概要
マレーシアの航空会社。シンガポール航空などと並びサービス面での評価が非常に高い。
尾翼に書かれているのはマレー半島に伝わる「ワウブラン」という凧である。1971年に現在の体制になった際に採用された。なお、それまでは翼の生えた虎をシンボルマークとして使っていた。
歴史
マレー半島全体がイギリスの植民地だった1947年にマレー航空として設立。1957年にマレー半島が「マラヤ連邦」としてイギリスから独立した際にそこの航空会社となった。
1963年にマラヤ連邦が、イギリス保護領となっていたボルネオ島北部(ブルネイを除く。1984年にイギリスから独立)およびイギリスの植民地だったシンガポール島を併合し、マレーシアと改組・改名した際、マレーシア航空と改名したものの、英語表記は「Malaysian Airways Limited」だった。
1965年にシンガポール島がマレーシアから独立した際、マレーシアと「新国家」・シンガポールとの共同運営会社となり、その2年後には「マレーシア・シンガポール航空」と改名した。
ただ、会社経営を巡って両国は対立、結果1971年、シンガポール航空が独立したのだった。この際再びマレーシア航空が成立。この時の英語表記は「Malaysian Airline Limited」であった。現在の「Malaysia Airlines」表記は1987年から採用している。
2013年2月に航空連合ワンワールドに加盟した。
経営悪化
国際的な評価は非常に高いが、2014年に370便墜落事故、17便撃墜事件と連続した不幸(しかも17便に関してはマレーシア航空に全く非はなく、ウクライナの親ロシア派がミサイルを誤射した事が原因だった)に見舞われて利用者が激減、その後は政府主導での経営再建に踏み切った。
その際、一度破綻したものの再建を果たした日本航空の再建方法を参考にしているとされる。この際にエアバスA380を手放すことになった。
2014年の連続事故
370便墜落事故(2014年3月8日)
詳細はマレーシア航空370便墜落事故を参照(ボーイング777-200ER、9M-MRO)。
17便撃墜事件(2014年7月17日)
2014年7月17日、オランダのアムステルダム・スキポール空港からマレーシアのクアラルンプール国際空港へと向かっていたMH17便、ボーイング777-200ER(9M-MRD)がウクライナ上空で撃墜された。
ウクライナ(ドネツィク)では当時、ウクライナの政府軍とロシア側の民兵が内戦を繰り広げており、17便はロシア民兵側の勢力範囲を航行していたところを撃墜された。
オランダ側の事件現場検証の申し入れをロシア側民兵が拒否したことで、原因追及が困難なものとなってしまった。
なお連続事故に巻き込まれたボーイング777-200ERは風評被害を受けたことも影響し、MHでは即時退役となった。