信憑性には疑いがあるが、「晋書」にはこのような逸話が書かれている。
司馬懿が病に倒れたとき、彼女が見舞いに来た。
司馬懿は「憎たらしい老婆め、なぜ煩わせに来るのだ!」
この皮肉に対して、彼女は怒りと恥ずかしさのあまり断食をして自殺を図った。──ただし、息子二人と共に、である。
これに慌てたのが司馬懿。急いで謝り事なきを得たという。
謝った後に司馬懿は「老婆は死んでも構わない。息子の身を案じた故に謝った。」と吐き捨てた。
これも信憑性には疑いがあるが司馬懿の若い頃に都合の悪い事を知られた下女を手討ちにして口封じをした、というエピソードもある。
一方で非常に博学であったと言われ、若い時には才女として名を馳せていたという。
247年に59歳で死去。西晋王朝成立後に「穆皇后」と追号された。
ちなみに「穆」とは慎み深いとかそういった意味であるらしい。
真・三國無双シリーズ
真・三國無双6Empires
それまでのEmpiresシリーズでもエディット作成はできたが、6で公式のモデルが登場した。
また司馬懿も晋勢力の長となるため、自由に活躍をさせることができる。
司馬懿の妻となるもよし、反旗を翻すも自由である。
公式モデルは登場の実現をしてほしい女性武将の人気投票が行われ、
呂布の娘・呂玲綺、関銀屏(関羽の娘)などと接戦の末、彼女が一位となった。
公式のデザインはセミロングヘアにきりっとした顔立ちで、軽装備の鎧をつけた武将のようなデザイン。スタッフによれば女官系か武将系で迷ったそうだが、武将系になった模様。これは7での印象とは全く違う。
デフォルトの声は高飛車の2に設定されており、何かと言って傲慢で怖い印象が有る。
この人気投票も相まって、7での正式な登場に繋がったと言えよう。
真・三國無双7
CV:浅野真澄
「戦も人も、わたしの思い通り…」
「旦那様こそ油断なさらぬよう…、ご一緒しても…、よろしいですわね…?」
司馬懿(^^;)…
そして正式に『7』より、夫司馬懿にとっては念願の夫婦揃っての参戦。
晋の物語より登場し、夫・息子達・次男の嫁(義娘)と共に活躍する。
一部では司馬懿は恐妻家と信じる人もいるが、晋書にすらそのような記述は無く完全なる誤解。
「重んじる」という意味の記述を質の悪い三国志本が誤訳し、
そこから三国志大戦といった後作の創作設定やインターネットなどで間違いが広まったのが原因のようだ。
そんな2次創作上のイメージのような鬼嫁といった印象とは異なり良妻賢母。
優しげで温厚そうな顔立ちだが、夫や息子達に言わせれば「怒らせると怖い」らしい。
6Empiresの公式エディット武将の時の印象とはがらりと変わり、鎧などの防具も纏わない優雅な貴婦人のようなドレスを纏っている。
設定資料によれば試行錯誤の上にこのような形になったのだという。
なお衣装2は生足。
得意武器は、『5』の時夫から譲り受けたと思われる「蟷螂鉄糸」。
トリッキーな動きを見せるが5の時のようなものとは印象が変わり、恐らく構えは蟷螂拳を意識しているようで攻撃範囲も広く割と使い易い。
必殺技は相手を縛るというより、むしろ鞭で激しく叩いているご様子…。
『5』のものとはまた別物のようだ。
ちなみに無双シリーズでは母親より一足先に息子達も無双武将として参戦している、
いわゆる三國無双での“お母さんキャラ”は彼女が初めてである。(戦国無双を含めると息子は参戦していないが、お母さんキャラとしてのおねね様がいるが。)
息子達もすでに立派な大人の姿だが…。
晋プロモーションムービーで登場したときは馬を引いてのことを旦那様と呼んでいた。
その時の司馬懿の顔はぽかーんとしたものであった。そんなに嫁が恐いか。
実際嫁は怖いらしく、活躍をすると「手加減してやってはどうだ?」と言われたり、
息子達からは「さすが母上」と賞賛。
娘婿の王元姫からは息子達に対しての彼女の“教育方針”を知られ、教訓とされる事になる。
自身は王元姫のような娘が欲しかったらしく、息子達二人の事は大切に思いつつもまだまだと思っているらしい。
ちなみに7empiresでは「おしどり夫婦」でのシーンでは司馬懿が珍しく感謝の言葉を送るのだが、「熱でもあるんじゃないの?薬出しますね(要約)」と返す。まぁ、「あらあら、どういう風の吹き回しかしら?」といった感じの意味合いを多分に含んでいるのであろう。
また、イベントシーンビューアでは「婚礼」のデフォルトで司馬懿とのシーンが用意されてたり…とシリーズ初の無双武将化として公式も力を入れているようである。
その性格
温厚でありながら怖い彼女だが、一応家族を見守ってあげているので根は家族愛がある。
顕著に現れるのは将星モードで、目上の人に対しては礼儀正しく目下の人物に対してはまるでお母さんが子供を気遣うかのように接してくる。
そう考えると教育に厳しいが、本当は優しいお母さんと取る事もできる。
無双初のお母さんキャラだからできた事だろう。
特に目下の女性武将に対しては、可愛いということでかなり急接近してくる。
史実では不明だが、無双では彼女と司馬懿の間に娘はいないらしい。
一応義娘に王元姫がいるわけだが。
そんな彼女もあからさまに嫌悪を抱く相手がおり、それが大将軍曹爽。
『公勢山の戦い』はストーリーモードでは彼女を選んでみよう。
完全に曹爽をけなし尽くしており、夫と同じく「凡愚の言葉」や「子供の遊びのよう」と言ったり相当にけなしている。
曹爽はこのエピソードで、春華に対して敬語を用いてくる。
さらに彼女が軽蔑の言葉を発すると、恐れおののく。
やはり、大将軍も怖いのか?
架空人物疑惑
張春華の記述は唐代の晋書にだけ書かれており、
十八家晋史などの、昔の晋の歴史書には存在自体が全く書かれていない。
「張春華」という人物像は名前・逸話を含めて
唐代に捏造された架空人物であるという疑いがある。
余談
2010年の中国のドラマ三国志には、
若き司馬懿の妻にして曹丕の妹とされる、静妹という人物が登場。
こちらは架空の人物と思われる。