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楓(バケモノの子)の編集履歴

2017-08-11 23:29:04 バージョン

楓(バケモノの子)

かえで

アニメーション映画『バケモノの子』の登場人物。

CV:広瀬すず


※この記事には映画『バケモノの子』のネタバレが含まれています。


概要

細田守監督のアニメ映画『バケモノの子』の登場人物。

渋谷の進学校に通う女子高生で、蓮(九太)が再び人間界に戻ってきたとき図書館で出会う。


幼い頃から両親によって勉強を強いられていたため友人に恵まれておらず周囲からは半ば軽蔑されているが、本人は仕方ないとその現状を受け入れつつあった。そんな中、人間とは対を成す存在である「バケモノ」の世界で育った人間・蓮と出会い、9歳のまま知識や学力が止まっていた彼に対して、勉強を教えることによって人間界への関心を再燃させていく。そして蓮と親交を深めるうちに、次第に自分の気持ちに素直に向き合うようになる。


勤勉の賜物か、判断力と推察力に長けている節があり、終盤ではそれを活用して一郎彦と戦う九太をサポートした。


劇中で本格的に関わるのは中盤だが、物語冒頭でも多数のモブに混じって幼少時の彼女と思われる少女が母親と思われる人物に手を引かれる形で登場している。


物語での活躍(ネタバレ注意)

蓮が人間界に迷い込んだ際に立ち寄った図書館で、彼が楓に「鯨」の読みを尋ねてきたことで彼と出会う。その後帰り際に図書館内で騒いでいたことで注意した不良たちに袋叩きに遭いそうになったところを蓮に助けられ、「暴力は良くない」と言いつつも助けられたことに感謝する。それを機に蓮と親しくなり、彼が小学生程度の学力であることを知ると「知りたいこと、知りたくない?」と持ちかけ、蓮がそれに応じたことから彼に勉強を教えるようになる。


結果蓮は彼女の上手な指導法と元来から備わっていた学力、持ち前の知的好奇心によって楓が驚くほどメキメキと学力が身についていき、学力が高校程度にまで達したところで楓は蓮に大学進学を勧める。蓮は彼女との触れ合いによって人間界に対する関心が再燃したことからバケモノ界への未練がありつつもその提案を承諾し、楓と共に区役所で住民票を調べている内に、蓮はそれまで行方知らずとなっていた父親の所在を知り、結果父親との再会を果たす。


しかしそれによって蓮と熊徹との間に不和が生じてしまい、その後再び蓮と落ち合うと彼から「俺は何なんだ?」と問い詰められ、蓮の気持ちの揺らぎを悟った彼女は彼に自らのお守りを差し出し、蓮は自分の気持ちに決着を付けるべくバケモノ界へ赴く。


バケモノ界で次期宗師を決める闘技試合が終わると、自宅で勉強している最中蓮から電話で呼び出され彼と再度落ち合い、蓮からバケモノ界で起こった出来事を聞かされると、2人の目の前に闇に支配されていた一郎彦が現れる。蓮は単身で一郎彦に挑むもそこでは決着はつかず一旦退散を決めるが、楓は蓮と共に逃げる途中持っていた本を落とし、それを読んだ一郎彦は「鯨」という単語を目にしたことから鯨の姿となって街中を暴走。


その後逃げた先の地下鉄車内で楓は自身が蓮に対して抱いていた想いを彼に打ち明け、蓮に大きな決断をさせる。一郎彦との決戦の場に決めた場所に一郎彦が現れると蓮は彼女に逃げるよう呼びかけるも、むしろ楓は鯨化した一郎彦の前に出て「あなたは一体何がしたいの!?誰だって、みんな等しく闇を持ってる。蓮くんだって抱えてる。私だって!!私だって、抱えたまま今も、一生懸命もがいてる…だから簡単に闇に飲み込まれたあなたなんかに蓮くんが負ける訳がない。私たちが負ける訳ないんだからっ!!」と叱責。そして一郎彦が彼女に襲いかかってきたことから蓮にその場を退けられ、蓮は一か八か己の命を犠牲にして一郎彦を止めに掛かろうとし、楓はチコと共に涙しながらそれを見守る。しかしそんな蓮の目の前に付喪神と化した熊徹が現れ、渋天街の住人たちと熊徹に促されながら刀を構え、熊徹と共に一郎彦を闇から解放し彼を救った。


騒動が鎮まると、渋天街で蓮を祝う盛大な披露宴が開催され、楓もそれに参加するためにバケモノ界へ赴く。そして彼の前に現れると、蓮に大学の願書を提示し大学に進学するか否かを問うと、彼は大学に進学すると応え、蓮は渋天街を去り父親と共に暮らすのであった。


