概要
隆慶一郎氏が手がけた時代小説で、『静岡新聞』にて1986年1月4日から1988年11月30日まで連載され、1989年に新潮社から上下巻で刊行された。その後1993年には、上中下の全3巻で文庫化されている。
更に1994年には、『週刊少年ジャンプ』において同タイトルで原哲夫氏の手によって漫画化され、約1年連載された。
その後、アレンジを加えて主人公を島左近に変更した上で、『SAKON-戦国風雲録-』のタイトルで、1997年から『月刊少年ジャンプ』にて、2000年まで連載された。
あらすじ
天下人豊臣秀吉亡き後、国の安定が再び乱れを見せ始めめ、豊臣家に替わり国を治めるべく動き出した徳川家康と、豊臣家を守るために立ち上がった石田三成が争った関ヶ原の戦いが始まろうとしていた。
しかし、実はこの時、西軍の多くが徳川に寝返っていること見抜いていた三成の軍師島左近は、家康の陣営に刺客を放ち、家康を暗殺していた。
だが、そこに居合わせた家康の影武者である世良田二郎三郎が、機転を利かせ家康と入れ替わり、巧みに指揮をとって東軍を勝利に導いた。
戦いが終わった後、家康の死の秘密は一部の者のみに語られ、決して誰にも知られないように隠されることとなり、二郎三郎は徳川家康として生きていくこととなった。
しかし、家康の息子である徳川秀忠は、二郎三郎から地位を奪って亡き者にしようと企んでいた。
登場人物
世良田二郎三郎(せらだ じろうざぶろう)
本作の主人公。
徳川家康の影武者で、家康とは瓜二つと言われるほどにそっくりな容姿である。
元々は「道々の者」と呼ばれる諸国を流浪していた傭兵であり、火縄銃を片手に多くの戦場を転戦していた。
自身を亡き者にしようとする秀忠の企みを止めるべく、島左近と手を組もうと持ちかける。
島左近(しま さこん)
本作のもう一人の主人公。
石田三成の筆頭家老であり、「三成に過ぎたるもの」と詠われた名軍師。
関ヶ原で戦死したかに思われていたが、重傷を負いながらも生き延び、二郎三郎と密約した三成の遺言に従って、二郎三郎と手を結び、共に秀忠の陰謀と戦っていく。