概要
海防戦艦とは、海岸線の護衛を主な任務とする軍艦の一種。いわゆる「戦艦」とはまるで別物で、排水量も軽巡洋艦と重巡洋艦の中間サイズである。つまり、砲艦を大きくしたものと考えた方がいい。
喫水が浅めで、航続距離は短い。これは、大型の戦艦では侵入しにくい海岸域での火力の確保を目的としているため。巡洋艦や戦艦のような遠洋航行は考慮しておらず、低速で、艦隊決戦を行うための船体を持つ必要性は無い。建造費も維持費も安価で、本格的な戦艦を持てない小国が海軍力の中核とした例があった。
主兵装は主砲で、20cmから30.5cmくらいまでのものが多い。沿岸に侵入してくる中型艦を撃滅するのが目的であった。第二次世界大戦で戦艦が主力艦としての地位を退いたのと同じく、海防戦艦も軍艦籍から消滅した。