M92F
えむないんてぃーつーえふ
開発経緯
・反動が大きい
・装弾数が少ない
・古いから新しいの欲しい
などの不満を抱いた。
開発当時はジュールが大きくて初速が速いほど対人殺傷能力も高いと思われていたからである。
また.45ACPによる反動は未熟な射手には負担が大きく、反動のより小さいNATO弾である9mmパラベラム弾を使用した拳銃が望まれ、XM9パーソナルディフェンスピストルトライアルが行われた。
それに対し、イタリアのピエトロベレッタ社が提案した拳銃がM92である。
S&W M559、SIG P226やグロック17(トライアルへの参加は辞退している)等との競合に打ち勝ってM9として正式採用を勝ち取った。
しかし海兵隊の一部の部隊は今もM1911の改良型を使用し、特殊部隊でもP226を使うなど、どうやらあまり好かれてはいないようだ。
最近米海兵隊の要請でアンダーマウントとしてピティカニーレールを付ける等の改良のされたM9A1が採用・使用されている。
初期納入分のM9の老朽化に伴い行われた米陸軍の次期制式ピストルトライアルMHS(モジュラー・ハンドガン・システム)にはグリップパネルの交換によるグリップサイズの変更、サウンドサプレッサー取付用ネジの付いたバレルを標準搭載、装弾数17発のマガジンへと変更、セラコートによるサンドカラー塗装等を行ったM9A3を提出した。
(正式なものではないがアメリカ陸軍構成制御委員会(Configuration Control Board)によるとM9A3は評価対象外となる見通し)
仮にMHSに採用されなくとも2012年9月に結んだM9の納入契約の一部をM9より安価でM9A3を納入する予定。
強装弾の使用・製造時の不具合により強度不足のスライドが破断、脱落する事故が起きたため、破断時に後方へ飛び出さないようになった92FS、試作のみで終わった強化スライドモデルのドルフィン、スライドを強化し強装弾にも対応したブリガディア等がある。
ちなみに強化スライドであるブリガディアだが、スライドだけ強化してもロッキングラグが先に壊れてしまうと言う問題があり、売り上げへの影響も大きくはなかったのか2006年に製造終了している。
運用
アメリカ軍の正式採用、イタリアの老舗ベレッタ社という事もありその人気は高い。
各国の警察機関や軍で採用されており、ライセンス製造されたモデルもある。
近年のレイル化も取り入れており、各種アタッチメントを必要に応じて搭載できるものもある。
更に前後アイアンサイトの交換も可能となったモデルもあり、必要に応じて高さの違うものに変える、引っ掛かりの少ないノバックサイト等に変える、トリチウムチューブや集光ファイバー等でドットが発光するものに交換する等が出来るようになった。
スライドが大きく肉抜きされた特徴的、かつ美しい曲線美から画面にも映え、バイオハザードシリーズやブラックラグーンなど、様々な作品で初期装備・メインキャラのヴィジュアルとして登場する。
中には麻酔銃として運用されているものもある。
性能
口径 | 9mm |
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使用弾薬 | 9mmパラベラム(9mmx19) |
装弾数 | 15+1 |
全長 | 217mm |
重量 | 975g |
有効射程 | 約50m |
高初速で小口径である9mmパラベラムを用い、低反動・多弾数化を実現している。
また、大きく肉抜きされバレルがむき出しになっている独特の設計は、後退するスライドの重量を落として反動をより小さくする事に貢献している。
最近でもあまり見られない内部のパーツをいじるだけで左射手にも対応できるという設計がなされており、エアガンなどでもこのようにできるモデルが存在するほど。
.45ACPに対し単純な貫通力とスピードに勝り、弾丸そのものが安価でもあるため個人での所持も人気である。しかし、実際は使用する弾薬は射手の好みによるところが大きいのであしからず。
最近はポリマーフレームのグロックシリーズや古参兵のM1911に押し負けている気がするが誰も気にしない。
上記の通り、アメリカ軍の一部ではM92FではなくM1911A1を未だに使用している部隊もあり、最近では再び.45ACP弾を使用する拳銃を採用するという動きが出ている。
Mk23が作られ、M9の後継拳銃のトライアルも行われている。
が、HK.45、グロック21 ベレッタPx4(.45ACPモデル)等が参加するもトライアルは白紙化となっている。