解説
アマちゃんが現代社会における核兵器的な「切り札」として作り上げたモーターヘッド(MH)。
名前は「L.E.D.ミラージュ」と表記されることもあり、最強クラスのMH群であるミラージュシリーズを先導(Lead)する機体、あるいは全てのMHの中で「常に先を行く者」であることを表している。
そういうわけで機体の色はレッドではなく白、というか透明である。
この機体、フツーにフツーのMHとして運用してもそのスペックはズバ抜けている。
極限まで小型・高性能化されたスーパー・イレーザーエンジンを両足のふくらはぎに一基ずつ搭載しており、それらを合わせた出力は通常時3京馬力、最大出力時は∞という、知能指数が下がりそうなレベルの圧倒的ハイパワーを持つ。(一般的なMHの出力は約2兆馬力)
主武装はMHの標準武装である太刀(実体剣とレーザーソードの選択式)と、最大150mの炎を噴射する巨大火炎放射器「インフェルノ・ナパーム」(旧名称フレイム・ランチャー)。
このインフェルノ・ナパームは霊魂や神など、実体のない物でも簡単に焼き尽くし消滅させるというチート武器で、単に汚物を消毒するだけでなく、噴射したまま巨大な炎の剣として振り回すことも可能である。
また頭部の角(カウンターウエイト)にも一応レーザーカッターが装備されているが、MHは構造上転倒したら壊れるようにできているためあくまで最終手段としてしか使用されない。
他、レーザー兵器を中心としたオプション兵装が多数用意されている。
こんなめちゃくちゃな高性能機でありながら、こいつはミラージュ騎士団の主力量産機である。少なくとも39号騎までは生産されたことが確認されており、その総数は不明(一時期は総数41騎という設定があったがなんやかんやで破棄された)。あげく、「RAID-GIGシステム」という、複数の機体でファティマの情報を共有し合うことで乱戦の中でも一糸乱れずに動くことができるという集団戦前提のシステムが組み込まれている。ただでさえ一騎当千なのにその真価は集団戦で発揮されるのである。
しかし、その圧倒的大火力すらもまだまだレッド・ミラージュの力の片鱗でしかない。
この機体の真の恐ろしさは、機体そのものが破壊と殺戮の本能を有しているということである。
本来MHという兵器は、MHに対応した改造人間である騎士と、生体コンピューターたるファティマの組み合わせから成り立っている。
だがこの機体に限っては、メインパイロットである騎士はおろか、なんなら制御装置であるファティマですらもこの機体の本能を抑え込むための安全装置にすぎない。レッドの真の力は、機体の制御をレッド自身に任せ、識別信号(血の十字架)を持たぬ者を無差別に攻撃する極悪無慈悲な殺戮マッスィーンにしてしまうことで発揮されるのである。
立ち向かうものは太刀で切り捨て、逃げるものはインフェルノ・ナパームで焼き払う(というより焼かれて消える)。
後に残るのは上司であるK.O.G.と、血の十字架を付けた味方陣営の人間だけであり、それ以外のあらゆる物体を跡形もなく踏みにじり蹴散らし、霊的存在であろうと全能神であろうと消し去る。
一応、主人公陣営の機体で作品の看板的機体ですが何か?
