概要
CV:MiKA(影牢 〜もう1人のプリンセス〜)、皆川純子(無双☆スターズ)
「影牢」の主人公である、人間の少女。
幼い頃、支配種族「刻人」たちに誘拐され、その手先として人間達を狩るべく「トラップを操る能力」を与えられている。
その生い立ちに相応しく無口で、感情をあまり表さない。当初は刻人たちの命に従い、言われるままに彼らに歯向かう相手を抹殺していくが……
外見は黒髪のボブカットに、背中を大きく露出したボディコン衣装のような服装。背中にはひときわ目立つ赤い文様が描かれているが、これは「トラップ」を操る能力の根幹となる、魔神との契約印である。
ゲーム中は基本的に背後から彼女を見ることになるためか、当時のポリゴンとしては背中側デザインにかなり気合が入っている。
また、オープニングのムービーでは刻人に攫われる直前のミレニアらしき子供が登場するが、このときは普通に子供らしい笑顔を浮かべている。
なお髪色が本編と異なり明るい茶色であるが、一応、メラニン形成が不十分な3~4歳の幼児期だと考えれば大きな矛盾はない。単に初代PSにありがちな「本編の内容と整合しないOPムービー」の一つかもしれないが……
作中での活躍
概要の通り、世界を支配する「刻人」達の手先として「トラップを操って対象を抹殺する力」を与えられる。
最初は己の運命に諦観しているのか、淡々と侵入者たちを抹殺していくが、
やがて、己の身を守るため、または己の出自を知る者のため、あるいは更なる力を求めて、
自らのために戦っていくこととなる。
トラップ
刻人から与えられた(正確には、彼らが奉ずる魔神の力だが)特殊能力。
のちの影牢シリーズにも受け継がれていく、周囲の地形に罠を配置し、起動する異能。
なぜそんな回りくどい攻撃手段を与えたのかといえば、刻人の王エクリプス曰く
「本人が強いわけではないから、逆らったときに簡単に殺せるため」
とのことだが、ルートによってはそのエクリプス陛下自身も敵として登場し、
上記の大言壮語はどこへやら、あえなくトラップコンボでオモチャにされることとなる。
いくつかの結末
本作は、サブタイトル「刻命館真章」が示す通り、前作「刻命館」と地続きの話であり、前作ではハッキリしなかった世界観を深掘りしつつ、その前日譚となるストーリーとなっている。
真エンディングもそれに応じたものとなっており、魔神の使徒となって永遠に仕えることを誓ったミレニアの姿は、前作にて主人公のナビゲータを務めた魔神の使徒「アスタルテ」を連想させる姿となり、彼女こそが後のアスタルテであることを示唆してエンドとなる。
なおミレニアは無口だが、アスタルテはナビゲータ、ストーリー進行役である都合、かなりよく喋る。
それ以外のエンディングでは、敵対者を皆殺しにしたあと生きる目的を見失ってさすらいの旅に出たり、支配者の消滅に伴い戦乱の世となったなかで行方不明になったり、全てを捨てて逃避行したりと、手放しでハッピーエンドと呼べる結末は一つも無かったりする。
ゲームのテーマがテーマだけに、当然かもしれないが……
家族
攫われる前は普通に家族がいたが、両親は攫われたミレニアを探しに刻人の元へ赴き、そのまま殺害された事が語られている。
また兄が一人いたが、ミレニア自身は幼すぎたこともあり彼のことをよく覚えていない。
一方、その兄である「キース」は、のちに人間を刻人の支配から解き放つべく戦う抵抗組織「レッドブラッド」のリーダーとしてストーリー中に登場する。
刻人による圧制からの解放を掲げるカリスマ的リーダーであるが、実際には彼の真の動機は「両親の復讐と、攫われた妹の救出」であり、ミレニアこそがその妹であることに気づくと、何もかもを捨てて二人でやり直そう、と提案してくる。
この提案に乗ると、互いに今の立場を捨てて兄妹二人での逃避行エンドとなる……のだが。
キースの方は上記の通り十数年の間に妹への想いをこじらせきっており、また、ミレニアにしてみれば「そもそも覚えてない兄」ゆえに実質的に単なる「身近な、唯一頼れる異性」であったためか、彼らの行く末としてエンディングのラストに「赤ん坊を抱いたミレニアと、その肩を抱く男性(顔は見切れている)」という構図のあまりにも意味深な一枚絵が表示され、プレイヤーの度肝を抜いた。
一応、テキスト上で明言されてるわけではない、ないが……
解説は以下のイラストの2枚目以降に詳しい。
なお余談として「赤ん坊の髪色が明るい色なので(どちらも黒髪である)二人の子供ではない」とする反論も一部にあるが、実際には前記した通り幼少期はメラニンの形成が不十分なため、特に新生児であれば、黒髪の両親であろうと髪色は明るい薄茶色になる(日本の赤ちゃんの写真を検索すると分かりやすい)
そも「二人の子供ではない」と解釈した場合、やたらに思わせぶりなエンディングテキストが全く意味のないミスリード(この「先」の話が無いため、回収もされないミスリード)になるため、基本的には素直に「そういう事」だと受け止めるプレイヤーが多い。
と、様々な物議をかもしたエンディングから16年後。
2014年、おなじテクモから発売された「零~濡鴉ノ巫女~」にて、同じようなゴールを迎えたヒロインが登場することとなる。
しかも、影牢では「一応、明言はされていない」と限りなくアウトに近いグレーだったのに対し、こちらはストーリー中ではっきりと「実の兄と子供を作った」と明言されているなど、より大胆になっている。