イニス
わくらんのしんきろう
惑乱の蜃気楼たるイニス
偽りの光景にて見るものを欺き、波を助く
長編叙事詩「黄昏の碑文」に登場する災厄、二体目の"禍々しき波"。『惑乱の蜃気楼』イニス。幻影を自在に操りながら、高速移動を用いて相手の攻撃を無効化。攪乱する能力を持つ。
システム管理者リョースに調査を依頼されたプロテクトエリア「Λ 蘇生する惑乱の裁き」にて待ち受けていた二体目の八相。エリア最深部へとカイトを誘い込み、襲い掛かってくる。
その姿を一言で表すなら壁画。
エリアを高速移動してからの「幻惑の波動」や「絶対冷気」、「鬼火乱舞」、「忘我轟雷」の3種属性の魔法を放って攻撃してくる他、幻影のモンスターを召喚して相手にぶつける「無形人形」なる技を持つ。データドレインは体の目の模様部分から腕輪を浮き出るように展開させて放つ。
常に幻影を生じながらエリアを逃げ回っているので、アプドゥでこちらの移動速度を上昇させると戦いやすい。
魔法耐性を持つので魔法攻撃は一切効かないが、八相中で最も低火力であるため「無形人形」以外でパーティーが全滅することはほとんど無い。攻撃の合間には必ず高速移動を止めるため、この間に全員で物理攻撃を叩き込めば簡単にプロテクトを破壊し、カイトのデータドレインで碑文石化することが出来る。
(強いて言えば強制技が多いため、せっかく破壊したプロテクトを技発動中に修復されてしまう点ぐらい。)
イニスを返り討ちにしたカイト達であったが、撃破と同時にモルガナのウィルスがサーバ内部に拡散。システムトラブルが多発し、管理者であるリョースから責任を追及されてしまうこととなる。
「榊さん榊さん榊さん...榊さんっ!!」
「ぁあああああああああああああああ...ッ!!!」
アトリの憑神。
1つ目の天使に似た人型の姿となっている。シンボルカラーは白で人型の部分の体躯はスケィスの3倍ほどと大きい。幻を生み出す(碑文を奪ったAIDAはイニスの力を利用してPCの幻を生み出していた)ほかに、ネットに満ちる人の想いやAIDAの存在を音や声として感じる能力を持つ。
月の樹ギルド本部にて榊に、AIDA感染させられた上でトラウマを刺激され、感情が爆発したアトリが暴走しながらも開眼する。
両手の先の球体を剣のような形状に変化させることができる。戦闘スタイルは幻影を生じさせるカウンター「反逆の陽炎」での待ち伏せや、翼のように剣を使って高速移動からの突進攻撃である「惑乱の飛翔」といった変則的な攻撃が主体。
カウンター時の狂気的な台詞はなかなかにトラウマもの。また、一つ一つの技が高いダメージを持つため前作の弱さが嘘のように強い。
だが、ストーリーの展開的に絶対負けてはならない。
「お願い……。私に力を……みんなを守る力を……私はここですっ!イニスッ!!」
ハセヲによりAIDAを除去され、叱咤された彼女は自分の弱さを克服し始める。そして再びイニスを発動した際には皆を守るための力として具現化できるようになっていた。
小説版の.hack//G.U.ではイニスのモルガナ・システムとしての役割についても言及。
人間の五感の一つである「聴覚」を"高次の感覚"で認識しながら究極AIの成長へ還元するシステムであったことが語られており、G.U.本編に於けるアトリの聴覚発達はこれに起因していたと考えられる。