お茶の水博士
おちゃのみずはかせ
概要
ロボット科学者で、科学省長官を務めている。進化していくロボットの中に「心の芽生え」をいち早く感じ取り、ロボットにも人権が必要だと考え始め、「ロボットは人間の友達」という理念の持ち主である。
『アトム大使』では当時まだ脇役だったアトムを差し置いて第1話で登場している。
お茶の水博士は左側
勘違いしている人も多いが、アトムを作ったのは天馬博士であり、お茶の水博士は一切関与していない。アトムが成長しないことを知って発狂した天馬博士は、思い余ってアトムをサーカスに売りとばしてしまう(『アトム大使』と後に白黒アニメ版に準拠して書かれた解説漫画『アトムの誕生』、および『~誕生』を元に描かれた事実上の最終回である『アトム今昔物語』ではこの辺の設定が微妙に異なっている)。それをたまたま見ていたお茶の水博士は前近代的なロボットの扱いに疑問を覚え、アトムを買い取って自分の家に引き取った…というのが顛末である。
天馬博士が黒、お茶の水博士が白を基調としたデザインなのもこの辺が原因であろう。
アトムのことを本当の息子のように可愛がってはいるものの、その愛は単なる甘やかしではなく、『電光人間の巻』で自分勝手な正義感を振りかざすアトムに対し「それ以上この事件に口を出すと、わしはお前の電子頭脳を破壊するぞ」と寂しげに告げたこともある。
台詞によれば妻(結構美人)を早くに亡くしているらしい。また、子孫がタイムマシンで現代にやってきたこともあるので、おそらくすでに独立している子か孫がいるものと思われる(『火星隊長の巻』では息子の写真を間違えてアトムに手渡しているシーンがあるが、単行本化の際にカットされた)。
主な発明品
アトムや天馬博士もそうだが、お茶の水博士は度々他作品にも出演している。その際、独特の風貌からナーゼンコップ(Nasenkopf、ドイツ語で「鼻頭」の意)の名前となる事も多い。
裏設定では、お茶の水博士は火の鳥に登場する猿田一族の出身ということになっており、そのでかい鼻がその証しとなっている。また、猿田一族が背負った罪の償いと清算が彼の代で徐々に果たされつつあるものの、アトム本編で敵にさらわれるなどして度々酷い目に遭っているのはまだ完全には償いきれていないためだという。
また、没設定では『太陽編』に登場する反政府組織のリーダー・猿田の物凄く仲の悪かった実の兄になる予定だった。なお「アトム」以外はほぼすべて「こずるいおっさん」として悪役を務めており、実は善玉をやるのは珍しい。
CV:寺島拓篤
本名は御茶ノ水博志であり(下の名前をカタカナでヒロシ表記にされる場合も)、妹がいることが明らかになった。後の天馬博士こと天馬午太郎とは練馬大学時代の学友(飛び級を重ねた天馬は5歳下)であり、テンションが上がると互いのデカい鼻をつまむ。
孤高の天才たる午太郎とは対照的に、ロボットを「みんなの友達」だと考え研究を行っている。
午太郎と共に後のアトムの原型となるA106を作り上げ、「シックス」と呼んで本当の息子のように可愛がっており、海水に浸ったことでシックスがバグを起こし「おとうさん」と呼んだ際には涙を流している。