CV: ジョン・デミータ/桐本拓哉(日本語吹き替え版)
概要
2017年公開の映画「バイオハザードヴェンデッタ」の登場人物にして黒幕、かつラスボス。
元軍人であり現在は国際指名手配犯の武器商人。
表の顔は理論派で冷静沈着な実業家であり、飲料水の製造をメインに幅広い事業展開を行っている一大企業「アグア社」の設立者。
しかし裏の顔は、最新鋭の武器からネオアンブレラやトライセルの遺産であるB.O.W.まで幅広く扱い、それらを闇ルートで犯罪組織や紛争国に売りさばいている悪質な武器商人。
過去に築いた膨大なコネクションを利用し、顧客の望むありとあらゆる商品を提供すると評判で、その悪質さ故に前述通り国際指名手配犯となっている。
過去のある事件をきっかけに新型ウィルスを用いたバイオテロを目論んでおり、本作のタイトル「ヴェンデッタ」(イタリア語で復讐)は彼の犯行動機でもある。
年齢不詳だが元軍人らしい鍛えられた体格で、スラリと長い手足に清潔感のある短く整えられた銀髪と、一見するとダンディで紳士的な雰囲気を醸し出すナイスミドル。左目元に爆弾破片で負った傷跡がある。
一部ファン達の間ではジョージ・クルーニーに激似と言われている。
この件に関しては監督を務めた辻本貴則氏曰く「元々は違う。海外の俳優からヒントを得て作っていき、遠目から見ても分かりやすくしたいと思ったが、金髪だとチャラくなるのでロマンスグレーだと思い銀髪にした途端にジョージ・クルーニー感が出た」との事。
自らを「ビジネスマン」と自称する通り、実業家としても武器商人としても優れた手腕を持つ頭脳明晰な切れ者。
パッと見は紳士的で物腰が柔らかそうに見えるが、その本性はこれまでの歴代悪役の例に漏れず狂気的、冷酷かつ残忍な性格で、女子供であろうとも容赦無く手にかけており、激昂した際には我を失ってレベッカを殴るなどの暴力的な一面を見せている。
また、拠点である洋館に事前に罠を仕掛けておく(この罠で特殊部隊はクリスを除いて全滅)など先を読む能力も高く、狡猾かつ用心深い。
レベッカに異常なまでに執着し、後述の理由から彼女を我が物にしようと画策する。
また、バイオテロを画策する要因となった過去の辛い体験から精神に変調をきたしており、「人間は最期の瞬間が一番美しい。」「炎と生きるものなき光景を見たかった。」「私の時間はあの瞬間に止まった…」と語るなど狂気的で変質的な言動を垣間見せる。
元軍人の肩書は伊達ではなく戦闘能力も身体能力も並はずれており、近接格闘の達人。
重武装した上にボディアーマーを身に付けたクリスを圧倒する程の実力を持ち、銃器の扱いにも長けているなどまさに文武両道な人物である。
ネタバレ詳細
ここから先は映画本編及びノベライズ版の重大なネタバレを含みます。閲覧は自己責任でお願いいたします。
経歴・過去
前述通り元軍人で尚且つかつてはCIAにも在籍しており、SAD(特殊活動部)所属の汚れ仕事担当で暗殺も数多く行っていたが、そんな神経を削る様な自分の人生に嫌気が指し、全て(仕事、名前、過去)を捨て、長い時間をかけて普通の貿易商になりすます。
小説版によると「グレン・アリアス」という名前も三つ目の偽名であり、彼の過去を知っているのは実の弟と妹、従兄弟、そして古い友人のディエゴの4人だけ。
最愛の女性「サラ」と相思相愛の関係の末に婚約し、大切な人達に祝福され、幸せの真っ只中だったのだが・・・
その結婚式の最中、武器の取引に縺れが生じていた某国によってスマートミサイル(無人攻撃機)による爆撃を仕掛けられる。
幸せだった結婚式は一瞬で地獄と化し、自身は負傷しつつ助かるも婚約者のサラは指輪をはめる時に掴んでいた左腕だけを残して焼失。参列していた家族、親族、友人達も全員死亡し、愛する人達を一気に失う事となる。
この爆撃で生き残ったのはアリアス、古い友人のディエゴ、その娘にしてアリアスの側近でもあるマリアの3人だけであった。
