学戦都市アスタリスク
がくせんとしあすたりすく
概要
コミックアライブコミカライズ版
作画:にんげん
非常にわかりにくいが、タイトルは「学戦都市」。「学園都市」ではない点に注意。
作品独自の造語と独特のルビ振りが特徴。
また、それら独特の言い回しも含めた用語辞典が1巻の巻末に、登場キャラクターの簡単な解説が4巻に掲載され、全巻の冒頭には物語の主要な舞台である人口浮島の簡略な地図のようなものが掲載されているのも特徴。
第1巻刊行時、同時に第1巻が刊行された「バロックナイト」、「蒼柩のラピスラズリ」と共に、発売から1週間経たないうちから売り切れ続出+大量増刷が決定するという珍事が発生する。
大都市圏へ集中的に在庫が割り振られた結果、地方の書店には影も形すらないという事態となり、地方の読者は重版が店頭に並ぶまでは通販に頼らざるを得ない状況となった。
TVアニメ版
2015年秋アニメとしてTOKYOMX、群馬テレビ、とちぎテレビ、アニマックスおよびBS11、さらには赤坂のお友達と六本木のお友達各約1局ずつにて放送された。そして、2016年春アニメとして第2期(12話)も放送されている。
アニメーション制作はA-1Pictures。
ゲーム版
タイトルは『学戦都市アスタリスクフェスタ 鳳華絢爛』
アニメ版ホームページリニューアルの際に速報として発表、8月22日にニコニコ生放送で行われたファーストミーティングイベントで2016年リリース予定である事が判明した。
2016年1月28日発売、機種はPSVita、販売はバンダイナムコエンターテインメント、主題歌は西沢幸奏が担当する。
あらすじ
二十世紀に地球を襲った未曾有の大災害・落星雨(インべルティア)。この大災害により世界中の多くの都市が壊滅した。しかし、この隕石から発見された未知の元素である万応素(マナ)は人間の科学技術を格段に発展させ、さらに《星脈世代》(ジェネステラ)と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出すこととなった。世界最大の総合バトルエンターテイメント《星武祭》(フェスタ)の舞台、 六つの学園に囲まれた通称アスタリスクと呼ばれる水上学園都市“六花”。 星導館学園高等部へ転入してきた特待転入生・天霧綾斗は己が願いを叶えるために、この都市で戦う事を誓う。熱き魂が疾走する学園バトルエンタメここに開演!
登場人物
星導館学園
校章は不撓の象徴たる赤い蓮の花「赤蓮」。 主人公達が所属する学園。
中等部、高等部、大学部を持ち、前期の成績は総合五位。 初期は上位の常連で、かつては三冠制覇の経験もあるものの近年は低迷。 傾向的には《鳳凰星武祭》に強く、学園としてもタッグ育成に力を入れている。
また、学有純星煌式武装の保有数はトップ。
生徒の自主性を重んじる自由な校風で、校則も緩やか。 伝統的に《魔女》や《魔術師》の学生が多い。
CV:田丸篤志
この作品の主人公。特待転入生として生徒会長であるクローディア・エンフィールドが直々に引き抜いて彼を転入させた。
物事に関してあまり角を立てないように振る舞うなど、一見すると優男のような性格だが、その実つかみどころのない飄々とした性格で、ユリス曰く「底の読めぬ男」、「どこかふわふわした心優しい青年」。
後についた二つ名は《叢雲》。
使用武装は純星煌式武装(オーガルクス)である《黒炉の魔剣(セル=べレスタ)》。
CV:加隈亜衣
この作品におけるヒロインの1人で、事故により綾斗に決闘を仕掛けた張本人。
因みにリーゼルタニアと言う国の第一王女で、本名はユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルト。
戦闘においては基本的に《魔女(ストレガ)》として炎を操っての遠距離戦を主体とするが、設置型のトラップのようなものを仕掛けたりとかなりの攻撃パターンを持つ。
また接近された時の牽制用に細剣型の煌式武装(ルークス)である《アスペラ・スピーナ》を所持している。
