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A380

えあばすえーさんびゃくはちじゅう

A380とは、エアバス社が開発した全2階建ての超大型旅客機。
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概要

エアバスが開発した世界初の全2階建ての超大型旅客機。2007年10月25日にシンガポール航空にて初就航した。

旅客機としては世界最大で、客席数はボーイング747をも上回るが、機体の大きさはウクライナの貨物機An-225 ムリーヤに次ぐ2番目。

その輸送能力も巨大であり、全席をエコノミークラスにすれば850人以上を乗せることが可能とされている(実際の運航では最大でも600席台)。もちろん、そのキャパシティを豪華装備に回すことも可能であり、採用している会社の中にはバーやラウンジ、シャワールームなど多彩な装備を詰め込んで”空飛ぶホテル”として運用されている事も。

機体

全2階建て構造の機体。これがA380の最大の特徴である。かつて旧マクドネル・ダグラスは「MD-12」という全二階建て・4発の旅客機を検討していたし、ボーイングも747のバリエーションとして全二階建てのモデルも検討していたが、実現したのはこれが世界初であった。

エンジンターボファンエンジン4発を搭載。
B747以来の4発機。メーカーとしてはロールス・ロイス(トレントシリーズ)か、エンジンアライアンス(GP7000シリーズ)が選択可能。1台辺りの推力は36t前後となっている(ちなみにB747のJT9D・RB211・CF6は25t前後)。低騒音で低二酸化炭素排出量を実現し、世界一運航規制の厳しいロンドン・ヒースロー空港でも24時間運用が可能である。
コクピットはA320とほぼ同じ仕様となっており、また飛行特性も極力A320に近づけてあるとされており、(エンジンが4発である以外は)パイロットは僅かな違いの講習のみで乗り換えられるとされている。もちろん、操縦桿はエアバス得意のサイドスティック方式(横にゲームのジョイスティックのような操縦桿を取り付けている)。

問題点

「全2階建て」の仕様は必ずしもいいことばかりではなく、空港によっては既存の(ボーイング747用など)ボーディングブリッジが使用できないなど、デメリットが多い。ちなみに日本の空港においては、成田空港及び羽田空港国際線ターミナルはA380対応のスポットが用意されている他、新千歳空港関西国際空港中部国際空港でも適合が確認されている。

本機種の開発が始動した1989年ごろに想定されていた航空路線のハブ・アンド・スポークシステム(まず大型機で大都市間のハブ空港を移動してから、小型機に乗り換えて目的地に向かう方式)が、度重なる開発スケジュールの延期により、投入された2000年代後半には時代遅れのものとなり、航空会社のニーズに合わなくなり、導入した航空会社はキャパシティを持て余すようになった。

また、A380が発生させる後方乱気流はB747のものと比べると桁違いなほど大きく、その分だけ空港の離着陸間隔を大きく空けておく必要が出てくる。そのため一度に運べる輸送量自体は大きいが空港における時間当たりの輸送量は必ずしも大きくなるとは言えない。そのためA380の受け入れスポットは存在しても滑走路の混雑悪化を理由に就航拒否をする空港も珍しくない。国内では羽田空港が後方乱気流の問題や滑走路の混雑を理由に事実上A380は離着陸禁止としている。

貨物機型も航空会社に提案されたが、機体の大きさのわりに搭載量は少なく、ライバルとなるボーイング747貨物型と違って重量物が運べないのでそれほどメリットがない。貨物機型のA380-800Fは開発され発注する会社も出たものの、後述するように結局1機も生産されなかった。

日本では

A380と同じく大型機のボーイング747を世界で多く飛ばしている日本。そのため日本航空全日空が導入するのではないかと報道された。2010年10月にはエアバスの意向で羽田-新千歳間のデモフライトが行われた。

2011年2月6日、スカイマークが国際線進出の切り札として6機の購入契約を結んだ。スカイマークは大量輸送により低価格を実現できること、居住性の良さをポイントにしていた。計画通りに進めば2014年に2機を導入し、同年末~2015年以降にはJAナンバーのA380が日本の空を飛ぶことになり、ロンドン、フランクフルト、ニューヨークへ就航させ、さらに2018年にはさらに9機を発注することになっていた。
ところがLCCの台頭もありスカイマークは経営が悪化。2014年4月からエアバスとA380の購入キャンセル交渉を行っていることが同年7月に明らかになった。スカイマークが経営状況の悪化から「2機の導入延期と4機の契約解除」を申し出た。その際にエアバスから提示された大手航空会社の傘下に入ることと法外な違約金について問題視し、応じられないと発表。エアバスは「大手航空会社の傘下になるよう要求していない」と否定しているものの、29日までに購入契約解除を通告し、700億円規模の違約金を請求した。10月には2機が他の航空会社に売られる見通しとなったことになり、違約金は200億〜230億円となったと朝日新聞が報道。12月19日にエアバスが英国商事裁判所に訴訟の準備を行ったことが報道され、スカイマークも追認した。これにより日本の航空会社初のA380導入は一旦見送られた。

ANAは2008年末までにA380導入の是非について結論を出す予定だったが、12月に世界経済の悪化を受け「ボーイング747-8とともに大型機の導入計画を凍結する」と発表した。2014年3月には、エアバスA380を導入せず、ボーイング777-9などを導入することを決めた。
その後2016年1月26日、ANA親会社のANAホールディングスがA380を3機を購入することを決めたと正式発表、2018年にも成田からハワイ向けリゾート路線に導入するとした。
2019年5月24日に成田-ホノルル線にスカイブルーの「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」1号機が週3往復で運航開始。7月1日にはエメラルドグリーンの2号機が加わり週10往復体制となった。またサンセットオレンジの3号機は2020年度中の受領を予定する。

また海外の航空会社が保有する機体が成田空港や関西国際空港に飛来している。またシンガポール航空も2014年の夏休みにおける一部期間限定で名古屋線開設25周年事業の一環として中部国際空港に運行した事もある。

生産終了へ

大きすぎるために採算が取れる路線が限られること、双発機の大型化や性能向上により4発機の受注数が減少傾向にあることから、2014年と2015年は航空会社から新規発注を得られず、リース会社から発注を受けるのみとなった。このまま注文がなければ、受注残が残っている2018年をもって生産終了になると示唆された。2016年5月にはすでに104機のA380-800を世界中に飛ばしているUAEエミレーツ航空が追加発注することがわかった。これにより生産が継続されたが、2019年になるとエミレーツは直近に発注した20機をダウンサイズのA350ファミリーやA330neoに変更した。

貨物仕様のA380-800Fは軽い貨物を扱うフェデックス、UPS、ILFCが発注したものの、旅客型の発注遅れが貨物型にも影響を及ぼしかねないとしてキャンセルした。これによりエアバスは貨物型のすべての発注を失い、開発が中断された。

カンタス航空は20機を発注し、2011年までに12機を納入していたが、2019年2月に残る8機をキャンセルした。この時点でエミレーツとANAに納入する分が残っていたが、2月14日、頼みの綱だったエミレーツが発注したもののうち39機をキャンセル、A330-900を40機、A350-900を30機代替発注し、エアバスはついに生産終了を発表した。これにより上記の貨物機型のほか、胴体短縮型(-700)、胴体延長型(-900)、短距離型(-800S)、超長距離型(-800R)などの派生型、燃費向上型のA380plusも全て幻に終わった。
エアバス社は、B747(主にボーイング747-400)型機に代わる世界のエアラインのフラッグシップとなることで700-750機の受注を目論んでいたが、現在の総受注数は251機しかなく、目論見の1/3程度で終わる見込みになる。

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