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仏教心理学の編集履歴

2016-01-04 19:29:03 バージョン

仏教心理学

ぶっきょうしんりがく

仏教心理学とは、仏教の教義や心の捉え方を活用させた学問・心理療法のこと。

概要

仏教における教義や心の捉え方を、現代における人々の生活や心の平安に役立てるために、それらを活用した学問心理療法のこと。

古来から存在してきた教えながら、それは現代にも通じるものばかりであり、近年は多くの研究者にも注目されてきている。


詳細

心理学とはそもそも、「心とは何か」を取り扱う学問である。


現在では、西洋におけるオーストリア学者であるジークムント・フロイトが提唱した精神分析や、アメリカで発展した神経科学の考え方を取り入れた心理学など、ヨーロッパアメリカにおける『西洋心理学』が主流である。


しかし、東洋を発祥とする仏教は、それとは違った独自の観点から発展を遂げた、『東洋心理学』と呼ぶことが出来るほど、精緻の理論化されたものであり、現在でも世界中の様々な分野において、仏教が説き開いた心理学的な知見は、大きな影響を与えている。


日本精神科評論家でもあり、相愛大学客員教授でもある名越康文氏は、自身の著書でも仏教を非常に優れた心理学として、より良い参考として取り上げており、2015年に出版した著書『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』(PHP新書)では、自身と仏教の出会いの経緯なども兼ねて、本格的に仏教について語っている。


思想

無常

仏教用語の1つで、仏教の根本的な思想であり、この世の真理の1つとされる無常諸行無常)』は、この世のありとあらゆる存在・物事は全て、姿も本質も常に変わり続けていると説かれている。


これは別の言い方をすれば、この世界に起きることは、全てが「新しいこと」であり(常に変化してるから)、「全く同じもの(こと)」「永遠に変わらないもの(こと)」はこの世には無い(起こらない)ということであり、現代の物理学にも通ずる考え方である。


仏教では、この『無常』の思想から、どんな感情もどんな人間関係も、「変わり続ける流れの中の一局面」に過ぎないものであり、「今」がどれだけ不幸であっても絶望する必要など無いという捉え方がされている。


修行)』思想は、人として世の中をどう生きていけば良いのかを、「こうすれば良い」という具体的な方法論で示しており、他の宗教には見られない独特の考え方である。


その修行とは、決して難しいものではなく、一般人でも普段の生活の中で実践出来るものであり、代表的なものとしては「姿勢を整えて呼吸をする」という行がある。

自分なりに姿勢を整えたら、静かに目を瞑り、息を「フーッ」と10秒かけて吐ききる。・・・これでおしまい。


これは行に取り組む上で基本中の基本と言えるほどの大切な要素であり、姿勢がどれだけ安定しているかは、がどれだけ安定しているかとシンクロしている。


これだけではなく、普段から何気なく行っていることも修行になり得ることであり、掃除などもその1つで、今現在に掃除している箇所に集中してひたすらに掃除をし、「次にどこを掃除するか」などは考えないようにする。

それだけでも行になるとされる。


それでいて、過酷なことであれ、簡単なことであれ、「毎日欠かさず続ける」ことが、修行で最も大切なことであるとされ、三日坊主ということわざは、そうした修行が続かないことの例えから生まれたものである。


仏教において、「いつかは必ず死ぬ」という宿命を抱えている人間が、「人生をどのように生きていくべきなのか」ということの答えを見出すためには、上述した『無常』のような真理を理解できるようになることが重要であり、そのために行うのが『行』とされる。


しかし、実際に現実をありのままに捉えて生きることができている人は、現代においては特に殆どいない。

そもそも、なぜ人は現実をありのままに捉えて生きることができないのかというと、仏教における答えは「人の心が絶え間なく乱れ続けているから」というものである。


例えると、大きな桶に水を張り、その水面に満月が映っているのを想像してみてほしい。

もしその水面にさざ波ひとつ立っていなければ、空に浮かぶ月はそのままの姿で見える。

しかし、桶の水に少しでもさざ波が立てば、水に映った月は歪んで見えてしまうだろう。


この「桶に張った水」とは「心」の喩えであり、人の心はさざ波の立った桶の水のように絶えず乱れているために、人は殆どの場合現実をありのままに見るということができないのである。

現実をありのままに見るには、さざ波の立った水面である心をスッと静かに落ち着ける必要があり、『行』こそがその方法論に当たるのである。


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