二つ名は《華焔の魔女(グリューエンローゼ)》。
CV:井澤詩織
この作品におけるヒロインの1人で、綾斗の幼馴染み。彩斗が転入したことで6年振りに再会した。
基本的に無表情で、尚且つ小学生のように小柄。方向音痴が玉に瑕。作中でもよく道に迷っている。
父親が落星工学(万能素や落星雨で落下してきた隕石を研究する学問)の学者で、その父が作った煌式武装の宣伝が目的の一つ。
本当の実力を意図的に隠しているかのような描写があり、ユリスからもその実力に一目置かれている。
CV:東山奈央
この作品におけるヒロインの1人で、綾斗を物語の主な舞台である星導館学園に転入させた張本人。
彩斗と同学年ながら大人びており、落ち着いた物腰柔らかい少女。
しかし本人曰く「暗黒物質を煮立てて焦げ付かせたものをブラックホールにぶちこんで黒蜜をかけたくらいには真っ黒」な腹黒い性格をしているらしく、それを隠す為せめて人当たりはよくしておかないと、と言う思いから来ているものらしい。
あまり表立った戦闘は行わないが、純星煌式武装《パン=ドラ》を保有する。
この武器が齎す能力により、付いた二つ名は《千見の盟主(パルカ・モルタ)》。
CV:小澤亜李
この作品におけるヒロインの一人。彼女のみ2巻より登場し、中等部に所属する13歳で、現状唯一年齢が違うヒロイン。
小動物を思わせるような性格だが、戦闘においてはその気弱さはどこへやら、剣術の心得がある綾斗を圧倒するだけの実力を持つ。またユリスをして「10回中1回も勝てない」と言わしめる程。
しかも使用する武器は、誂えこそ近代化されてはいるものの、中身は煌式武装では無いただの日本刀《千羽斬(せんぱぎり)》。
登場当初は自身の保護者でもある叔父の操り人形のように動いていたが、後に出奔。
彩斗に懐いており、おじとのいざこざが解決した後には互いに名前で呼び合う程の仲となる。
CV:星野貴紀
鍛え上げられた肉体と2メートル近い巨体の持ち主で、《轟遠の烈斧(コルネフォロス)》の異名を持つ、学園の実力者の1人。
使用武装は斧型の煌式武装《ヴァルディッシュ=レオ》。
その体格と星脈世代としての身体能力を利用した近距離戦を得意とするが、そのバトルスタイル故にユリスのような《魔女》や《魔術師(ストレガ)》とは相性が悪い。
《ヴァルディッシュ=レオ》を手にする前に、後に彩斗が所有することになる《黒炉の魔剣》を使おうとするが、拒絶され、今に至る。
プライドが高く、相性故に敗戦を喫したユリスに何度も再選を望んでいたが、規定によりそれが叶わずいた。
また一方で非常に義理堅く、道に迷っていた紗夜を「ついで」と称して彩斗の許に送り届けたり、事件に巻き込まれたところを彩斗に助けられた後には彼なりの“ケジメ”として綾斗の許へ赴き礼を述べたりしていた。なんだかんだでいい奴。
CV:内田雄馬
学生寮で綾斗のルームメイトの少年。
人懐っこい笑みが似合う顔立ちをした少年で、綾斗より頭一つ分背が高い。
新聞部所属と言うことで情報通。有料で(一部現物支給の時もあり)綾斗などに情報を提供する。
クローディアと顔見知りであり、裏で何か繋がりがあることを匂わせる描写がある。
アルルカント・アカデミー
校章は叡智の象徴たるミネルバの使い「昏梟」。
落星工学の研究に特化した学園で、六学園中唯一「研究院」という部門を持つ。
前期の成績は総合二位。アルルカントは世界でもトップクラスの落星工学技術を有し、 学生もその恩恵を最大限に享受している。
そのため学生が操る煌式武装の性能は、平均値で見ても他学園を凌駕している。 積極的に煌式武装の開発研究を行っており、 未知の最新技術が星武祭でお披露目されることも珍しくない。
創立当初は下位クラスに甘んじることが多かったが、近年では上位陣に食い込む躍進を見せている。 徹底した成果主義を奉じる校風で、学生は研究クラスと実践クラスの二つに大別され、 さらに実践クラスには《魔女》と>《魔術師》を対象とした特待献身生という制度が存在する。
