概要
『Aritificially Intelligent Data Anomaly』の略称。
直訳すると「不自然の異常な知的データ」で、当初は「The World」内に存在するAIの暴走によって生まれたと考えられていたために、システム管理者である八咫がこのような名称をつけた。
本来The Worldにはシステム上存在しないイリーガルなバグで、その存在はCC社によって隠蔽されている(しかし、少なからずその存在に漠然とながら気付いている一般プレイヤーもいる模様)。
イリーガルな存在であることに加え、通常のPCでは太刀打ちできず、これを駆逐できるのは現状碑文使いだけである。
その姿はただの黒い斑点が空間に泡が立つような音と共に浮かんでいるように見えるだけだがこれは本体ではない。
AIDAの本体は「The World」の外側に存在する異空間に潜んでおり、PCに襲い掛かる際は、この黒泡の穴を媒介にして現実世界の生物のような姿で現界してくる。
碑文使いによる憑神戦では逆に「The World」からAIDAの潜む”向こう側”の異空間に乗り込む形で戦闘となる。
本編での戦闘はハセヲがスケィスに変身して異空間の中で行うが、どの個体もただHPを0にするだけでは倒せず、トドメにデータドレインを行わないと完全に駆逐はできない。
AIDA自身は知的欲求の本能で動いている原始的な生命体であり、人間に対して害意があるわけではない。(上記の”襲い掛かる”というのも語弊があり、彼らは単純に人の思考を知りたいがために寄生しようとするだけ。)
だが、彼らの能力の総合的なスペックは八相に匹敵する上に際限なく増殖、成長していくため、彼らが純粋に”知りたい”が為に起こしている事象はやがて、ネットワークを通じて人類を脅かし始める―――。
ネットワークにおける全能的な能力を兼ね備えながらも、その行動原理は無垢な子供同然のもの。
”異邦の神”AIDAはそのような存在である。
感染者
AIDAは”人を知る”ためにプレイヤーの操作するPCに取り憑いて、寄生する。寄生されたPCとプレイヤーは異常な言動、行動を繰り返し他のPCにAIDAを広めてゆく。その様子からAIDA感染者と呼ばれている。
感染者PCの共通点として、感情が高ぶるとPCの周囲に黒泡が出現し、さらに症状が進むとPCの一部が黒色状に覆われ、その上から血管のような物が走るというグロテスクな見た目に変化する。
AIDAに寄生され、取り憑かれたプレイヤーは一時的にAIDAを用いたシステムを超越した力を手に入れるが、感情が異常なまでに増幅されて意識がコントロールできなくなり、最悪の場合はプレイヤー自身が命の危機に瀕する事もある。その症状はまさに麻薬中毒者のそれである。
(漫画版でもボルドーが”ヤクでもキメたような快感”であると発言している。)
現実でもAIDAに寄生された人間の脳には腫瘍のようなものが生成され、薬物中毒者のように衝動的に飛び降り自殺をしたり、傷害事件を引き起こす。
そのためAIDA感染による間接的な死傷者の実態は計り知れず、本編のニュースでは原因不明の事件として扱われている。
そしてAIDA感染者にPKされたプレイヤーは未帰還者にされてしまう。
これはPKされたプレイヤーの脳の電気信号にAIDAが寄生することにより、脳内の情報伝達が阻害されることで引き起こされる現象である。そして、元凶のAIDAを駆逐しない限り回復手段は、無い。
模倣能力
AIDAはネットワークや感染者から得た情報を学ぶために、模倣して再現する習性を持つ。
当初は生物や物体を真似る程度に留まっていた能力であったが、イニスの碑文を得たことで爆発的な成長を遂げ、下記の「The world」のサーバーそのものや、感染者の心的情景を完全にコピーすることが可能になるほどに進化する。
AIDAは人間の強い情念(トラウマを含む)に惹かれ、それを知ろうと再現を試みる。得てしてそれは感染者の心に更なる傷を与え、抉ることが多い。
AIDAサーバー
Vol.2ではThe Worldを模した擬似サーバー、通称AIDAサーバーを作り出しており、ここに閉じ込められたプレイヤーは精神がPCと一体化してしまう。
