概要
小説『仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々』に登場する、菊池啓太郎と長田結花の息子にして人間とオルフェノクのハーフ。
母である結花が量産型カイザ軍団に惨殺された際、彼女の遺灰の中から海堂直也によって発見・保護され、以降は彼の子供として菊池クリーニング店の面々に紹介された。(ただし周囲、特に啓太郎にはばれていた)
『5年後…』
原作での出番は上記で終了だが、文庫化によって書き下ろされたエピローグ『5年後…』にてその後の顛末が描かれた。
5年後という設定なため、年齢は5歳なのだが、母がオルフェノクだったためか僅か半年で高校生並みの体格を持つ。知能も向上しており、啓太郎が昔使っていた部屋に閉じこもっているうちに手当たり次第に様々な本を読みふけり、独学で歴史や物理を勉強した。
それでも絵本を読んだり、誰かとゲームをして遊んだり、夜は誰かに抱きしめられて寝ることを好むなど精神年齢は年相応である。
父の啓太郎は仕事の都合でアフリカへ向かい、巧と海堂は消息不明となった為、現在は園田真理と二人で暮らしているが、政府によってオルフェノクの存在が全世界に公表され、世界中で量産型カイザによってオルフェノクが虐殺されている為、人間とオルフェノクのハーフである彼の身に危険が迫る事を恐れた真理によって外出と他者との交流を禁じられていた。
そういった境遇なためか、啓太郎がいない事に「寂しい」と漏らしたり、読書の結果「人類というのは酷く愚かなものである」という感想を持つなどどこか冷めたような一面もある。
そして結花の胎内にいた頃に聞いた母の断末魔の悲鳴を思い出すと同時に、その悲鳴は全身を突き刺す激痛として勇介を蝕んでおり、その悲鳴をかき消すために真理の目を盗んで外に出ては光る人という正体不明の存在に変身し、オルフェノクとカイザの戦いに乱入し、カイザを殺して回っていた。
ある日勇介はスパイダーオルフェノクとして復活した草加雅人と出会い、「オルフェノクとは何なんですか?人間とは何なんですか?」と尋ねる。草加から「人間とは闇。オルフェノクは人間の闇を切り裂く、闇を裂いて光をもたらす」という回答を貰い、「じゃあ僕は?」とさらに尋ねるが、「それはお前が決めることだ」と言われた。
そんな時、エレファントオルフェノクに襲われた真理を助けるため、彼女の前で光る人に変身してしまい、エレファントオルフェノクを倒し始めて人間らしいと思うが、真理は彼の前から逃げ出してしまった。
その翌日にやってきた政府のエージェントの引き渡し要求に応じて真理のもとを去ったが、真理が考えを改め連れ戻すためにやってきたため光る人に変身し、三人のカイザを撃退した。
しかし真理との再会を喜ぶ暇もなく、やってきた草加に真理を連れ攫われてしまい、勇介もまたスパイダーオルフェノクの攻撃で全身を穴だらけにされ瀕死の重傷を負ってしまった。
死の淵に瀕した勇介だが、亡き母である結花の「愛する誰かに対する思い」と「その誰かから与えられる優しい言葉」を思い出し、さらに啓太郎の「勇介のシャツを洗ってあげたい」といった思いを知った事から啓太郎が自分の本当の父であることを初めて知り、二人の愛情を武器にオルフェノクが多数生息する森へ向かい草加と対峙。「オルフェノクではなく人間として生きる」ことを伝えた。
オルフェノクの妨害に逢い上手く真理を救助できずにいたが、そこに駆けつけた乾巧が変身した仮面ライダーファイズによって草加は葬り去られ、真理の救出に成功。
肉体が限界を迎え、灰となった巧からファイズギアを受け取ってファイズへと変身し、オルフェノク達に立ち向かっていった。
光る人
勇介が変身する、人間でもオルフェノクでも、仮面ライダーでもない何者か。
皮膚がイエローダイヤモンドの様に透明・硬質化しており、体が光が灯ったかのように輝いている。また血も光っている。
パワーも強く、カイザを瞬殺できる他、エレファントオルフェノクの攻撃を片手で受け止め、光によって車の一部分を溶解させることもできる。
スパイダーオルフェノクによって全身を穴だらけにされても即死せず、ある程度の時間をかけて回復するなど防御力も高い。