この事件を機に彼は復讐鬼と化し、自分の家族とサラを奪った世界に復讐するべく地下に潜り、(皮肉にも過去のキャリアとコネクションが役立つ事となり、瞬く間に国際的な豪商となる)闇社会に復帰。
「4」に登場しレオンに倒された「ロス・イルミナドス教団」の残党と接触し、彼らの協力を受けA-ウィルス(Animality-Virus)を作り上げる。
更にはネオアンブレラ残党とも接触して、潜伏ウィルスとワクチンウィルスを入手。
共に生き残ったディエゴ、マリア親子も肉体改造を受け、彼の復讐に協力する。
事前に自身が経営する「アグア社」の商品であるミネラルウォーターに「トリガーウィルス」を混入し、市民の体内にウィルスを潜伏させた。
そしてニューヨークでの大規模なバイオテロを決行し、並行して側近のマリアに命じて亡き婚約者のサラと瓜二つなレベッカを拉致。彼女と結婚式をやり直し、自分の妻とする事で辛い過去を乗り越えようとする。
が、再現した式場にてレベッカに激しく抵抗された瞬間、これまでの知的かつ冷静な態度を一変させてレベッカを殴り倒し、冷凍保存していたサラの腕をレベッカに移植するという常軌を逸した言動を放つ。更に拘束した彼女に強化されたA-ウィルスを投与し、ゾンビ化する事で自身に忠実な僕にしようとした。
最期
「ディエゴ・・・最後の手段だ・・・お前を解放する」
アジトの高層ビル屋上にてクリスと再び対峙。激しい戦いを繰り広げた末に屋上の天窓から下層階まで投げ落とされ、瀕死の重傷を負う。そこに現れたディエゴに命じ、最終手段としてウィルスの力を解放したディエゴに自らを取り込ませる形で融合。シリーズでもお馴染みのボスキャラクターであるタイラントを彷彿とさせる巨人型のクリーチャーに変貌した。(開発スタッフ達からの愛称は「アリエゴ」。)
その姿はアリアスとディエゴの二つの頭部を持ち、左肩がディエゴの頭部であるが、基本的にはアリアスの意識が主導権を握っている。
予測不能な異形攻撃の解禁や能力の強化に加え、ディエゴよりも優れた戦闘巧者であるアリアスの技量が合わさり、驚異的な戦闘能力を獲得している。
両手の爪は伸縮自在で瞬時に10メートルぐらいにまで伸ばせる。
レオン、クリス、BSAAのシルバーダガー隊を相手に激戦を繰り広げるが、最期はクリスの放ったグレネード弾が胸部のコアに命中し、摩天楼上空で爆散して死亡。
木端微塵となった肉片と共に婚約指輪が落ちていくという、壮絶ながらも切ない最期を迎えた。
これまで登場した悪役達と同様に狂気的かつ残忍な人物である事に変わりはないが、その過去は自業自得とはいえ余りに悲惨であり、同情の余地がある事も確かである。
彼の目的は世界への復讐だけではなく「愛した人々を蘇らせたい」という目的もあるため、悪役でありながらも婚約者のサラや家族、友人などへの愛情は本物であり、これまでのバイオハザードシリーズの悪役達の中でも比較的人間味がある人物と言える。
関連タグ
バイオハザードヴェンデッタ バイオハザード バイオハザードの登場人物
カーティス・ミラー、ビンディ・ベルガーラ…こちらも親しい者を奪われた復讐心からバイオテロを起こしたバイオハザードシリーズの黒幕繋がり。
アレクサンドル(サーシャ)・コザチェンコ…アリアスと同じく恋人を失った過去によってバイオテロに走ったバイオハザードシリーズのテロリスト。ただしこちらは元は小学校の教師という普通の一般人であり、その経緯も校舎が政府軍に反政府勢力の拠点と間違われ爆撃されると本当に救いの無いもの。アリアスとは逆に最終的に改心して新たな人生を歩んでいた。
スベトラーナ・ベリコバ…文武両道なバイオハザードシリーズの黒幕繋がり。
オルチーナ・ドミトレスク:伸縮自在の鉤爪を持つバイオハザードシリーズの悪役。こちらは人間の姿のまま使用できる。
ダリオ・モントーヤ、アナザー龍騎…こちらも「サラ」という女性を蘇らせるために闇に堕ちたキャラ。前者は怪物に取り込まれてラスボスになる点が共通している。