曖昧さ回避
- 根性、気力などを表す言葉。「くっ！ガッツが足りない！」
- 三浦建太郎のコミック作品「ベルセルク」の主人公ガッツのこと。pixiv内では主にこちらの意味で使われており、本項ではこれについて説明する。
- ゲームドカポンシリーズに登場するNPCの鍛冶屋。新しい装備を作ってくれたり、武器や盾を鍛えてくれる。特に「ドカポン・ザ・ワールド」では料金が足りない時でも、文句は言うものの有り金で、借金の時は無料で引き受けてくれるほか、一定の条件を満たすとある特殊職業への転職を引き受けてくれる、お金が全てのドカポン世界らしからぬ『良い人』。
- 元プロボクサー、ガッツ石松。ガッツポーズのオリジネーター。
- プロ野球選手、小笠原道大の愛称。
人物像
右前髪に若干の白髪が混じる黒髪。黒目。首筋には「生贄の烙印」が刻まれている。
失われた左腕には大砲・磁石など様々なギミックが仕込まれた鋼鉄の義手が装備されている。扱う主武器は身の丈を越す巨剣、通称「ドラゴン殺し」。
主に黒基調の甲冑を纏い、使徒達からは「黒い剣士」として知られている。以前は鍛冶屋ゴドーの仕立てた上質の甲冑を身につけていたが、現在は狂戦士の甲冑を装備している。
補助武器として投げナイフ・連射ボウガン・炸裂弾などを使う。
状況によって武器や戦法を使い分け、パワーファイトのみならぬ多彩な戦い振りを見せる凄腕の持ち主である。その身のこなしも、堂々たる体躯とドラゴン殺しを振り回す姿からは想像しがたいほど俊敏で、臨機応変な戦術と合わさって、数の不利を撥ね退け敵陣を翻弄する。
ただし肉体は常人のそれに毛が生えた程度であり、苛烈な戦闘の連続となるとさすがに疲労の色を見せる。それでも遥かに頑健だが、その大部分は精神力で補っており、これがガッツ最大の武器と言える。
言ってみれば「肉体のスペックを鋼の精神力で無理矢理底上げしている」ようなもので、物語が進むにつれて精神面の摩耗が肉体の支障としてそのまま表れていくようになる。
一方、死人となった母親から生まれ、後述する「烙印」を押されたたため、現世よりも「自身の心理や精神が現実に反映される」という幽界(かくりよ)側の人間であると推察されており、これがガッツが常識外れの戦闘力の秘密とも目されている。
かつては盟友・グリフィスの元、鷹の団の切り込み隊長として名を馳せていたが、『蝕』においてグリフィスがゴッド・ハンドになる為の生贄として捧げられる。
左腕と右眼を失い、悪霊や妖魔に命を狙われ続けながらも、ゴッド・ハンドと使徒への復讐の為に各地を放浪している。その闘いは壮絶にして苛烈。最近では狂戦士の甲冑の連続使用の反動で、前髪の一部が白髪化・味覚障害・感覚障害・視野狭窄まで患ってしまっている。
首筋に刻まれた刻印は、暗闇や夜になると“闇の眷属”を引き寄せてガッツが息絶えるときまで襲ってくる呪いとなっている。そのため彼にとって、まともに睡眠は大変に貴重な瞬間でもある。
もっとも、まともな眠りにありつけたとして『蝕』のトラウマから悪夢にうなされ、ひと心地着くことさえ許されない場合も多いが……。
戦いの日々の中、思い人・キャスカを「守る」事と、グリフィスに「挑む」事を己の魂に問い続ける。
『蝕』の直後はかなり荒んでおり、自分の戦いに誰が巻き込まれようと関知せず、使徒をサディステックなまでに切り刻む事もあった。だが押しかけ相棒のエルフのパックを始め、旅の仲間達を得てからは少しずつ変化が現れてきている。
ちなみに、その精悍な面構え、恵まれた筋肉質の体躯、全身を覆う激戦の痕に苛烈極まりない生き様からは到底想像もつかないが、彼は今どう多く見積もってもまだ20代前半である。
鷹の団入団が15歳。鷹の団切り込み隊長として活躍していたのは18～19歳。『蝕』がその1年後。現在連載中の黒い剣士編再開後はその2年後（2011年9月現在）。
そんなこともあって「日本漫画作品で最もハードな人生を送る主人公」の一人に名を連ねている。
経歴
正確な出身地は不明。
母親はガッツを胎内に宿したまま死んでそのまま木に吊るされた。そのまま重力に従い胎内からひり出されて生まれ落ち、ガッツはこの世に生を受けた。
そしてその場を通りかかった傭兵・ガンビーノに拾われ、傭兵として生き抜く術を叩き込まれる。
だが養父からの愛情はなく、ある時からガンビーノが自身を銀貨5枚で男娼として売春を働かせるようになる。そして11歳になってガンビーノ自身からも襲われるが、抵抗したはずみでガンビーノを刺殺してしまい、元いた傭兵団を脱走。
その後、独り身の傭兵として戦地を転戦し、宛ての無いその日暮らしが続く。この時期に自身の体格に合うような剣がなかったことから、「だんびら」のような大振りな剣を扱うことが自然と身についていく。
放浪生活から4年経った頃、グリフィスと運命の出会いを果たす。
その後、グリフィスと友情を結び、「鷹の団」でも指折りの戦士として成長。切り込み隊長に任命され、団内最強の剣士として数々の武勲を打ち立てていき、いつしか「百人斬りのガッツ」の異名で知られるようになる。ガッツ自身も、鷹の団とその仲間たちを“自らの居場所”として大切に思うようになる。
だが3年経った頃からグリフィスの理想に埋もれている現状に疑問を持ち、またキャスカとも次第に惹かれ合っていく。そして「グリフィスと対等でありたい」という結論から、グリフィスを決闘で下して鷹の団から離脱。鍛冶屋のゴドーの下に寄宿し、剣の腕を磨く遊行と修行の日々を送る。
その1年後、鷹の団が謀反の疑いで追われていると聞き、助太刀に入る。そして団長代理を務めるキャスカと再会し、互いの想いを再確認し、結ばれる。だが直後のグリフィス救出にて、グリフィスが『蝕』を引き起こし、髑髏の騎士に救われた自身とキャスカを残して団は壊滅。右眼と左腕を失い、首筋に烙印を刻まれて魔に追われる呪われた身の上となる。さらに使徒に転生したグリフィスに凌辱されたキャスカは発狂、ガッツとの子供も魔の存在となって消え去り、キャスカは幼児退行まで引き起こす。
それからゴドーの下にキャスカを預け、使徒殲滅の為に復讐の旅路に赴いていく。形振り構わないそのやり方から多くの悪縁をばら撒いてしまい、法王庁から異端の徒としてお尋ね者にされている。
2年後、妖精・パックとの偶然の出会いをきっかけに、再び彼の強さに魅かれて旅の仲間たちが集うようになり、仲間を魔から守りながらもゴッドハンドへの復讐の念を拭えぬまま、旅を続けている。
声
TVアニメ「剣風伝奇ベルセルク」(1997年-1998年放送)およびゲーム版（1999年・2004年発売）での声は林延年（現・神奈延年）が担当している。
2012年2月公開の映画版では俳優の岩永洋昭（幼少期は井之上潤）が声優を担当している。なお岩永は今作が声優初挑戦。
2016年アニメ版でも岩永氏が続投している。
