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概要

 エーオースは古典ギリシア語で「暁」を意味し、暁の神格化である。ローマ神話アウローラアウロラ)に相当する。

 ティーターンであるヒュペリーオーンとテイアー女神のあいだに生まれ、兄弟は大陽の神ヘリオスヘーリオス)と、の女神セレネセーレネー)。また、同じくティーターンの系譜にあるアストライオスとの間で、三柱のアネモイ(風)、ゼピュロス(西風・春風)、ボレアース(北風)、ノトス(南風)、そしてすべての星々を生んだとされる。

人物像

 彼女の美しさを形容する言葉に「サフラン色の衣装」、「雪の瞼」、「薔薇の指先」、と字面も華麗な言葉が続く。

 エオスの日課はパエトン(輝く者)とラムポス(光)という名の馬が引く戦車に乗って、太陽神ヘリオスを導く事から始まるが、彼女の出番はこれだけである。

幾らなんでも兄弟間で差がつき過ぎではないだろうか……。

不遇と悲恋の女神

 これ以外にも、エーオースは役割の重さに反してやたらと扱いが軽い上に酷い。神殿はほとんど皆無、権威や権力も無し。挙句、アストライオスがタルタロスに封じられて独り身になってから、アレスに言い寄られた(受け入れて通じたとも)結果、嫉妬したアフロディーテ人間の男に恋をし続ける色狂いの呪いをかけられる

結果、幾ら心を通わせても不老不死でない人間は彼女を置いて死んでいく。ギリシャ神話にありふれた話と言えばそれまでだが……。

神話

 特に有名な相手として、ポセイドンの息子オリオン、ケパロス、ティトノスが挙げられる。

 オリオンはデロス島にて蜜月の日々を過ごすも、そこを聖地とするアルテミスに見初められた結果、オリオンもまた彼女へ乗り換えた

 ケパロスは神殿へと攫った後、妻帯者の彼に家族の元へ帰りたいと言われ、解放する。

 ティトノスは神殿へ招いた後、ゼウスへ彼を不死にするよう頼み込み、受け入れられるが、不老を願い忘れたため、不死のまま老いるようになってしまった。……最も、似たように恋人の不老不死を願ったセーレネーが恋人を『神と同じにするのは駄目』と不老不死のまま眠らされてしまったので、仮に不老も願ったとしても叶えられた可能性は低いが。

 それでもエーオースは老いてベッドからも動けない彼の世話をするが、久しぶりに部屋を訪れた際にベッドの上にいたのは、一匹のコオロギだった。

表記揺れ

エオス ヘオース

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