概要
主に咳やくしゃみなどを介して感染し、感染症を引き起こすウイルスの一種。
世界中に分布し、1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%の人が初感染するとされる。しかし、RSウイルスは他のウイルスと違って免疫がほとんどできないため、何度でも感染することがある。
大人や5歳以上の子供では感染しても鼻水や発熱など普通の風邪症状だけで済むことが多いが、3歳未満、特に1歳未満の赤ちゃんに感染すると気管支炎や肺炎など重い合併症を起こすことがある。
症状
発熱、咳、鼻水、くしゃみなど、風邪に似た症状が現れる。多くの場合、2~3日で自然に治る。
しかし、初めて感染した赤ちゃんのうちの3割は咳が激しくなったり、呼吸が苦しくなるなど、重症になることがある。特に1歳未満の場合、肺炎や気管支炎などの合併症を起こして死亡することもある。ちなみに、1歳未満の致死率はインフルエンザよりも高いと言われている。
また、赤ちゃんの他に高齢者(老人)も重症化することがあるので注意が必要である。
治療方法
RSウイルスをやっつける薬は存在しないので、症状を和らげるくらいしかない。
予防方法
RSウイルス感染症を予防するためのワクチンは現在開発中ではあるが、また完成していない。
親(保護者)や兄弟姉妹、保育士など、赤ちゃんに接する機会の多い人は日頃から石鹸で手をよく洗う癖をつけておこう。
赤ちゃんが遊ぶおもちゃは定期的にアルコール消毒をしておくこと。
また、大人にとっては大したことのないウイルスでも、赤ちゃんにとっては危険なこともあるということを覚えておこう。