その扱いは実験体に近いものであり、通常の形でアルルカントへ入学する《魔女》や《魔術師》は少ない。
CV:赤崎千夏
アルルカントの誇る天才学者。学内における派閥の1つ、《彫刻派》の筆頭。
自作の自律式擬形体、アルディとリムシィを鳳凰星武祭に送り込む。
CV:田村睦心
落星工学の分野に精通した生徒。学内の最大勢力である《獅子派》の筆頭。
専門は煌式武装の研究開発で、汎用性に意義を見出して研究を重ねている。
アルディ(AR-D)
CV:羽多野渉
"Absolute Refusal" Defended type。"Absolute Refusal"は開発コードであり、二つ名のようなもの。明確な自我を持ち、その性格は豪快かつ自信過剰。リムシィとのタッグでは前衛担当。
リムシィ(RM-C)
CV:佳村はるか
"Ruinous Might" Cannon type。"Ruinous Might"は開発コードであり、二つ名のようなもの。明確な自我を持ち、その性格は沈着冷静。アルディとのタッグでは後衛担当。
レヴォルフ黒学院
校章は覇道の象徴たる二本の剣「双剣」。
個人戦において圧倒的な強さを誇り、《王竜星武祭》を制した回数は群を抜いている。
中等部と高等部、大学部を持ち、前期の成績は総合四位。 非常に好戦的な校風で、六学園で唯一積極的に他学園の生徒との決闘を推奨している。 そのためか、都市内での騒動にはレヴォルフの学生が絡んでいることが多い。
校則はないに等しく、個人主義者の巣窟。金銭で買収される者や犯罪に手をそめる者が後を絶たない。 手段を選ばず勝ちだけを追求する学生が多いのも特徴。
その分チームワークや協力といったものとは無縁で、過去《鳳凰星武祭》は二回、《獅鷲星武祭》は一回しか制したことがない。
CV:内山夕実
《吸血暴姫(ラミレクシア)》の二つ名を持つ、序列3位の実力者。言動や風貌は粗野だが、妹のプリシラを大切に思っている。
使用武装は大鎌の形状をした純星煌式武装《覇潰の血鎌(グラヴィシーズ)》。
CV:長妻樹里
イレーネの妹。姉とタッグを組んで鳳凰星武祭に出場している。
姉とは正反対に真面目で芯のしっかりした女の子。
CV:杉田智和
レヴォルフの生徒会長。常に不機嫌そうな表情をしている小太りの青年だが、策謀を十八番とする頭脳派の人物。
その辣腕ぶりから《悪辣の王(タイラント)》の異名で畏怖されている。
界龍第七学院
校章は帝王の象徴たる四神の長「黄龍」。六学園中最大の規模を誇る。
特に大学部や中等部などの区分けはなく、才能さえあれば年齢を問わず受け入れている。 特にどの《星武祭》に強いといった特色はないが、逆にどの《星武祭》でも安定的な成績を残しているとも言える。 総合成績で一度も下位クラスに甘んじたことがない唯一の学園。
官僚主義と放任主義が絡み合う混沌とした校風で、あらゆる面でオリエンタルな雰囲気が濃い。 星仙術と呼ばれる独自の万応素感応能力普遍化技術を持ち、
武術においても他学園よりレベルが高い。
CV:南央美
生徒会長にして序列1位。《万有天羅》の異名で恐れられる実力者だが、見た目は幼女。
CV:松田颯水
序列は9位。
星仙術を扱う腕利きの道士で、双子ならではの連携戦術を得意とする。
CV松田利冴
序列は10位。沈雲の双子の妹。
兄妹ともに不遜な性格をしており、常に相手を見下しては敬意の一片も払わない。このため、他校のみならず同じ学園の一部生徒からも快く思われていない模様。
クインヴェール女学園
校章は冀望の象徴たる名もなき女神「偶像」。
六学園中唯一の女学園にして、最小の学園。成績も最下位常連。
明るくきらびやかな校風で、入学条件に戦闘能力や学力にプラスして「容姿」を要求しており、所属する学生は皆トップアイドル級の美貌を誇る。 実際にアイドル活動を行っている学生も多く、下位常連という成績にも関わらずファンは多い。制服は学生が自由にアレンジすることができる。前期の成績は総合六位。
