榊(.hack//G.U.)
さかき
「……なるほど。死臭の漂うようなキャラだな。『死の恐怖』、PKKのハセヲ君」
ネットゲーム『The World』内部に存在する礼節、秩序と調和を重んじる巨頭ギルド『月の樹』の二番隊隊長。非常に切れ者で弁も立ち、また「The World」内の秩序を乱すものを見過ごせない正義感の強い性格でもある。「The World」のPKも同様の存在として断じているが、PK相手でも力だけでなく言葉で懐柔することも得意であり、かつて「赤鉄の鬼人」と恐れられた松も彼に惚れ込み部下の一人となっている。
実質彼がギルド内の処務全般を行っており、ギルドマスターである欅は唯のお飾りと揶揄して彼につくプレイヤーも多く、ギルド内部は二つの派閥で対立している。
PKKであるハセヲに度々接触し、PKKを辞めさせギルドに勧誘しようと試みているが性格の反りが合わず、その度に対立している。
逆に部下であるアトリは優しく話を聞き、導いてくれる彼に心酔しており、ハセヲとアトリの関係を険悪にさせる遠因となったりもしている。
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※この先は『.hack//G.U.』の重大なネタバレが含まれています。
「さあ、全てをさらけ出せ!!」
「お綺麗なPCの下に潜む、矮小なお前自身を見せてみろ!!」
Vol.2中盤、彼はその醜悪な本性を現す。当初は欅をギルドマスターから蹴落とし、自らが巨大ギルドのマスターになることを画策して行動していたが、その中でAIDAの存在を知り、その現実世界をも変え得る力の魅力に取り憑かれていった。
そして彼は”八相の力を取り込ませ、能力を爆発的に増大させたAIDAを全世界ネットワークに拡散させて人々の思考を乗っ取り、争いの無い現実世界を築き上げる”という愚かしくも危険な思想に染まってゆく。
榊は碑文使いPCを持つアトリを駒として利用するために、AIDAで思考を乗っ取った上で彼女の心を踏みにじり、憑神イニスを覚醒させて従順な下僕として操る。
そして、野望の手始めとして自身が属する巨頭ギルド『月の樹』にAIDAをばら撒いてギルドが存在するエリアごとAIDAサーバー化、無数のプレイヤーをエリアに閉じ込め、AIDAに感染させた。その過程でアトリに欅をキルさせている。
アトリを救うべく月の樹本部に乗り込んだハセヲ達であったが、それも彼の計画の一つでありイニスにハセヲの持つ死の恐怖を喰らわせようとする。
しかし、逆に感染させたAIDAを除去されて失敗。想定外の事態にロストグラウンド『ブリューナ・ギデオン』への逃走を図るもシステム管理の手からは逃れることが出来ず、ハセヲ達に追いつかれてしまう。だが……
「私は死なない……!榊は死なない……っ!」
「私は……システムを超越するッ!」
そこで”あの男”から貰ったAIDAを封じ込めたアイテムに自ら感染。一度は手始めに裏切り者のアトリを粛清しようと襲い掛かるも、激戦の末に敗北。感染したAIDAも除去され、最期は崖の下の奈落へと消えていった。
ハセヲ「てめぇがアトリの心を踏みにじったからだ」
※以下、Vol.3のネタバレ注意。
「すばらしい……!」
「これが榊だ!!『The world』の神だぁ!!」
Vol.3序盤、既にAIDAと完全融合した姿で八咫に代わる新たなシステム管理者という衝撃的な再登場を果たす。実は自らがAIDAを意図的に操れることを条件にCC社の上層部を脅し、八咫をG.U.の指導者から引きずり落としたのだ。
そして、システム管理者というまさに「The world」の神のような存在になった彼は暴走を加速させ、終には新世界の神になることを欲した。
”あの男”の目的の前では、彼自身も一つの駒であるとは露とも知らずに。
- リアル
本名は『鵜池トオル』で、年齢はなんとまだ10歳の少年である(あの朔望よりも一つ歳下)。
リアルでの榊の担当声優は皆川純子。
裕福な家庭に生まれ、これまで不自由なく暮らしてきた小学生。学校の成績も優秀、友達も多く非の打ちどころの無い少年であった。しかし、彼は精神年齢が高すぎたせいか、同世代の子供達との会話では物足りなく感じるようになる。そんな時に始めた「The world」で彼は自分の年齢とは関係なく対等に扱われることに驚いた。
そして彼は自分を正しく評価して欲しい一心でゲームにのめり込んでいき、次第に「月の樹」の二番隊隊長という甘美な肩書に囚われて、変貌してゆく。
最終的には「The world」の真の守護者達にPCを顔面から叩き斬られ、殺された後にネットゲームおよびネットに関する記憶を全て削除される。
そして鵜池トオルという、ごく普通の小学生に戻ったのだった。
- G.U.+(漫画版)
「私は(アトリに)メールなどしてないぞ?」
専門誌で連載されたコミカライズ版及びOVA版『TRILOGY』ではゲーム版のような野心や愚行には走らず、終始潔白な味方側の一般PCとして登場している。また、序盤でもハセヲに勧誘を突っぱねられた際には冷や汗を流していた。
後に月刊コンプティークに掲載誌を移行した第二部でも健在が仄めかされており、難解な業務を担当しているようだが……?
- G.U.小説版
設定が成人男性に変わっており、売れない三流役者として登場している。
幼稚な承認欲求を満たしていたゲーム版とは異なり、こちらでは望んだ役割を演じることが、望むまま評価されることに愉悦を感じていた節があり、人の顔色を意識していたアトリの心の傷に、徐々に引きずられていったという描写がされている。