概要
現在も下僕という単語が残っているように、元は「しもべ」という意味の単語であったが、少年の一人称として推奨される中で児童文学等を通じて穏やかで優しめなイメージが広く普及していった。
成人後もそのような性格の男性を中心に使用を続ける例も見られるが、あくまで幼児語として広まった単語であるため公的な場所には相応しくないとされる。また、女性が用いる事は性的倒錯の一種であるとして、年代や場所を問わず否定されるべきとされる。
1960年代後半からは、少年漫画の主人公を中心に少年像が「優等生」から「ヤンチャ」「悪ガキ」に代わっていった事に伴い、一人称も「僕」より野性味のある「俺」が卓越するようになっている。
そうした気質を持たない少年達にとっては、ともすれば「反抗期」と見做されかねないそのような一人称を受け入れるかどうかが、新たな思春期の葛藤として追加される事となった。
インターネットが発達すると、日本では匿名のアングラ文化として受容した関係上、年少の利用者や優等生、女性を丸ごと門前払いにする風潮が生まれた。そうした印象を抱かせやすい「僕」は男性ですら用いるべきではないとされるようになり、衰退傾向に拍車が掛かっている。
実際、ネットスラングに使われる一人称は大半が「俺」である。