概要
「灯油」は、アニメ「おそ松さん」第23話Aパートのサブタイトル。
ストーブの灯油切れを巡って(六つ子達の無駄な)心理戦が繰り広げられる。
ストーリー(ネタバレ注意)
真冬の猛吹雪の夜、六つ子達は自宅の茶の間でくつろいでいた。こたつではおそ松が漫画を読み、トド松はおそ松にお茶を汲む。ストーブの周りではチョロ松は「自意識との付き合い方」という本を読み、カラ松はサングラスを磨き、一松はねこじゃらしを弄び寝転がっている。そして十四松は部屋の隅で布団と兄弟全員分のどてらを体に巻き付けダンゴムシと化していた。
すると突然部屋を暖めていた石油ストーブから「ピピピッ」というアラームが鳴った。それはストーブの灯油が切れたことを示す合図であった。当然誰も灯油を入れに立ちたくない松野クソブラザーズ。そしてストーブの給油を誰が行うかを決めるための兄弟たちによる心理戦が始まるのであった。
おそ松、チョロ松、一松、トド松の4人は、一昨日と昨日2日続けて灯油を入れたカラ松を睨み付けるが、カラ松はさすがに3日も連続で給油をしたくないことから頑なに譲る姿勢を見せない。そしてカラ松は・・・
カラ松(フッ...俺は今までみんなのためを想って灯油を入れていた...しかし気づいたんだ...行き過ぎた愛は時に人をダメにする...あえて突き放すことも必要なのだと...ブラザー...今宵は愛ゆえの放置...灯油を入れないことがこのカラ松の愛の全てだ!!)
・・・と相変わらずイタい発言で灯油の補充をしないことを主張。それを不快に思ったトド松から、右手にポットから熱湯をかけられるも、それでもカラ松は
カラ松(ブラザァァァ...そんなことをしても今日は一歩も退かんぞ!!)
と媚びない姿勢を崩さなかった。
おそ松(んだよ...珍しく頑なだな)
一松(チッ...計算が狂った...)
そんな中、布団に包まっていた十四松は心理戦をしている兄弟たちをよそに寝息を立てながらぐっすり眠っていた。
おそ松(じゅ...十四松のやつこういうときに限って一人寝やがって...!自動的に対象外かよずりーぞ!)
チョロ松(てかどんだけ寒がりなの?バカなんだから寒いとかいう感覚はないのかと思ってたよ)
するとトド松が
トド松(ちょ...ちょっとみんな!!一松兄さんが!!!)
そして他の3人が一松の方を見ると・・・
そこには十四松の後を追い、自身もここぞとばかりに狸寝入りを決め込む一松の姿があった。
トド松(寝たふりしてんだけど!!!アーーーーーーーーーーーー!!!)
チョロ松(うわっこいつ汚ねえ!!十四松の後を追いやがった!!対象外になろうとしてるよ!!)
トド松(鬼畜!腐れ外道!!)
それを見たおそ松はこよりを手にしてゲス笑いを浮かべながら・・・
おそ松(へっへへ…そーはいかないよォ...一松ゥ...)
寝ている一松の鼻にそのこよりをを突っ込んだ挙句突っ込まれたこよりを鼻から口に貫通させられた。
それでも起きないため、摩擦熱で人体発火が起きるレベルにこよりを擦られる。…結果、黒こげになっても寝たふりを止めなかった!
一松の寝たふりを暴くために散々暴れたおそ松だが、いきなり暖かいこたつからストーブが切れて寒い部屋に出てきたため、尿意を催す。しかし、その尿意こそトド松の策略であり、おそ松のトイレ行きを早めるためにお茶汲みを担当していたのだった。
おそ松(そういうことか!!やけに親切だと思ったら長いスパンの罠だったのか!!!)
見事にトド松の策略にはまってしまったおそ松、そして当然他の兄弟もそのことを喜んでいたが…「おそ松がトイレに立つよりもトド松に行かせた方が早い」と攻撃のターゲットはトド松に向かった。チョロ松を筆頭に残りの4人はトド松の足をギリギリと思いっきり握りだす。
トド松(何!?結局ッ、結局暴力にモノ言わすのこいつら!今までの心理戦何だったんだよッッ!!)
トド松も必死に我慢するが、次の策略を実行する。
(ふぅっざけんなぁ…… 例えこの足ミンチになろうと僕は絶対に灯油を入れに行かない!)
兄達に従ったふりをして外側の戸を開け、なんと「換気」と称して吹雪で大荒れの外の空気を入れる持久戦を仕掛けたのだ!!
トド松「へっ…死なば諸共持久戦だァ!」
これにはさすがに残りの兄達も参っており、リベンジ成功…と思いきや急に外側の戸が閉まる。見ると、大きな布の塊…寝ていたはずの十四松がいた。「十四松に限って寝たふりなどするはずがない」と全員考えるが、チョロ松は念のために一松に確認をするよう促す。一松が覗きに行くと、なんと十四松は完全に起きていたことが発覚。
衝撃の事実に残りの兄弟はうろたえる。
チョロ松(何!?オレもう何も信じられない!)
トド松(ってことは、あの態勢でずっとずぅーーっと誰かが灯油入れてくれんのただ待ってんの!?あの背中は、待っている背中なの!?)
おそ松(何だよ「待っている背中」って、ホラー映画ァ!?!?)
そして、
十四松「ねえ、みんな…切れてるよ?ストーブの灯油」
おそ、カラ、チョロ、一、トド(言ったァーーーーー!!!!)
この「灯油が切れた」というワードを皆我慢していたにも関わらず、あっさりと十四松が言ってしまった。その後も寒さで機嫌が悪い十四松は、自分以外の兄弟がストーブの灯油を入れるように促したり、アツアツのスープを一人で飲み干す(ただし灯油は入れない)などのフリーダムさ(カラ松曰く「好き勝手ボーイ」)を見せつけた。
そしてトドメが…
十四松「だーかーらー、灯油が切れてんだって、チョロ松兄さん」
とチョロ松を直接指名。この発言により、チョロ松が給油に行かなければならない空気ができてしまい、衝撃で立ち尽くすチョロ松と、回避できてホッと一安心する残りの兄弟たちであった…。
十四松「あぁもぅ――――クソ寒ィ」
(Bパートダヨーン族に続く)
補足
- この回も21話Aパート「麻雀」の回同様、心理戦(?)がメインとなっているため、キャラの台詞のほとんどがモノローグになっている。その為明らかにモノローグで会話している場面が多数ある。
- 「おそ松さん」では珍しく、直接的にBパート「ダヨーン族」と話が繋がっている。また、この話でのカラ松の台詞「愛は時に突き放すことも必要」はBパートでの重要な伏線(?)となっている。
余談
上記のとおり途中、チョロ松が十四松のことを「バカなんだから寒いとかいう感覚はないのかと思ってたよ」とモノローグで語る場面があり、六つ子がモノローグで会話ができるとすると十四松もこのモノローグを聞き取っていた可能性が高く、チョロ松が指名された理由の一つとして考えられる。十四松に指名された時チョロ松は「俺お前に何したよー!」と叫んでいるが、この件のことを考えると因果応報と言えるかもしれない…。
ちなみに一松もさりげなくモノローグで「死ねボケェ……!」と十四松に言い放っているが、この後逆に十四松に殺されかけていたりする。