豚骨を強火で沸騰させるため、骨のゼラチンなどが溶け出し白濁したスープになる。麺の硬さを注文する点や替え玉も博多ラーメンの特色になっている。
特徴
麺
麺は細めのストレート麺。加水率は24~28%と低いためコシはなく粉っぽくスープを吸いやすい。のびやすいため他の地域と比べて分量は少なめ。麺が細い理由は、麺とスープがよく絡むようにするためと、短時間で麺を茹でられるようにするためである。
注文時に麺の固さを指定できるのも特徴で、「バリカタ」「カタ」「ヤワ」「バリヤワ」などがある。「カタ」「ヤワ」はそれぞれ硬い・軟らかいの意味で、「バリ」は福岡でよく用いられる強調表現。地元では硬めで注文する人が多いとされるが、標準的な茹で方でも他地域にくらべるとかなり固めであり、注文の際には注意が必要である。
特殊な呼び方として「ハリガネ」「粉落とし」「生」「カキアゲ」等もあるが通用する店舗は少ない。
具材
具はシンプルで、ネギだけ、あるいはネギとチャーシューだけという店も珍しくない。ネギとチャーシューの他によく見られる具材は、キクラゲ、もやし、紅しょうが、メンマ、海苔などであり店舗によって異なる。博多万能ねぎといった小ネギや、わけぎなどやや太めの青ネギも使用されている。東京だと味付け卵があったりもする。
一説によればネギ、チャーシュー、キクラゲ、海苔では全体の色調が暗く「葬式の鯨幕のようだ」との意見から、色鮮やかな紅ショウガを加えたともいわれる。
店のテーブルには紅生姜・白ごま・辛子高菜などが置かれ、客が好みに合わせてトッピングする。これらは豚骨スープのクセを取り除く作用があるが、同時に豚骨自体の味を弱くするため、ラーメン店の中にはトッピングのサービスをしない所もある。
スープ
ほとんどは豚骨白湯スープであるが、「うま馬」などの清湯から「博多だるま」「八ちゃん」などの濃厚白湯までバリエーションがある。豚骨スープのとろみはゼラチン質によるもの。
店舗によっては豚骨特有の強烈な匂い(臭み)が店内や店舗周辺に漂っている場合がある。この匂いについては、この匂いこそが豚骨ラーメンの醍醐味であるとの意見もあれば、逆に匂いに耐えられないなど、豚骨臭に対する好き嫌いの差はかなり激しい。この匂いの為に豚骨ラーメン全体に対して抵抗感を持ってしまう者も女性を中心に少なくない。匂いを抑えるために、豚骨の血抜きを丁寧に行うなど臭いを抑えるための下処理をしたり(ただし、本来は匂わないように下処理するのが当然で、元々の博多ラーメンは臭くないと主張する人達もいる)、ショウガ等のスパイスを加えたり、鶏ガラとのミックススープにしている店舗もある。こうした豚骨臭を押さえたラーメンのことを「ライト豚骨」と呼ぶこともある(もっとも、前述の、本来の博多ラーメンは臭くないと主張する人達は、この呼称に否定的である)。
わかりやすく大まかに言うならば、匂いがキツイがそれも含めて濃厚なのが筑豊ラーメン(久留米ラーメン)、一般的なのが博多ラーメンと思えばわかりやすい。
替え玉
安い値段で麺のみを追加注文する替え玉というシステムが多くの店で採用されている。ただしすべての博多ラーメンの店に替え玉のシステムがある訳ではない。発祥は「元祖長浜屋」で1955年頃から始まった。替え玉の「玉」は麺のことを指し、「うどん玉」「ちゃんぽん玉」のように当地では麺をこのように表現をすることが多い。また、替え玉をすると、スープが薄くなるので、白醤油ベースの濃いスープの素を入れて味が薄くならないようにできる店もある。 替え玉と同じように、チャーシューの追加注文ができる替え肉というメニューを扱う店もある。