以下の意味が存在。
- 「オオツノヒツジ」のこと。
- かつていすゞ自動車が製造、販売していたSUV「いすゞ・ビッグホーン」。この車種は複数メーカーにOEMされた。本稿で説明。
- いすゞ・ビッグホーンのOEMであるSUV「スバル・ビッグホーン」。本稿で説明。
- ドラゴンクエストⅢのモンスター。同型にマッドオックス、ゴートドン。
- ビーストウォーズⅡ 超生命体トランスフォーマーの登場キャラクター。
概要
この名称はロッキー山脈に生息するオオツノヒツジから採られたものである。昭和56年(1981年)より販売開始、平成15年(2003年)に完全に販売終了。
この車種は日本における乗用車のコンポーネントを流用したSUVの草分けであったが、その意図は国内マーケットには理解されないまま販売が伸び悩んだ。
またフロントマスクがあまりにもレンジローバーの意匠と似ていたため、イギリス車礼讃の評論家に「プアマンス・ローバー」といわれてしまい、イメージが低下してしまった。
この車両の登場の後にトヨタ・ハイラックスサーフと三菱・パジェロの躍進によりSUVブームが起こるが、この車種は知名度の差により常に2車の陰に隠れる状況であった。
車種
初代
初代機は当初貨物車両として登録され、後に乗用車登録のものが登場した。UBS52系は、乗用車をベースとしたため容量不足のフロントサスペンションと、ドライブトレインに起因する耐久性の低さが大きな問題であった。またエンジンも117クーペ(いすゞ自動車が1981年まで製造していたクーペ)の流用であったため非力であった。これは1984年のマイナーチェンジでもターボを積んだりしたが基本放置された。
そこで昭和62年(1987年)にサスペンションの設計変更を行い、エルフ(いすゞ自動車が製造しているトラック)のエンジンとドライブトレーンを流用したUBS55系以降はその弱点を克服した。
この改良した車両がメディアへの露出が増えてくると、運転のしやすさや悪路走破性など素性の良さが認められた。ところが開発費不足から室内の改良までは手が回らず、居住性や利便性への(特に日本での)不評は販売台数が伸びたことで逆に増える結果となった。
1980年代末からSUVを持たないメーカーやGMグループ各社に対して、いすゞのOEM車の主力として活躍したが、初代はスバル(ビッグホーン)が存在する。
ちなみに後部ドアは「7対3の観音開き」という特異なデザインとなっている。
二代目
1991年から登場した二代目はすべて乗用車登録である。また、3ナンバーとなる。またディーゼルエンジンは規制のため別のものに積みかえられた。
5回のマイナーチェンジを行った。
また2代目はアキュラを含む、ホンダ・ホライゾン、GMはシボレー・トゥルーパー、オペルとボクスホール(GMのイギリス現地法人)へはモントレー、ホールデンではジャッカルーの名で販売された。
平成5年(1993年)の乗用車事業撤退後もこの車種は残され、主力車種となるが、平成14年(2002年)の事業集約によるSUV事業撤退に伴い、日本国内向けの製造は終了となった。その後はいすゞやGM系海外メーカー向け等の輸出専用車としては製造されていたが、平成15年(2003)にこちらも製造終了となった。
スバル ビッグホーン
昭和63年(1988年)、新しいライトバンの開発費に事欠いたいすゞは富士重工とOEM契約を締結、レオーネエステートバンをいすゞ ジェミネットIIとして発売した。
それに対して、いすゞ側からは金銭ではなく自社の車両の交換でスバルのディーラーでのOEM販売が行われることになり、こちらもスバルが持っていなかったヘビーデューティーSUVである本車が選ばれ、スバル ビッグホーンとして発売された。
外装の差異はボンネットおよびテールゲートの「ISUZU」が「SUBARU」になっている程度であるが、通常スバル車につけられる六連星マークはつけられなかった。
最初に発売されたのは初代の末期で、ほとんどすべてのグレードを選ぶことができたが、スバルのユーザー層(いわば狂信者)はレオーネ(のワゴン)の高い走破性能に絶大な信頼を持っており、あえて完全SUVがほしい、という層はほとんどいなかった(まあいすゞを含まず富士重工を含む他社と検討の結果購入、というパターンぐらいだろう)。
いすゞの車種と同時にフルモデルチェンジ。ただし前の車種があまり売れなかったためかどうかは不明であるが、取り扱いはロングボディ・AT・ディーゼルのハンドリング・バイ・ロータスのみとした。
なおこの車種は1993年、ジェミネットIIおよびアスカCXとの交換OEM契約の満了により販売終了となったが、SUV系列の車両も製造を中止したため、一時期このメーカーその種の車両は消えていた。
関連車両
この車種はいすゞの乗用車や商用車のエンジン等のコンポーネントやプラットフォームを共有する車両が存在する。これは製造元に新規エンジンや車体の開発の余力がないため、流用したためと推測される。
またこの車種のサブネームが別の車名に昇格するものも多く、派生車種や関連車種がやや判り辛い流れとなっている。なお、この項目は省略する。