近鉄1422系
1422系は、1420系の量産車として1987年4月に登場した。当初は1250系(2代)を名乗っていたが、1230系列の増備により、1990年に現番号に改称された。
車両の組成はモ1422-ク1522の2両。電算記号は「VW」。
特徴
- 車体はアルミニウム合金で、車体幅は2,800mmになっている。この規格の車体は大阪線・名古屋線で初めて採用された。
- 制御装置は三菱電機製のMAP型、16ビットの制御回路のマイコンを採用したVVVFインバータで、主電動機の出力は165kw、歯車比は6.31(101:16)と大きい。
- 補助電源装置(MG)、空気圧縮装置(CP)はTc車に配置している。
- パンタグラフはMc車に2基搭載している。
- 台車は近畿車輛製のシュリーレン台車を履いている。
- 性能面では1420系と同等で、起動加速度は2.6km/h/s、減速度4.0km/h/s、最高速度は110km/hである。
改造・車体更新
近鉄各路線のGTO-VVVFインバータ制御の車両と同様に、以下の項目が行われている。
- VVVFインバータ制御のシンボルマークの撤去
- 全編成にて簡易内装更新工事および連結部に転落防止幌の設置
- 車内床材や座席モケットの交換
- ク1522形の車内運転席側にフリースペース整備
配置
2017年現在、全6編成が高安検車区に配置されている。
近鉄1430系
1990年7月に登場した1422系のマイナーチェンジ車。全車が大阪線・名古屋線に配置され、奈良線・京都線・橿原線には配置されていない。電算記号は1422系と同じで、番号はそれに続く。
特徴
走行機器は1422系をベースにしているが、歯車比は5.73(86:15)と小さくなり、台車は両抱き踏面ブレーキ式空気ばね台車または全軸片押し踏面ブレーキ式ボルスタレス台車を履いている。この機器構成はシリーズ21が登場するまでの近鉄の標準軌線のVVVF車の標準仕様となった。この系列は狭義では1435系、1436系、1437系、1440系と細かく分類されている。
- 1435系(1992年3月登場、1435Fのみ)
- 補助電源装置をMGからSIVに改良。
- 1436系(1993年3月登場、1436Fのみ)
- Tc車のディスクブレーキを1軸1ディスクとしたボルスタレス台車を採用。滑走検知装置や路面清掃装置も搭載。
- 1437系(1993年9月登場、1439・1441~1445F)
- Tc台車のディスクブレーキのディスクを1軸2ディスクに変更(登場時。現在は1ディスクに改造。)、滑走検知装置は省略し、路面清掃装置を標準装備。
- 1440系(2006年改造、1437・1438・1440F)
- 1437系の名古屋線ワンマン運転対応編成。
改造・更新
基本的に1422系と同様だが、以下の項目が追加されている。
- バリアフリー化改造
- ドアチャイム、車内案内表示器、ク1530形の先頭連結部に注意喚起スピーカーの設置。
名古屋線ワンマン運転対応改造
2006年9月から2007年10月にかけて名古屋線の1437系がワンマン運転対応工事およびバリアフリー改造を受けて、形式名を1440系に形式変更されている。
配置
2017年現在、配置されている区所は以下の通りである。
電算記号 | 所属 |
---|---|
VW31 | 高安 |
VW32 | 高安 |
VW33 | 富吉 |
VW34 | 富吉 |
VW35 | 高安 |
VW36 | 高安 |
VW37 | 明星 |
VW38 | 明星 |
VW39 | 高安 |
VW40 | 明星 |
VW41 | 高安 |
VW42 | 高安 |
VW43 | 高安 |
VW44 | 高安 |
VW45 | 高安 |
2両編成車の運用
大阪線所属車
主に大阪線の快速急行以下の種別で2両単独および他編成併結で4~10両で運用されており、名古屋線には急行の増結車として乗り入れている。
名古屋線所属車
主に名古屋線の急行の増結車および準急・普通や、一部は大阪線の急行の増結車として2~6両で運用される。ワンマン運転に対応している1440系はこれらの増結運用に加えて志摩線のワンマン運用に入るが、大阪線では運用されない。
近鉄1620系
1420系列の4・6両編成バージョン(ベースは1437系である)。1994年11月に登場した。1994年から1995年にかけて4両編成5本、1996年に6両編成1本の合計26両が製造され、その後の増備車は5800系に移行している。
電算記号は4両編成が「VG」、6両編成が「VF」。
走行機器
基本的に1437系に準じているが、パンタグラフは電動車に1基ずつの搭載となった。なお、6両編成に組み込まれているモ1650形は2基搭載されている。また、モ1650形とサ1750形の間には簡易運転台と前照灯が設置されている。
配置
2017年現在、全編成が高安検車区に配置されている。1641Fのみが6両編成で、1621~1625Fが4両編成である。
大阪線の大阪上本町~青山町間の快速急行以下の種別で幅広く使用されている。トイレは設置されていないため、ダイヤ乱れ等を除き、青山町以東および名古屋線には入らない。編成単独および他形式併結の6~10両で運用されている。
改造・更新
基本的に1437系と同じ。