「8810系」は鉄道車両の形式のひとつであるが、旅客用では近畿日本鉄道の例しかない。
概要
量産型の界磁チョッパ制御車両として近鉄奈良線・近鉄京都線系統用に投入されたのが近鉄8810系・9000系・9200系である。ここではそのうち近鉄8810系と近鉄9200系について解説(近鉄9000系については「9000系」の記事を参照)。
8810系
8810系は奈良線系統向けの4両編成として1981年から1984年にかけて計8編成が製造された(計32両)。奈良線系統の8000番台の番号を使用しているが、先行導入された1400系に引き続いて新デザインを採用している。1400系とは違い、車体幅が2800mmで裾絞りがある(9000系、9200系も同様)。
阪神電気鉄道との相互乗り入れ開始に伴い阪神線乗り入れ対応車を大量導入することになったことから、余剰車としてトップナンバーの8811編成が近鉄大阪線へ転属した。
9200系
8810系は奈良線系統向けの3両編成として1983年から1984年にかけて計4編成が製造された(計12両)。京都線の3両普通の運行終了(普通4両化)にともない、1991年に全4編成ともサ9350形(現在はサ9310形へ改番)を挿入し4両編成化された(計12両→16両)。このとき追加した中間車は当時増備中の1020系に合わせた規格のため、編成中で1両だけアルミ合金製車体・窓割が異なる・車体裾が飛び出しているといった形となっている。
阪神電気鉄道との相互乗り入れ開始に伴い阪神線乗り入れ対応車を大量導入することになったことから、余剰車として9301~9303編成の計3編成が近鉄大阪線へ転属した。