解説
「薩川佐代子」とは、河合克敏の柔道マンガ『帯をギュッとね!』の登場人物である。
三保女子学園柔道部所属。
背が高く、ショートカットで切れ長の目の、中性的な顔立ちの女子柔道選手。
持ち技は大外刈りや一本背負いなど、松原渚の技のほとんどを修得している。
柔道部に入部した時に、その才能を松原に目を掛けられ、「鍛えれば絶対に強くなる」という確信とともに、松原自身が持っている技の全てを叩き込むようにして教えられた。
なので、松原とは「先輩と後輩」であると同時に「師匠と弟子」の関係でもある。
そして松原は、自身が敗北した相手である「海老塚桜子」と「別所愛子」に、自身の雪辱を晴らすかのように、薩川をぶつける事になる。
ところが薩川は、桜子や別所愛子と対戦していく内に、自身と松原が追求してきた「勝てる柔道」に疑問を持ち、
桜子や別所、そして来留間麻理たちが実践している「楽しむ柔道」を目標としていく事を決意する。
そして別所の試合に「楽しい柔道」で勝利した事で、自身の「柔道の才能」も開花。
春の全国大会個人戦にて優勝を果たし、更に後には本作の最終回にて来留間麻理と並び、女子柔道オリンピック代表に選ばれる事になる。
なのだが、容姿や性格から「同じ高1に見えない」と桜子に笑われて、麻理がむくれるのがお約束(笑)
このように、薩川が「楽しい柔道」に目覚める様子を見て、松原は「自分の役目は終わった」とばかりに身を引こうとするが、
「先輩!明日からまた毎日稽古をつけて下さい!」
と目を輝かせて懇願したため、師弟関係は続投され、
春の全国大会で薩川が優勝した時には、試合を観に来た松原と互いに感涙しながら抱き合う様子が見られた。
また薩川が、麻理や別所、そして桜子と仲良くなったため、それに巻き込まれる形で(正確に言うと「桜子の強引な親しさ」に巻き込まれたため)、松原も桜子たちと親しくして行かざるを得なくなってしまった。
そんな「松原渚の復活劇」に寄与したキャラクターが、この薩川佐代子なのである。
ちなみに、
自宅が庭にプールがあるほどの豪邸であるほどの家のお嬢様という「公式裏設定」があったりする。
(サンデーコミックス第27巻の折り返し四コママンガで「松原がよく涼みに行ってた」ネタがでて、その後「絵筆を持ってね!」で作者が「公式裏設定」として認めていた)
二次創作の話
ちなみに、その松原渚との仲なのであるが、
という、ある意味鉄板な組み合わせであったためか、作者・河合克敏が「恐ろしく悪ノリ」し、作品内にて、コミックスの表紙絵まで使った「怒涛の百合ネタ」を展開し、コミックスのイラスト投稿コーナー「絵筆をもってね!」でも、「松原と薩川の百合ネタ」が多数投稿される事となっていた。
そして現在でもpixivにて「薩松」という百合カップリングの関連作品が投稿されている。