概要
「杉海老」とは、『帯をギュッとね!』のキャラクター「杉清修」と「海老塚桜子」のNL(男女)カップリングタグである。
浜名湖高校柔道部の部長(杉)と部員(桜子)の関係で同級生。
作中におけるギャグシーンの要として、息の合ったやり取りをたびたび見せていた。
打てば響く漫才コンビ
部内一の成績優秀者でありながら率先して馬鹿な行動を取る杉と、明るくノリのいい性格で笑いにもうるさい桜子は、作中における二大コメディリリーフとして息の合ったやり取りをあらゆる場面で披露している。
互いにボケツッコミ両対応のため、そのバリエーションも豊富。
桜子が他校の女子生徒へのナンパに精を出す杉や宮崎に厳しくツッコんだり、時には鉄拳で制裁を下す場面もたびたび見受けられた。
保奈美顔負け?試合における桜子効果
帯ギュきってのギャグメイカーでありながら意外に慎重派な面もあり、大きな壁を前にすると後ろ向きになりがちな杉だったが、そんな彼の試合に桜子が与えた影響は少なくない。
例えば1年秋の柔道選手権大会地区予選において強敵三方ケ原工業高校の端本との試合前、プレッシャーのあまり桜子に声を張り上げてしまった杉は、彼女の見せた涙(のちに勘違いと判明)や「やってみなければわからない」という言葉に発奮し見事勝利をおさめた。
杉が桜子を意識する場面はその後の本編でもわずかながら挟まれており、巻末の読者投稿コーナー・絵筆をもってね!ではそのことを指摘するハガキもいくつか掲載されている。
青春の終わりと旅立ち
杉の桜子への片思いにもこれといった決定打はないまま連載は終了したのだが、雑誌掲載時にはなかった二人の関係を締めくくるエピソードが、コミックスのための書下ろしとして描かれている。
卒業式の後、柔道部の面々はカラオケボックスで打ち上げを行い、解散後、家が同じ方向だった二人は同じバスに乗り合わせた。
酔いつぶれた桜子が最寄りの停留所についても起きようとしなかったために仕方なく桜子をおぶって歩き出した杉だったが、桜子の「バカ」というつぶやきにふと足を止める。
その言葉が自分に向けられたものと思い憤慨するも、続けて漏れてきたのは「巧くんの柔道バカ」という言葉だった。
押さえてきた本音とともに涙を流す桜子に、杉もまた自分の本音を打ち明ける。
「しようがねーな………けどよ海老塚、おまえのすぐ近くに、ずっとおまえが好きだったヤツがいるんだけどな。いいかげん気づけよ…」
やがて目覚めた桜子に「なにか言った?」と問われるも杉は誤魔化してしまう。
好きな人が親友の恋人であるがゆえに気持ちを打ち明けることも叶わなかった桜子と、ずっと思ってきた相手が自分の親友に思いを寄せていたことを知ってしまう杉。
卒業という旅立ちの時期とも相まって、ほろ苦さの残る名場面となっている。
なお、二人のその後については卒業式から3年後にあたる最終回でも特に触れられておらず、読者の想像にゆだねられる形となった。