概要
錫杖とは、遊行僧が携帯する道具「比丘十八物」のひとつである杖。
杖の頭部には鉄または銅で作られた輪があり、その輪に遊環と呼ばれる小さな輪が6個もしくは12個通してあり、音が出る仕組みになっている。このシャクシャクという音が錫杖の語源とも言われている。
この音には僧が山野遊行の際、禽獣や毒蛇から身を守る効果や、托鉢の際に門前で来訪を知らせる意味もある。また、幽霊が嫌う音であるとも言われている。
教義的には煩悩を除去し知慧を得る効果があるとされている。
場合によっては、特殊な法力が備わっていることも多い。