイツ料理の「シュニッツェル」(Schnitzel)に相当)に由来するが、日本人の嗜好に合わせ別物に変貌している。専門店では味噌汁・白飯とともに和定食のスタイルで出され、和食扱いされることさえある。
1895年(明治28年)に銀座に開業したレストラン『煉瓦亭』(現存)が発祥とされ、同店が明治32年から売りだした「ポークカツレツ」は、昭和4年頃から急速に普及した「とんかつ」のルーツになった事がよく知られている。これを卵とじにし、ご飯に乗せた丼料理を『カツ丼』と呼ぶ。
ちなみに関西方面は牛肉嗜好が強いため、牛肉を用いた「ビフカツ」も一般的。
「カツ」が「勝つ」に繋がる事から、時折受験に向けた縁起物的メニューとされたり、競馬場などの出店でカツ丼が販売されたりする。ただし、脂肪分も多いので消化の負担になり、試験前に食べる料理としては向かない。