ただしクインヴェールは総合成績を度外視した戦略をとっている。
CV:千菅春香
この作品におけるヒロインの一人。彼女のみ学校が異なっており、他のヒロインよりも綾斗と接触した時期が遅れている。
クインヴェール女学園生徒会長にして序列一位。《戦律の魔女(シグルドリーヴァ)》の二つ名を持つ魔女であり、また有名な歌姫として世間から注目されている。
聖ガラードワース学園
校章は秩序の象徴たる太陽の輪「光輪」。
創立以来常に上位の成績を維持し、総合優勝の回数も六学園中トップ。
期の成績は総合一位。チーム戦である《獅鷲星武祭》に強く、 学園としてもチームワークを重視して育成を行っている。
規律と忠誠を絶対とした厳格な校風で、決闘についても 原則的には禁じている(序列は定期的に行われる模擬戦の結果で決定する)。 そのためレヴォルフ黒学院とは折り合いが悪い。
また、ガラードワースにおいて《冒頭の十二人》は
「銀翼騎士団(ライフローデス)」、その構成員は正騎士と呼ばれている。
CV:櫻井孝宏
聖ガラードワースの生徒会長にして、同学園の序列一位。常に社交的な態度を崩さず、本心を見せることはない。剣士としての腕は超一流。四色の魔剣の一振り《白濾の魔剣》を持つ。二つ名は《聖騎士(ペンドラゴン)》。
レティシア・ブランシャール
CV:大西沙織
聖ガラードワース学園序列二位。生徒会副会長。《光翼の魔女(グロリアーラ)》の二つ名を持つ。気が強く正義感に満ち溢れた性格で、弱者に優しく、強権を振りかざすものには容赦がない。ノブレス・オブリージュがモットー。名門貴族であるブランシャール家の一人娘。クローディアとは幼少時より因縁があり、ライバルを自認している。
用語
水上学園都市“六花”
北関東多重クレーター湖上に浮かぶ水上学園都市。ほぼ正六角形で、それぞれの角から稜堡のように六つの学園が外側へ競り出している。その都市の形状から、正式名称よりも「アスタリスク」と呼ばれることのほうが多い。
世界最大の総合バトルエンターテインメント《星武祭》の舞台であり、住民の半数近くが学生かつ《星脈世代》。中央区と外縁居住区に分かれており、中央区はさらに商業エリアと行政エリアに分かれる。名目上は日本の一都市にすぎないものの、複数の統合企業財体が直轄統治しているため完全に治外法権状態。そのため入国手続きなども独自のルールで行われている。北関東多重クレーター湖には複数の海上空港が整備されており、世界各国から直接訪れることが可能。ただしアスタリスク内には空港は存在しないので、海上空港から船か飛行船で入ることになる。島内の交通はモノレールと地下鉄が中心。
落星雨(インベルティア)
二十世紀に地球を襲った未曾有の大災害。三日三晩に渡って世界中に隕石が降り注ぎ、多くの都市が壊滅した。この結果、既存国家の力は著しく低下し、統合企業財体と呼ばれる新たな経済主体が取って代わることになる。
またこの隕石群からは未知の元素である万応素が検出され、科学技術の発展を促すと共に《星脈世代》と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出した。
《落星雨》はいずれの観測機関もその予兆を捉えることがなく、また通常の隕石と比べて破壊規模が小さすぎることから、ただの隕石ではないのではという説が主流。
統合企業財体(Integrated Enterprise Foundation)
《落星雨》後、混乱の極みにあった世界経済を乗り越えるために無数の企業が融合して誕生した新しい経済主体。疲弊した国家を遥かに凌ぐ力を持つ。
かつては八つ、現在は六つの統合企業財体が存在し、実質的に世界をコントロールしている。アスタリスクにおいては各学園の運営母体でもある。
星導館学園の運営母体は「銀河」。
聖ガラードワース学園の運営母体は「EP(エリオット=パウンド)」。
界龍第七学院の運営母体は「界龍」。
アルルカントの運営母体は「ソルネージュ」。
