海老塚桜子
えびづかさくらこ
「海老塚桜子」とは、河合克敏の柔道マンガ『帯をギュッとね!』の登場人物であり、「もう一人のヒロイン」である。
浜名湖高校柔道部所属。
中学の時に保奈美に付き添って柔道の昇段審査会に見学に行き、そこで杉清修、斉藤浩司、宮崎茂、三溝幸宏、そして粉川巧と出会う。
その翌春、浜名湖高校へと進学し、保奈美だけではなく巧たちと一緒のクラスとなったことで、連れられる形で新しく作った柔道部に、保奈美と一緒にマネージャーとして参加することになる。
そのノリの良さで、杉や宮崎と一緒にギャグ担当としてバカをやったり、男子部員たちに活を入れたり、更にはバカをやりすぎる浜高柔道部の面々へキツい突っ込みをかましたりする。
また、体育の成績が10段階評価で10、ソフトボール投げの遠投は40m以上と下手な男子並み、棒高跳びで自分の身長と同じ155センチを背面跳びでクリア、50m走で7秒ジャストなど、驚異的な運動神経の持ち主であり、高校2年生の時に、新入女子部員の来留間麻理の練習相手として、その兄である来留間大志にごり押しにごり押され、柔道部女子部員に「させられてしまった」。
初めはイヤイヤながら練習をやらされていたが、女子としては別格の強さを持つ麻理との練習と、上述の運動神経と反射神経、持ち前の気合いと根性と負けず嫌いで、少しずつ柔道の能力が上がっていき、そして柔道の楽しさに目覚めていく。
読者に対する柔道初心者の追体験を促す役回りとなる。
持ち技は小内刈りと、そこからの背負い投げの連携技(というか、それが背負投げに入る基本的な型らしく、口癖のように「小内で背負いー!」と叫んでいた。ちまたでは、それすら把握していなかった某人気女子柔道漫画に対する牽制とも…なお、この作品以降その作品の主人公も小内刈りから一本背負いに入るようになっている)と「どんな技でも避けられる」能力。
また、必殺技として裏投げ、というよりはプロレスのバックドロップを持つ。
その戦い方は「粉川巧と似ている」と評されている。
更には終盤で「筋肉で5kg体重を増やす」という柔道部の目標を男子部員より先に達成するという、筋肉が付きやすい特異体質も持っていた。
そのためか、たびたび柔道なんて嫌い嫌いと言っていたが、結局、大学進学後も柔道を続けていくことになる。そして大学で全国ベスト8まで強くなるが、本人が「自分の実力はここぐらいまで」と達観している。
なお、柔道を嫌がっていた理由は身体に筋肉が付いていくこともあり、そのため後にはスカートを穿きたいのにみっともなくて穿くことができなくなったことを残念がるシーンもある(これも同一出版社の某人気女子柔道漫画に対する皮肉かも知れない)。このように「とめはねっ!」の望月と同様に、女性らしくないコンプレックスをどこかしらに持っていることがわかる(粉川が一本勝ちはホームラン打つより気持ちいい(そこで勝敗が決まるので)と柔道の魅力を伝えるシーンがあるが、その時も「(野球なんかやったことないのに)自分のことを女と思ってないな、アイツ」といらつくシーンがある)。
また、基本的に気さくで大らかな性格をしており、対戦校の生徒たちである袴田今日子や別所愛子、そして薩川佐代子や松原渚、乙淵フネに至るまで交流していくことになる。
そしてこれらの事が要因となったのか、当時の読者人気が非常に高く、計3回に渡って行われた人気投票の第1回と第2回では、主人公の巧を差し置いて第1位となっていた。
(ちなみに第3回は1位が巧で、桜子は2位)
その他低血圧で朝が弱い、カラオケ好きで演歌派、お化けなど心霊嫌いな一面などがある。
こんな桜子であるが、作品内ではなかなか恋愛的なエピソードが大きく取り上げられることは無かった(袴田豊を除く)。
しかし、最終巻の書き下ろしにて、
実は、粉川巧への想いが片想いとなってしまっていたことが判明した。
更には、杉清修が、いろいろあって桜子に密かに片想いしていたことも判明。
ずうっと長いこと本作品を読んできた読者が色めき立つことになった。
実は、第1話にて、巧と初めて会っているのだが、「巧が柔道着から着替えているところをたまたま桜子が目撃してしまう」という、少々びっくりなシーンであった。
なので、実は『帯をギュッとね!』という物語自体が「桜子が巧とガールミーツボーイをする物語」とも取れないことも無かったりする。
また、先述通りに袴田豊が桜子に一目惚れ片想いしてしまったことは、作品内で散々ネタにされ、
永田賢からはことあるごとに抱きつかれ、
杉にはこっそりと想いを寄せられ、
挙げ句藤田恵からも気を掛けられる、など、
桜子は、決してモテてなかったわけではないのである。
ただ単に、縁が無かった、それだけなのである。
それは、粉川巧も含めて、なのである。
そして、そんな桜子が幸せになることを願ってか、
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作中で杉清修と何があって、桜子が想いを寄せられることになったのかは、当該記事を参照のこと。
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