概説
日本列島あるいは日本人(日本民族)による、日本固有の文明社会のこと。
アメリカの国際政治学者であるサミュエル・P・ハンティントン博士は著書『文明の衝突』で「一国で成立する、主観的な自己認識を持つ孤立文明」と称している。
特徴
アジアの中で、ひいては国家として世界で最も長い歴史を誇り、大陸や東南アジアなどの周辺国の影響を受けながらも、独自の伝統文化や技術を築き、欧米からさえも様々なものを取り入れてきた。
他文明の産物、長所を吸収し自己改良する余地が大きく、時代ごとに全く別物と見えるほどに変貌を遂げつつ古代から現代まで存続している。
同化力も非常に強く、日本民族に吸収した周辺種族を、彼ら独自の文化を残しながら(日本文化の一部になりながら)ほぼ例外なく日本民族に同化させている。
長所として衛生に対する関心が非常に高い(生水を飲めるというのは非常に希有)ことが挙げられる。
イメージ
日本文明と言った場合、大和時代及びそれ以前の古代、平安時代、戦国時代、江戸時代がイメージされることが多い。イラストに起こされる場合もこれらが多くを占める。これらが混合した、あるいは古代、中世の要素が強調された勘違い日本風のイラストも存在する。
近年の新発見
これまで「日本の文化は縄文文化をもって最古とする」というのが常識とされてきた。
しかし、1998年に日本の青森県における大平山元遺跡での発掘調査において土器が発見され、炭素年代測定法によりそれが1万7000年前に造られた世界最古の土器であること判明している(同時に発見された石鏃も世界最古)。
更に2013年には、日本とイギリスの共同研究チームが北海道や福井県で発掘した約1万5000年前の土器の内面に残っていた炭化物から、海の生物に由来する脂質が検出され、なんと加熱調理した痕跡があることが判明し、世界最古の例とされた。
これら縄文時代以前の地層から発見された物品により、日本にそれ以前から太古の文明が存在していたことが示されたのである。