レヴォルフの運営母体は「フラウエンロープ」。
クインヴェールの運営母体は「W&W(ウォーレン・アンド・ウォーレン)」。
星武祭(フェスタ)
統合企業財体が主催し、アスタリスクで行われている学生同士の武闘大会。三年を一区切りとし、初年の夏に行われるタッグ戦は《鳳凰星武祭(フェニクス)》、ニ年目の秋に行われるチーム戦は《獅鷲星武祭(グリプス)》、三年目の冬に行われる個人戦は《王竜星武祭(リンドブルス)》と呼ばれている。ルールは星武憲章に定められた通り、校章の破壊によって勝敗を決する。エンターテインメントであるため、明らかな残虐行為や殺傷を目的とした攻撃は処罰の対象となる。
世界中にライブ放送され、世界最大の興行規模を誇る。統合企業財体の元では経済的な成功/発展が最重要視されるため、《星武祭》は常に多数派の消費者が望む方向へ運用されてきた(参加者が学生に限定されているのも、それが多数派の意見だからである。見目良い少年少女が戦う姿を視聴者は望んでいる)。倫理的な面からの批判も存在するが、統合企業財体の下ではそういった意識は希薄化しているため一定以上の力を持つことはない。
また各学園の校風が極端な理由も、ある程度演出によるものである。
決闘
アスタリスクでは《星武祭》以外でも学生同士の私闘が認められており、俗に決闘と呼ばれている。お互いに所属を名乗り、闘いに参加する意思を明示すれば校章が合意と見なし認証される。勝敗の決定に関しては《星武祭》に準じ、その戦闘データは校章を経由してアスタリスクの中枢に集積される。もしも星武憲章に違反するような行為があった場合、厳しく処罰される。そのため校章を身に着けていない場合は決闘に参加することはできない。
ただし実際には決闘以外の偶発的な戦闘(つまり喧嘩)や乱闘も頻繁に発生している。これらは警備隊による取締りの対象であり、上記の通り憲章違反なので、捕まった場合は相応の罰則が適応される。
序列
各学園は星武憲章によって定められた情報開示義務により、実力者上位七十二名の氏名を公表している。『在名祭祀書(ネームド・カルツ)』と呼ばれるそれは、いわば各学園トップランカーの名簿表であり、彼(女)らは自らの序列と二つ名を名乗ることが許される。序列の変動に関しては各学園独自のルールもあるが、原則として月に一度行われる公式序列戦によってなされる。例えば序列外の学生と序列三十位の学生が闘ったとして、序列外の学生が勝利した場合、その学生は新しく三十位に序列される(元三十位の学生は序列外となる)。この変動は決闘での勝敗にも適用される。他学園の学生同士の決闘では序列の変動はないが、有力者同士の場合は学園の面子や評判などに関係してくる。報道機関等がかぎつけてくることも多々ある。
序列入りすれば学園からは特待生待遇になり、資金面や居住空間など様々な面で優遇される。特に最初のページに名前が載った生徒は「冒頭の十二人(ページ・ワン)」と呼ばれ、全学生にとっての憧れである。また星武祭は世界中に映像中継されているため、世界中にファンが存在する。
アスタリスクに集まる学生の大半は序列を上げ、星武祭において活躍することを目標としている。序列上位の学生は卒業後の栄光がほぼ保障されている上、《星武祭》で優勝した学生には主催である統合企業財体があらゆる望みを叶えることを約束している。
運営委員会
六つの統合企業財体から選出されたメンバーによって構成される委員会。《星武祭》の管理運営を一任されており、実質的な最終意思決定機関。現在の委員長はマディアス・メサ。
星武憲章(ステラ・カルタ)
アスタリスクの全ての学生に適応される厳格なルール。これに違反した者は厳罰に処され、場合によっては退学もありえる。またその関与が認められた場合、その学生が所属する学園にも罰が及ぶこともある。過去に何回か改訂を重ねている。重要な項目は以下。
一つ、アスタリスクにおける学生同士の闘争は、互いの校章を破壊することを目的とする場合のみこれを許可する。
