A380
えあばすえーさんびゃくはちじゅう
概要
客席数はボーイング747をも上回る、文字通り世界最大の旅客機。
その輸送能力も巨大であり、全席をエコノミークラスにすれば850人以上を乗せることが可能とされている。
もちろん、その輸送・搭載能力を収容力ではなく豪華装備に回すことも可能であり、採用している各社では多彩な装備を詰め込んで文字通りのフラッグシップ機として運用されている。
機体
全二階建て構造の機体。これがA380の最大の特徴だが、「全二階建て」の仕様は必ずしもいいことばかりではなく、空港によっては既存の(ボーイング747用など)ボーディングブリッジが使用できないなど、色々と苦労を強いられることもあるとか。
ちなみに日本の空港においては、成田空港及び羽田空港国際線ターミナルはA380対応のスポットが用意されている他、新千歳空港や関西国際空港や中部国際空港でも適合が確認されている。
そーいえばA380の1号機のお披露目飛行で行われた、新千歳の適合テストはエアバスの意向で行われたらしいけど、あれって絶対羽田-新千歳線への導入いかがですかーってことだよなあ…
エンジンはターボファンエンジン4発を搭載。
B747以来の4発機。メーカーとしてはロールス・ロイス(トレントシリーズ)か、エンジンアライアンス(GP7000シリーズ)が選択可能。1台辺りの推力は36t前後となっている(ちなみにB747のJT9D・RB211・CF6は25t前後)。
コクピットはA320とほぼ同じ仕様となっており、また飛行特性も極力A320に近づけてあるとされており、(エンジンが4発である以外は)パイロットは僅かな違いの講習のみで乗り換えられるとされている。もちろん、操縦桿はエアバス得意のサイドスティック方式(横にゲームのジョイスティックのような操縦桿を取り付けている)。
全二階建ての旅客機は今に始まったことではない
「全二階建て」というのがA380の最大の特徴だが、全二階建ての旅客機というのは構想まで含めれば今に始まったことではない。
例えば旧マクドネル・ダグラスは「MD-12」という全二階建て・4発の旅客機を検討していたし、ボーイングもB747のバリエーションとして全二階建てのモデルも検討していたと言われている。
日本では
前述のとおりあからさまに羽田-新千歳線への投入を意識して新千歳空港での適合テストを行ったりして売り込みを図っていたりしたものの、日本の航空会社は「大型4発機よりも燃費の良い双発機」という流れになっており、日本航空・全日空とも採用はなかった…と思ったら、新興航空会社スカイマークが国際線進出の切り札として6機発注した。2014年末~2015年以降にはJAナンバーのA380が日本の空を飛ぶことになると思われたが・・・・・・。
ちなみにスカイマーク曰く、A380を採用した理由は「初めての国際線運航だから4発機の方が信頼できる」ということらしい。
2014年7月末に、エアバス社から「お前経営状態悪いだろ。金払えそうにないだろ。だから売ってやらん!」と宣告されてしまう。おまけに2015年1月にはそのスカイマークが民事再生法適用を申請、国際線どころではなくなってしまったため、結局JAナンバーのA380は幻に終わってしまった・・・・・・かと思いきや、一度は採用を見送った全日空が、何を血迷ったか、2018年にも3期購入する意向であることが明らかになった。主に羽田-ホノルル(ハワイ)線に投入するとのこと。もっとも、全日空がスカイマークの再建に手をさしのべることになった際、エアバスから「それなりの責任取れやお前」と脅されて、スカイマークがキャンセルした3機を引き取るハメになった、と言う見方もある。
また海外の航空会社が保有する機体が成田空港や関西国際空港に飛来している。またシンガポール航空も2014年の夏休みにおける一部期間限定で名古屋線開設25周年事業の一環として中部国際空港に運行した事もある。