余談

以上のように大きな悩みに直面した九太を支え、最終的に彼にとって変え替えのない人物の一人となった楓だが、実は観客の間ではネットを中心に彼女の存在を不必要と説く意見が数多い。賛否両論が多いことで知られる本作ではあるが、この否定的な意見については否定派は勿論、肯定派の観客ですらこの意見に同感するものが数多いため、いかに彼女の存在が観客の間で物議を醸しているかが伺える。


一応彼女は期せずして人間界に迷いこんでしまった九太に対し、勉強を教えることによって彼に人間界への関心を持たせ最終的に人間界で暮らすという決断を下す重要な役割を担うわけだが、その切っ掛けとなるシーンを楓視点で起承転結にまとめて見直すと、「自身を嫌う不良高校生たちに絡まれ集団リンチを受けそうになる→九太の介入によってその窮地を脱する→駐車場で九太と話すうちに彼が無学であることを知る→そんな九太に対し勉強を教えることを提案し、彼がそれに同意する」、というのが大まかな流れである。


しかしそれまでの話を流れを見ればわかるが、楓と九太はこの時点まで一切面識がなく、それを鑑みると彼女のその行動は冷静に考えて不可解極まりない。そもそも九太が無学と聞いて勉強を教えたがるという楓の発想も疑問である。


また終盤での九太と一郎彦の死闘の際には、必死に楓に逃げるよう呼びかける九太に対し、暴走する一郎彦に立ち向かおうとする九太の腕を掴んで離そうとしなかったり、上記のように一郎彦の前に出てきて叱咤をするなど、側から見れば完全な妨害行為としか言いようのない行動をしている


その他にも、小説版ではいつも同じ服しか着ない九太に対し、「衣替えしたら?」と称して彼に自腹でおニューの服を購入させている。余計なお世話だ。


以上のように、彼女はよくよく見れば完全に不審かつ不可解と捉えようがない謎の行動を連発している。これでは肯定派否定派問わずいらない子呼ばわりされるのも無理はない。正に近年ネットで議論されている「ヒロイン役立たず論」の典型的な例と言えよう(「ヒロイン」の記事も参照)。


ただし彼女の名誉のためにフォローすると、楓は九太と出会うまでは両親含め誰一人として他人に気遣われた経験がなく、彼女を気遣った人物は事実上九太が初めてであったため、それを踏まえると彼女が九太に親しみを持ち彼に勉強を教えるのも多少唐突かつ不自然であれ致し方ないと言える。


終盤の妨害行為も、初めて親しく感じ自身にとって掛け替えのない存在である九太が、一郎彦との戦いで命を落とすことを察した故の行動であると伺える。実際九太は上記のように一郎彦を自身の胸に取り込み、そこを剣で突き刺すという自殺行為で一郎彦の暴走を食い止めようとしていた。またこの時点まで楓はバケモノや「闇」の存在を知らず、当然暴走した一郎彦を止められるのも九太のみであるという事実も把握のしようがなかった。彼女から見れば九太は親しいとはいえ一人間に過ぎず、その彼が都市一つを破壊できるほどの強大な力を持つ一郎彦と闘うとなれば楓視点からしてそれこそ自殺行為も同然である。そのため九太を一郎彦と戦わせようとしない彼女の行動はあくまで詳しい事情を知らないためであり、決してミーハー的な思考でしている訳ではない


また中盤〜終盤にかけての渋天街の次期宗師を決める闘技試合においては、九太が一郎彦によって熊徹に重傷を負わせられたことに激昂して一郎彦を惨殺しようとするも間一髪のところで我に帰れたわけだが、それは彼女が九太に託したお守りが彼の心に共鳴したためである。


他にも九太と一郎彦の決戦では、一郎彦が強大な闇の力を用いて暴走する故に人混みが多い渋谷では思うように戦えず閑散とした場所を探す九太に対し、持ち前の判断力と推察力を以って彼をサポートし、最終的に人通りの少ない閉館後の代々木体育館へ行き着きそこを決戦の舞台に定めることに成功している。もし彼女のサポートがなければ、そのまま二人の戦いによって渋谷に多大な被害を及ぼした可能性は十分考えられる。


このように以上の擁護論を鑑みて、楓は厳密に言っても物語に於いて言うまでもなく必要な存在ではあることが伺えるが、いずれにせよ彼女の存在は本作の賛否両論が激しい最大の原因の一つであることは言うまでもない


関連イラスト

楓ちゃんも闘うバケモノの子


関連タグ

バケモノの子 細田守 九太

いらない子 メインヒロイン(笑)

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