日本においては、天皇や征夷大将軍、大名や公家などの身分の高い者の娘を「姫」と呼んでいた。ちなみに、中国や朝鮮では皇帝や国王の娘を「公主(こうしゅ)」と呼んでおり、日本でいう「お姫様」にあたる言葉となっている。
一般的な「お姫様」のイメージ
現代日本での一般的な「お姫様」のイメージは王冠(またはティアラ)にきらびやかなドレスを纏った西洋風の若いお姫様であろう。華々しい、育ちのいいイメージから、女児に愛されているモチーフである。
西洋風のお姫様を始め、日本風の長い黒髪で十二単のお姫様、人魚姫、アラビアンスタイルのお姫様も人気が高い。ファンタジーには、レオタードやミニスカートを着用した変則的なお姫様も数多く登場する。
外を出歩く時は、男装する、外套を羽織る、馬車に乗る、平民(村娘や町娘)に化ける、というイメージが一般的であるが、フィクション(特にギャルゲー)には、ドレス姿のまま武器を振り回すお姫様、頭に王冠を載せたまま、スポーツをするお姫様もいたりする。
慣用句としてのお姫様
- 可愛らしい装いの娘が「お姫様みたい」と形容される。
- 多くの人(特にイケメン)に愛され、大切にされる娘が「お姫様」と形容される。
- フィクションで、少数民族の長の娘が「お姫様的存在」と呼ばれていることがある。
- 世間知らずな娘が皮肉を込めて「お姫様」と形容される。類似語→お嬢様、悲劇のヒロイン
Pixiv上のイラストにおいても若くて綺麗なお姫様がほとんどである。
だが、最近は軍服・甲冑を纏った戦うお姫様、城を飛び出すお姫様、英才教育を受けているお姫様、側近の騎士を飼いならしているお姫様、不美人が悩みのお姫様もいるなど、お姫様のステレオタイプにも様々な変化が見られる。
いずれにせよ、育ちが良く礼儀正しい、髪や服に手が込んでいる(柔らかい髪、絹やレースを使ったドレスを着ているなど)などが特徴にあげられる。
日本においては「姫」は本来年齢を問わない呼び方であり、高齢の女性に対しても「姫」と呼んでいたが、現代ではもっぱら若い女性や幼い女の子や、可愛らしい様子のものに対して用いられる(高齢の華やかな女性は女王、女帝 、王妃、年齢を問わない女性はヒロイン、少女趣味を参照)。