CV: ジョン・デミータ/桐本拓哉(日本語吹き替え版)
概要
2017年公開の「バイオハザードヴェンデッタ」の登場人物にして黒幕かつラスボス。
元軍人であり現在は国際指名手配犯の武器商人。
表の顔は理論派で冷静沈着な実業家であり、飲料水の製造に限らず幅広い展開を行っている「アグア社」の設立者。
しかし裏の顔は、最新鋭の武器からネオアンブレラやトライセルの遺産であるB.O.W.までを闇ルートで犯罪組織や紛争国に売りさばいている悪質な武器商人であり、その悪質さ故に前述通り国際指名手配犯となっている。
ある事件をきっかけに新型ウィルスを用いた、バイオテロを目論み、本作のタイトルの「ヴェンデッタ」(イタリア語で復讐)は彼の犯行動機である。
ネタバレ詳細
ここから先は映画本編及びノベライズ版のネタバレを含むので閲覧は自己責任でお願いいたします!
容姿
元軍人だけにがっしりとした体格で長身、スラリと長い手足に清潔感のある短く整えられた銀髪、顔には爆弾破片での傷がある年齢不詳の一見するとダンディで紳士的な男性。
性格
実業家としても武器商人としてもその手腕は優れており、頭脳明晰な切れ者。
元軍人であるだけに近接格闘の達人でもあり、重武装した上でボディアーマーを身に付けたクリスを圧倒する程の実力を持ち、文武両道な人物。
パッと見は紳士的で物腰が柔らかそうに見えるが、本性はこれまでの歴代の悪役達の例に漏れず、狂気的で冷酷かつ残忍な性格。
また、拠点である洋館に事前に罠を仕掛けておく(この罠でクリスを除く特殊部隊は全滅)など先を読む能力も高く、用心深い一面が伺える。
レベッカに固執し、彼女を自分の物にしようとするがそれは後述の理由からである。
また、バイオテロを画策する要因となった過去の辛い体験から精神的におかしくなっており、「人間は最期の瞬間が一番美しい。」「炎と生きるものなき光景を見たかった。」と語るなど狂気的で変質的な言動を垣間見せる。
経歴・過去
前述通り元軍人で尚且つかつてはCIAにも在籍しており、SAD(特殊活動部)所属の汚れ仕事担当で暗殺も数多く行っていたが、そんな神経を削る様な自分の人生に嫌気が指し、全てを(仕事、名前、過去)を捨てて、長い時間をかけて普通の貿易商になりすます。(小説版によると「グレン・アリアス」という名前も三つ目の偽名であり、彼の過去を知っているのは実の弟と妹、従兄弟、そして古い友人のディエゴの4人だけだった。)
そして最愛の女性「サラ」(容姿がレベッカと瓜二つであり、それ故に彼女に固執している。)と出会い、彼女と結婚式を挙げ、二人は最高の幸せの真っ只中だったのだが・・・・
その頃から某国と武器の裏取引をしており、取引の縺れから目を付けられ指名手配犯とされ、結婚式の最中にスマートミサイル(無人攻撃機)で爆撃を仕掛けられる。
幸せだった結婚式は一瞬で惨劇の舞台となり、自身は負傷するも助かるが、婚約者のサラ(指輪をはめる時に掴んでいた腕だけが残り、その腕は今でも彼が冷凍保存している。)家族、親族、友人達を一気に失ってしまう。
この爆撃で生き残ったのはアリアス、ディエゴ、マリアの3人だけだった。
(弟と妹、従兄弟も式に参列していたと思われるがアリアスの台詞や小説版の記述から彼らもこの爆撃で死亡したと見られる。)
この事件を機に復讐鬼と化し、自分の家族と愛するサラを奪った世界に復讐するべく、地下に潜り、(皮肉にも過去のキャリアとコネクションが役立つ事となり、瞬く間に国際的な豪商となる。)闇社会に復帰してある組織と接触し、ウィルスの種を手に入れる。
その組織こそが4に登場した「ロス・イルミナドス教団」であり、レオンに倒されたものと思われていたが、未だに残党達が生き残っており、彼らの協力を受け、A-ウィルス(Animality-Virus)を作り上げる。
ネオアンブレラとも接触して、潜伏ウィルスとワクチンウィルスを手に入れている。
共に生き残ったディエゴとマリア親子も彼の復讐に協力する事となる。
事前に自身が経営する「アグア社」の商品であるミネラルウォーターに「トリガーウィルス」を混ぜて、市民にウィルスを潜伏させる。
そしてニューヨークでのバイオテロを画策し、側近のマリアに命じて、婚約者のサラと瓜二つなレベッカを拉致して彼女を自分の妻にする事で、辛い過去を乗り越えようとするも最終的には拒絶された事により、サラの腕をレベッカに移植すると言い出し、彼女にA-ウィルスを投与して、モンスターとする事で自身に忠実にしようとする。
なお、今でも結婚指輪を付けており、作中で「全ては君の為。」と発言しており、「バイオテロ」という名の復讐を今は亡きサラに捧げるつもりだった事が伺え、今でもサラを深く愛している。
最期
アジトの高層ビル屋上にてクリスと再び対峙し、激しい戦いを繰り広げるが落下し、瀕死の重傷を負う。そこに現れたディエゴに命じて、最終手段としてウィルスの力を解放したディエゴに自らを取り込ませる形で融合し、シリーズでもお馴染みのボスキャラクターであるタイラントを彷彿とさせる巨人型のクリーチャーに変貌。(開発スタッフ達からの愛称は「アリエゴ」。)
レオン、クリス、BSAAのシルバーダガーを相手に激戦を繰り広げるが、最期はクリスの放った銃弾で弱点の核を撃ち抜かれて死亡した。
最期に木端微塵となった彼から落ちたのはサラとお揃いの結婚指輪だった・・・・という結末を迎える。
総括
これまで登場した悪役達と同じ様にどうしようもない悪人であり、バイオテロを画策した狂気的かつ残忍な悪役な事に変わりはないが、その過去は余りに悲惨であり、同情の余地がある事も確かである。
彼の目的は世界への復讐だけではなく「愛した人々を蘇らせたい。」という目的もある為、悪役である一方で婚約者のサラや家族、友人などへの愛情は本物であり、これまでのバイオハザードシリーズの悪役達の中で最も人間味がある人物とも言える。