一つ、アスタリスクにおける学生が《星武祭》へ参加できる期間は、十三歳から二十二歳までの十年間とする。
一つ、アスタリスクにおける学生が《星武祭》へ参加できる回数は、三回を上限とする。
万応素(マナ)
《落星雨》によって地球にもたらされた未知の元素。現在では世界中に拡散し、どこにでも存在する。特定の条件を満たした生物の意志に反応し、周囲の元素を巻き込みながらあらゆる事象・物質へと変化する。
星脈世代(ジェネステラ)
万応素の影響を受けて誕生した新人類。既存の人類を遙かに凌ぐ身体能力と、星辰力と呼ばれるオーラを持つ。中でも生身で万応素とリンクできる異能者は、女性ならば《魔女(ストレガ)》、男性ならば《魔術師(ダンテ)》と呼ばれている。
一般社会においては潜在的な差別意識が存在し、そのためにアスタリスクへやって来る学生も少なくない(その差別意識は《星武祭》への批判が多数派にならない理由の一つでもある)。
星辰力(プラーナ)
星脈世代が持つ特殊なオーラ。《魔女》や《魔術師》は能力を使用するごとに星辰力を消費する。これを使い果たすと意識が消失するが、基本的には時間とともに回復する。星辰力のコントロールは《星脈世代》の基本技術であり、星辰力を集中させることによって攻撃力や防御力を増加させることができる。特に防御面ではその効果が著しい。武器を使った戦闘が日常茶飯事でありながら、アスタリスクの学生達が致命的なケガを負うことが少ない理由はここにある。
星仙術(せいせんじゅつ)
界龍第七学園が開発し発達させた万応素のコントロール技術のこと。星仙術を扱う能力者は道士と呼ばれる。《魔女》や《魔術師》の能力は個人の才能に依拠するが、星仙術はそれを技術としてある程度まで汎用化させることが目的。ただし根本的に《魔女》や《魔術師》の才能がないものには習得することが出来ない。
端的に言えば星仙術は万応素の反応を体系的に分類し、系統的な技術として習得できるようにしたもの。《魔女》や《魔術師》は通常一つの能力に特化するが、道士は鍛錬によって広く複数の能力を使いこなすことが出来る。
落星工学(らくせいこうがく)
万応素や《落星雨》で落ちてきた隕石に関する学問。万応素の働きについては未知の部分が多いものの、隕石に多く含まれていたレアメタルを利用したマナダイトの研究は進んでおり、広く実用化されている。
マナダイト
万応素が結晶化した特殊な鉱石。一定の負荷を与えることにより特定の元素パターンを記憶・固定化する性質を持つ。元来地球上には存在せず、《落星雨》によって落ちてきた隕石から採掘される。煌式武装の起動体として使用されるほか、落星工学によって生み出された工業製品の多くに用いられている。
ウルム=マナダイト
極めて純度の高いマナダイトの総称。通常のマナダイトに比べ希少であり、これをコアに用いた煌式武装は純星煌式武装と呼ばれる。色や形も様々で、同じものは二つとない。意思を持つとされる。
煌式武装(ルークス)
マナダイトをコアに利用した武具の総称。マナダイトに元素パターンを記憶させることにより、発動体からその素体を具現化することができる。周囲の万応素を集約することにより光状の刃や弾丸などを生成する。また、動力自体も万応素から抽出している。
純星煌式武装(オーガルクス)
ウルム=マナダイトをコアに利用した武器の総称。特殊な能力を秘めるものが多いが、その反面様々な「代償」を必要とする。さらに武器自体に意思のようなものが宿っており、使い手との相性によっては触れることさえできない。相性は適合率として測定される。
その多くは統合企業財体が所有しており、各学園へ管理を委任し、適合率の高い学生に貸し出す形でアスタリスクへ提供されている。
2014年8月から『別冊少年マガジン』で連載されている外伝コミカライズストーリー。
六学園の1つ『クインヴェール女学園』と、その学園で1つのチームを結成した少女達の物語であり、現在は3巻まで刊行されている。
2016年4月に小説版1巻が発売された。