この状態だとコントローラーを使わずにPCを操作するという、言葉の通りゲームの中に自分が入り込むという体験をする事になるが、戦闘不能等でPCをロストすると未帰還者になってしまうという危険な状態に置かれる。さらにその影響で感情が剥き出しになるために普段ではやらないような野蛮な行為を行い、犠牲者は更に増す。
しかしAIDAが作り出したサーバーであるが故に、その元凶たるAIDAを駆逐できれば一時的に未帰還者になった者達は全員回復する。
ちなみにこの模倣サーバー内部では現実世界との時の流れが異なり、サーバー内で体験した数日分もの時間は現実世界では数分の出来事でしかない。
上記の能力はストーリーを追うごとに力を増してゆき、「The world」と世界のネットワークシステムは徐々にAIDAに浸食されてゆく。
これにより世界規模のシステムトラブルが発生するようになり、交通事故の多発や武装ロボットの暴走、果ては国際宇宙ステーション「ヴィレッジ」(実はアトリのプレイヤーの父親、日下義男が搭乗している)が墜落する危険事態にまで発展する。
AIDAの種類
Anna(アナ)
微生物のような見た目で、AIDAの最も基礎的な形態。
Gatekeeper(ゲートキーパー)
Annaの強化版で、見た目も前者と酷似している。
AIDAサーバーの守護者。
Oswald(オズワルド)
クモの姿をした形態。
ボルドーに感染していたAIDAがこの姿になってハセヲ達に襲いかかった。
Glunwald(グルンワルド)
Oswaldの強化版。前者よりも体色が赤い。
ヘテロ三人衆に榊が無理矢理感染させたAIDAの正体。
Helen(ヘレン)
魚のような姿をした形態。
アトリの碑文イニスを奪い、その能力で様々な被害をもたらした。
Victrian(ヴィクトーリアン)
カラスのような姿をした形態。
榊が自ら感染させたAIDA。他の形態とは違い、碑文使いのように榊が操っている。
AIKA(アイカ)
とあるゲームのお嬢様NPCの姿をしている。
.hack//linkに登場する、G.U.の時代を生き延びた無害なAIDAが成長し、人間並みの知能を獲得した個体。宿主の天城彩花と共生しており、言動は幼いが、穏やかで心優しいAIDA。
関連タグ
パラサイト(最初は本能に従い人を襲うが、知性を獲得し共生の道を歩む点が寄生獣のそれによく似ている)
プロジェクトクロスゾーン2(スターグラディエイターのハヤトがブラック・ハヤトになったきっかけがAIDA感染。)
※この先は.hack//G.U.の最も重要なネタバレが存在します |
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「”お前”は―――妹だけでは飽き足らず、俺から何もかも奪っていくのか!!」
Triedge(トライエッジ)
オーヴァンの左腕に寄生している、突然変異体のような形で誕生した異常個体。
元々AIDAは無害な存在であったが、狂気とも言えるほどの異質な性質(知的欲求の方向性が嗜虐に寄っている)をもったTriedgeが誕生したことで全体にその性質が広がってゆく。
そして、オーヴァンの左腕に寄生してアイナを未帰還者にしたのを皮切りに、人類に対して牙を剥き始めるようになってしまった。
つまり全てのAIDAが凶暴化した原因であり、.hack//G.U.のすべての元凶である。
個体としては登場せず、普段は左腕の巨大な拘束具の中に封印されている。
一度はハセヲにデータドレインされるが、それでもオーヴァン自身の『再誕』の碑文に深く寄生していたため、除去することは不可能であった。
これほど危険なAIDAであったが、オーヴァンは強靭な精神力と『再誕』コルベニクの力を実体化させた拘束具により押さえつけ、全てのAIDAを滅ぼすその時まで、妹の仇との共生を可能にしていた。
ちなみにシステムの守護者達はこの個体を含む全てのAIDAを排除するために生み出された存在であり、彼らもまたAIDAを駆逐可能である。
(流石に通常のデータドレインで消滅させることが不可能なTriedgeは駆逐できなかったが。)
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