星団全体に向けて正式公開されたのは星団暦3007年だが、これだけムチャクチャな騎体でありながら、この時は星団の人々からはそれほど脅威と思われなかったという。
もちろん、大国の王や天才科学者のような一部の賢明な人達はレッドの本質(というかヤバさ)に一目で気づいて色々と方策を練り始めることになるのだが、大多数の人々は「金持ちの道楽」程度に捉えて一笑に付したといわれている。
というのも星団における『戦争』とは基本的に領土と人民の争奪戦であり、何もかもを灰と焦土に変えてしまうレッドは明らかな過剰兵器でしかなく、あまつさえそれを主力騎として量産・配備するなどという行為はナンセンス極まりなかったためであった。
しかし、星団暦3159年にアマテラスが本騎を従えて星団大侵攻を開始すると、嘲笑の声は一気に阿鼻叫喚の悲鳴へと変わる。
アドラー星はたった15騎だけのレッドによって制覇され、その後もボォス、カラミティ、ジュノーといった星団の主だった星々もレッドによって蹂躙・平定された。
そして、星団史上たった7回のみの出撃でこれだけの戦績を残しながら、その戦う姿を見たという者はほんのごく僅かな例外を除いて殆どいなかった。何故ならば、現場に居合わせた者は全て殺戮の対象とされたからである。
そのあまりにも残虐無比な戦いぶりから、パイロットとなるミラージュ騎士の名誉を保護するため、騎士と搭乗レッドのナンバーを敢えて一致させないものとしている。
連載当初は重戦機エルガイムの最終回に登場する予定だった没機体ブラッドテンプル同様の存在とされ、設定も「アマテラスの尖兵として星団を恐怖に陥れた強力なMH」という基本的な部分以外はまだあまり固まってなかったのか「他よりも強い」程度のMHであった。
しかし、90年代後半の設定拡充の際にインフェルノナパームだの半透明装甲だの、色々な装備や特徴を追加され、あれよあれよと上記のようなぶっ飛んだ存在になってしまった。
その結果、アマちゃん執筆の星団史によるとあらゆるMHはおろか、スペック的に同格とされるヤクト他ミラージュシリーズや、ご主人様であるK.O.G.ですら、レッドに傷をつけられる可能性は完全にゼロであるとのこと。星団歴7777年に至るまで、あらゆるMHはおろか、生命体も神も悪魔も、誰一人レッドには勝てなかったとまで言われている。
アマちゃんが話を盛ってる可能性があるので話半分に聞いておくべきだが。
「立ち向かっただけで、星団史に名を残す」とまで言われる有様で、少しでも勝てる可能性があると考えるのは「地球の漫画の読みすぎ」という注釈までつけられている(第一話のバッシュとの戦闘でいきなりボロボロになってるじゃねえかと言いたくなるところだが、これはパイロットのカーレル・クリサリスが超ド新人の未熟者であったのに対して、バッシュに乗っていたのが戦闘経験値も騎士としての実力も圧倒的に上を行くベテラン黒騎士のグラード・シドミアンだったことによるものということで御容赦してあげよう。実際立ち向かったから星団史に名を残しているのである)。
また数少ない弱点とされるのが「転倒」。転べば自重を支えられず自壊に追い込まれるのである。
これはレッドの弱点というより、マシンメサイアからデチューンされた際のMHの構造的な弱点である。
ミラージュ騎士団の宮廷道化師であるスペクターは、この方法でレッドを「倒し」、大破に追い込んでいる。
…勝手に乗ろうとしてコケさせたというだけだが。
作者公認のチート性能機であり、しかも作者公認のあまりにブッ飛んだ強さ故に、
ついには「モーターヘッド」と呼ばれなくなってしまった。
一時期は「モーターカイザー(MK)」とか「モーターメサイア」なんて呼ばれたこともあったが定着せず、後世ではただ単に「星団最強のロボット」というド直球な呼び名で語られたとのこと。
ツァラトウストラ・アプターブリンガー
2013年4月、マモル・ナガノヘッズに衝撃走る・・・!
長い沈黙を破って連載が再開されたFSSだが、
新しい用語に新デザインになんか色々テンコ盛りで帰ってきたのはいいものの、
なんとMHがGTM(ゴティックメード)と名を変え、衝撃ビフォーアフターしてしまった。
レッドミラージュも当然のごとく、容姿・名称共に変更され、
「ツァラトウストラ・アプターブリンガー」として生まれ変わったのである。
しかしエンジン出力が「推定1000京馬力」となんかわけのわからない値になるだの、
エンジン出力が(想像を絶する規模で)高すぎて放熱が追いつかず自身の装甲が溶けるだの、
マトモな理由があって付けられているパーツが全くないだの、
角をつけて悦に浸ったところファティマが乗れない事が判明したので、
ハッチを急遽別の場所に突貫工事で取り付けただの、
余りに余りすぎたエネルギーを垂れ流しにされてはたまらんということで、
フレームランチャーをつけて解決しただの・・・と、
名称も外見も大きく変わり果てたが、ブッ飛び具合は相変わらずである。
ゲームにて
スーパーファミコン用ソフト『第4次スーパーロボット大戦』において、『重戦機エルガイム』出典の敵メカとして、この機体の前身である没機体、ブラッドテンプルが登場した。
このブラッドテンプルの姿がL.E.D.ミラージュそのものだという指摘もあったが、実際にはカウンターウエイトが存在しないなど細部が異なっている。ぶっちゃけ当時のドット絵だから分からないところも多い。
この機体を巡って何らかの版権問題が起こったとか、永野護を怒らせたため以降エルガイムが参戦できなくなったとかそういう噂が絶えないのだが、いずれも明確なソースはない。
いずれにせよパワーバランスがおかしくなること請け合いであるため、レッドそのものがスパロボに参戦することは未来永劫無いと思われる。